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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000143858
提供館
(Library)
山梨県立図書館 (2110005)管理番号
(Control number)
9000010255
事例作成日
(Creation date)
2013年11月17日登録日時
(Registration date)
2014年01月23日 11時10分更新日時
(Last update)
2014年01月23日 11時10分
質問
(Question)
平安時代の十二単の女性は、トイレはどのようにしていたのか。
回答
(Answer)
十二単の女性は、「おまる」のような容器を使っていた。平安時代の寝殿造は、トイレである「(御)樋殿」に、排せつ物を入れる容器である大便用の「しのはこ(清筥・尿筥)」、小便用の「おおつぼ(虎子・大壺)」を置いていた。『便所のはなし(物語ものの建築史)』(谷直樹著 鹿島出版会 1986年)によると、十二単のお姫様が樋殿に入るときは大変だった。まずお供の女が姫の打掛をとり、袴を脱がせ、長い髪を前に回して帯の間に挟む。つぎに清筥の背後に長い取手のあるT字型の支えを据え付け、ここに十二単の長い裾を掛ける。姫は裾を掛けたまま、側面は衣装で包み隠し、清筥の上にしゃがんで用を足した。
回答プロセス
(Answering process)
1.トイレの歴史から調査。
(1)『すまいの火と水:台所・浴室・便所の歴史(建築の絵本)』(光藤俊夫著 彰国社 1984年)p86-87「溲瓶」の項によると、平安時代の十二単の女性は、持ち運び用便器である「樋箱(ひばこ)」を用いた。※樋箱の図あり。
(2)『便所のはなし(物語ものの建築史)』(谷直樹著 鹿島出版会 1986年)p4-6「寝殿造の邸宅には便所がなかった」の項にはつぎのようなことが書かれている。
・伊勢貞丈の「安斎随筆」には「古(いにしえ)には雪隠という所はなく、家の中に用便をする所を一間つくって樋殿とよび、大便用の清筥(しのはこ)、小便用の虎子(おおつぼ)を置いた」と書かれている。
・樋殿で用いられた清筥や虎子は、今も使われている「おまる」のことである。「類聚雑要抄」によると、虎子筥は四角形で、象牙の縁取りの蓋があり、台が付いている。上等なものになると、紫檀(したん)地に螺鈿(らでん)や金銀の蒔絵(まきえ)を施したという。平安貴族たちが愛用したのは、こうした立派なものだったに違いない。
・十二単のお姫様が樋殿に入るときは大変だった。まずお供の女が姫の打掛をとり、袴を脱がせ、長い髪を前に回して帯の間に挟む。つぎに清筥の背後に長い取手のあるT字型の支えを据え付け、ここに十二単の長い裾を掛ける。姫は裾を掛けたまま、側面は衣装で包み隠し、清筥の上にしゃがんで用を足した。

2.『平安時代史事典』本編 上巻(古代学協会編 角川書店 1994年)[資料番号0102778479]で「樋箱(ひばこ)」「清筥(しのはこ)」「虎子(おおつぼ)」「樋殿」について確認。
・p363「虎子(おおつぼ)」の項に「平安時代には大壺、尿筥(しのはこ)といっている。大壺は尿を入れ、尿筥は糞をためる筥」とある。また、「寝殿造の調度として、必要欠くべからざるものだった。」
・p417-418「御樋殿(おひどの)」の項に「平安時代の便所。」「ここに便器の樋筥を置いた。」

3.平安の貴族女性の生活に関する図書を調査。
・『中世の女の一生』(保立道久著 洋泉社 1999年)p93-101「女房のトイレづくりはいづくにありや」の項には、『今昔物語集』巻30-1の話を紹介。平中納言という色好みの男が、懸想した女に冷たくあしらわれて、女の「筥(はこ)にし入れらむ物」を見ようと思い憧れた。中納言はこの女房の局のそばで「樋洗(ひすまし)」という便器を洗浄する役の女童(おんなわらわ)の行動を伺い、女童が「筥」を洗いに行こうとしたところを襲って、金の漆塗りの筥を奪い取ったが、その筥には香料で作った贋物が入れられていた。
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
衣住食の習俗  (383 9版)
日本史  (210 9版)
参考資料
(Reference materials)
『すまいの火と水:台所・浴室・便所の歴史(建築の絵本)』(光藤俊夫著 彰国社 1984年) (p86-87)
『便所のはなし(物語ものの建築史)』(谷直樹著 鹿島出版会 1986年) (p4-6)
『中世の女の一生』(保立道久著 洋泉社 1999年) (p93-101)
キーワード
(Keywords)
便所
十二単
女房装束
清筥
尿筥
虎子
大壺
樋殿
寝殿造
平安時代
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
・「安斎随筆」の該当部分は、第一 巻之五の「樋殿」の項。『故実叢書』 第8巻 安斎随筆 第1(故実叢書編集部編 明治図書出版 1953年)p122-123に掲載あり。

・「類聚雑要抄」の該当部分は、巻第二 調度二の「被加以前御調度外御物事」にある「虎子筥(こしのはこ)」。小便器である「虎子(おおつぼ)」を入れる箱。『群書類従』第26輯 雑部(塙保己一編纂 続群書類従完成会 1980年)[資料番号0104264981]p552上段に本文の掲載、『類聚雑要抄指図巻』(川本重雄編 中央公論美術出版 1998年)[資料番号0103609897]p166に本文と書き下し文、p44に図の掲載あり。

・「今昔物語集」の該当部分は、巻第30「平定文仮借本院侍従語第一(たいらのさだふみほんいんのじじゅうをけそうすること だいいち)」。『新編日本古典文学全集』第38巻 今昔物語集 4(小学館 2002年)[資料番号0104771654]p419-425等に掲載あり。
調査種別
(Type of search)
事実調査
内容種別
(Type of subject)
民俗・風俗習慣
質問者区分
(Category of questioner)
社会人
登録番号
(Registration number)
1000143858解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決
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