レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20130828
- 登録日時
- 2014/02/28 00:30
- 更新日時
- 2014/03/27 11:14
- 管理番号
- 0030001405
- 質問
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解決
『嬉遊笑覧1』岩波文庫p271に『昔模様亀山染』八段目…明治七年の浄るりと出ておりますので亀山の歴史博物館へ行ったら「浮世絵はあるが本文はない」と言うことでした。内容を知りたいのですが、その「浄るり」はございますか。
- 回答
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「昔模様亀山染」は『国書総目録』(岩波書店 1990)で確認したところ、「往昔模様亀山染」と出ておりましたので、この両方の作品名で検索しましたが、当館では所蔵しておりませんでした。
『近松半二浄瑠璃集2』(国書刊行会 1996)によると、「往昔模様亀山染」は亀山の敵討の実話を元に作られた浄瑠璃とあります。
「往昔模様亀山染」の内容の記述は見つかりませんでしたが、元となった亀山の敵討のあらすじは以下の通りです。
「赤堀源五右衛門が石井宇右衛門を逆恨みで闇討ちし、その後、宇右衛門の総領兵左衛門が源右衛門の父遊閑を討ち、相狙いとなる。平左衛門は源右衛門に返り討ちされ、元禄十四年五月九日、石井源蔵・半蔵兄弟は父の死後三十年近くを経て、父並びに兄の敵を亀山城内で討ち果たし、元禄曽我と騒がれた。」
また、「往昔模様亀山染」は改作に「敵討優曇華亀山」、同じ題材でつくられた浄瑠璃は「道中評判敵討」、「道中亀山噺」があるほか、歌舞伎では「勢州亀山の仇討」、「敵討千手護助剣」などがあるとのことです。
このうち「道中亀山噺」はこの『近松半二浄瑠璃集2』に収録されていますので、当館で閲覧・貸出が可能です。
元になった亀山の敵討の実話は「新著聞集」の「勢州亀山にて父兄の敵をうつ」に概略があります。こちらは『日本随筆大成 第2期 巻3』(日本随筆大成刊行会 1928)p243-247に掲載されており、当館で所蔵しております。閲覧・貸出が可能です。
参考に「往昔模様亀山染」の所蔵館は以下の通りです。特別文庫など貴重書の扱いとなっている可能性がありますので、閲覧方法などは各館へ事前に問い合わせていただきますようにお願いします。
・名古屋大学
・大阪府立図書館
・天理図書館
・京都大学
・東京芸術大学 音楽学部
・早稲田大学 演劇博物館
・東京大学
・東北大学 狩野文庫
・日本大学 佐藤文庫
・日本女子大学
・松竹大谷図書館
【その他調査資料】
『浄瑠璃本史研究』(神津 武男/著 八木書店 2009)
『歌舞伎浄瑠璃稀本集成 上・下』(演劇研究会/編 八木書店 2002)
『江戸作者浄瑠璃集』(国書刊行会 1989)
『日本戯曲全集 第29巻』(春陽堂 1930)
『天理図書館善本叢書 和書之部 第9巻・第50巻』(天理大学出版部)
『国書目録叢書 26 義太夫浄瑠璃本目録』(大空社 1998)
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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- 国書総目録 第7巻 岩波書店 1990.9 , ISBN 4-00-008607-3
- 近松半二浄瑠璃集 2 近松 半二/[作] 国書刊行会 1996.4 , ISBN 4-336-03539-3
- 日本随筆大成 第2期 巻3 日本随筆大成編輯部/編纂 日本随筆大成刊行会 1928
- 浄瑠璃本史研究 近松・義太夫から昭和の文楽まで 神津 武男/著 八木書店 2009.2 , ISBN 978-4-8406-9670-8
- 歌舞伎浄瑠璃稀本集成 下 演劇研究会/編 八木書店 2002.5
- 歌舞伎浄瑠璃稀本集成 上 演劇研究会/編 八木書店 2002.5
- 江戸作者浄瑠璃集 田川 邦子/[ほか]校訂 国書刊行会 1989.4
- 日本戯曲全集 第29巻 春陽堂 1930
- 天理図書館善本叢書 和書之部 第50巻 天理図書館善本叢書和書之部編集委員会/編集 天理大学出版部 1979
- 天理図書館善本叢書 和書之部 第9巻 天理図書館善本叢書和書之部編集委員会/編集 天理大学出版部 1972
- 国書目録叢書 26 大空社 1998.5 , ISBN 4-7568-0699-6
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000149972