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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000142945
提供館
(Library)
大阪府立中央図書館 (2120005)管理番号
(Control number)
OSPR13070090
事例作成日
(Creation date)
2013/10/05登録日時
(Registration date)
2013年12月31日 20時16分更新日時
(Last update)
2014年05月16日 21時40分
質問
(Question)
日本からフィリピンの開発援助について、特に1950年代から始まった戦後賠償及び民間企業主体の経済開発借款と、
その後本格的に始まる円借款との観点から、どのように行われていたかを調査したい。
(1950年代~1960年代の状況を特に知りたい)
特に鉄鉱石や銅鉱石などの鉱工業開発援助(鉱山開発など)に関わるものを調査したい。

事前に調査した資料は
『日本の円借款と賠償』
『日比賠償外交交渉の研究』
『日本輸出入銀行史』
『開発援助の実像』
回答
(Answer)
●『日本の賠償:その現状と問題点』(賠償問題研究会/編 外交時報社 1959)【333.7/2】
p117-147
「第三章 賠償及び経済協力の実施状況 第二節 フイリピン」

・「一 賠償」は、
「(一)概要」
「(二)沈船引揚作業」
「(三)物資の供与」
「(四)役務の供与」
「(五)賠償物資の配分」
の構成になっています。

「(三)物資の供与」中、p126「三 自動車」に「ダンプトラックのうち、(中略)三十五台は鉱山用として活躍」とあります。
また、「(五)賠償物資の配分」中、p131に「過去三年間の実績では、初年度は、全部政府機関に割り当てられたが、第二年度以降は民間の割当が急激に増大した。割当てられた金額を少しく詳細に記すと次のとおりである。」とあり、p132に年度別の民間の鉱業や諸工業に割当てられた金額の記載があります。

・「二 経済協力」は、
「(一)経済開発借款に関する交換公文に基く経済協力」
「(二)マリキナ河多目的開発計画」
「(三)電気通信網拡充計画」
の構成になっています。

「(一)経済開発借款に関する交換公文に基く経済協力」中、「二 実施状況」
p136,139「日本側業者のフィリピン業者に対する、日本側輸出入銀行の延払金融による物資供与または資金、技術供与による経済協力は第8表に示す様に、数多くの事例がある。これら各種の実例がこの交換公文によるものとみるかどうかは、比側と協議する必要があるものと解されている。」とあり、p137-138に「第8表 対比経済協力実績表」があります。表は事業、提携会社、提携内容にまとめられており、事業欄に「鉄鉱山開発」、「銅鉱山開発」などがあります。

なお、この資料には「日比賠償協定関係取極集」がp199-223にあります。

●『フィリピンと日本 AAの経済』(日本経済新聞社 1958.1)【TJ332/7】※貸出不可

「一 フィリピン経済の特質と経済開発計画」
「二 フィリピン経済発展の動向と外国の援助」
「三 日比経済交流の現状と経済協力の諸問題」
「<付録> 1 賠償協定および経済開発借款に関する交換公文」
「<付録> 2 付表」
の構成になっています。

p74-76に「二 フィリピン経済発展の動向と外国の援助 2 一九五六年の経済発展と経済協力 三 鉱業の発展」があります。

p140「三 日比経済交流の現状と経済協力の諸問題 3 日比経済協力の動向 三 進む日比経済協力」
「日比両国間の経済協力に関して交渉が行われてすでに実現をみているものは一〇件、約四九〇万ドルに達している。」とあり、その内容の概観として「鉱業七件(四二四万九〇〇〇ドル)」で、「鉱業は現金または現物資材施設を事業提携の相手方に貸付けて、鉱石を開発し、輸入鉱石の値引によって回収を行う方式によっている。その最も古いものは、一九五二年のラプラプ銅鉱山の開発と、翌年のトレイド銅山の開発に対する協力であり、最近では一九五七年に入ってミンダナオ島のラワン材の開発、シブゲイ鉄鉱山の開発などに対する協力がある。金額からみるとララップ鉄鉱山の開発投資が二八〇万ドルで過半を占めている。」とあります。
また「わが製鉄業界では、将来の鉄鋼生産拡大に必要な鉄鉱石の手当のため、海外鉄鉱山開発の調査に着手しているが、特にフィリピンに対しては、一九五六年末よりミンダナオ島などの鉄鉱山開発の調査に乗出している。」とあります。


●『高度成長始動期の日本経済』(原朗/編著 日本経済評論社 2010.6)【332.1/1945N】
「第5部 戦後アジアと日本 第13章 資本輸出の展開―対アジア進出を中心に」金子文夫 p371-406
「はじめに」
「1.アジア再進出の開始―1950年代前半」
「2.対外進出体制の整備―1950年代後半」
「おわりに」
「注」の構成になっています。

p385-386には「こうした設備貸付、鉱石による返済という資源開発投資は「ゴア方式」として他の鉱山開発にも適用されていった。表13-5にあるゴアの追加投資、フィリピンのララップ、トレド鉱山開発などはその代表例である。」とあります。表13-5は「輸銀の海外投資金融、資源開発金融(1951~56年度)」の一覧表です。(p383)

p388「フィリピンやインドネシアではその後、賠償を担保とする借款も成立している。また各国とも賠償終了後は、無償援助・借款・技術協力が組合わさったODA(政府開発援助)の枠組みに引き継がれている。」

p396「フィリピン賠償では、1956年7月から61年7月までの5年間に426.77億円が支払われ、内訳は資本財87.4%、その他生産物5.7%、沈船引揚6.9%と資本財が大半を占めた。日本からは船舶、鉱山機械、鉄鋼などが輸出された。」

p399 「表13-14 鉱物資源輸入における対外直接投資の効果(1954~60年度)」の「鉄鉱石」「銅鉱石」に「フィリピンからの輸入」という項目があります。

この論文には、最後に注として参考文献が挙げられていますので、その中から当館所蔵資料を4点ご紹介します。(p403)

・注2「1950年代の資本輸出を検討した先行研究」

1)『日本資本の海外進出』(S・K・イグナトゥシェンコ/著 合同出版 1968)【678/I6/1】

「第四章 日本と新興国 第一節 日本と東南アジア諸国との貿易」p174-189
「第四章 日本と新興国 第二節 賠償および日本の東南ア膨張へのその意義」p189-197
「第五章 資本輸出と経済「援助」 第四節 原料資源を奪取する手段としての資本輸出」p237-246
「第五章 資本輸出と経済「援助」 第六節 世界各地域への資本輸出」p249-271
等があります。

2)『日本企業のアジア展開:アジア通貨危機の歴史的背景』(小林英夫/著 日本経済評論社 2000.3)【335.2/480N】
「第2章 日本企業の戦後アジア再進出―インドへの熱い視線― 5 借款とフィリピン鉱山開発―ララップ鉱山を中心に―」p73-82

・注3「国際関係史的視点から1950年代日本のアジア開発構想について論じた研究」

3)『国際環境の変容と日米関係』(細谷千博/編 東京大学出版会 1987.2)【319.1/252】
「2 戦後初期の日米関係と東南アジア―戦前型「三角貿易」から戦後型「半月弧」へ―」渡辺昭夫 p27-54

p46「一九五二―五三当時の日本の東アジア地域における経済開発協力計画にどのようなものがあったかは、表3にまとめたものを参照されたい。」とあり、「表3 東南アジア諸地域における日本の経済協力事業一覧(1952-53年)」に国名欄がフィリピンで、事業の種類欄が「鉄鉱石」「銅鉱石」の項目があります。

・注4 アジア開発構想と日本の対外経済政策に関する文献

4)『戦後日本:占領と戦後改革 第6巻 戦後改革とその遺産』(中村政則/[ほか]編 岩波書店 1995.12)【210.76/65N/6】
「第二部 戦後日本の国際関係 6 経済再進出への道―日本の対東南アジア政策と開発体制」末廣昭 p211-252


●『経済協力の現状と問題点 1958』(通商産業省/編集 通商産業調査会出版部 1958)【332.1/T15/1】
「各論 第7章 特殊経済協力 第2節 賠償に伴う経済協力 3.フイリツピン及びインドネシア」p279-280
p279に「フイリツピンについては経済開発借款に関する公文交換以来,第各7-9表のようにラワン材の開発及び銅鉱山の開発の件が成立している。」とあり、「第各7-9表 フイリピンにおける経済協力の実績」にトレド銅鉱山等のプロジエクトの、形式や金額、回収方法、目的、契約年月の表があります。

「各論 第1章 低開発国の経済開発と工業国の協力 第1節 低開発国の経済開発計画とその進捗状況 (3)東南アジア諸国の資金調達と外国の援助 (ニ)フイリツピン」p53-54

ご参考までに、当館で所蔵しております、1961~1969年版の『経済協力の現状と問題点』のフィリピンについての記載部分を列記します。

・『経済協力の現状と問題点 1961』(通商産業省/編集 通商産業調査会出版部 1962)【332.1/T15/1】
「各論 第1章 低開発国における経済開発と経済協力 第5節 フィリピン」p139-148
・『経済協力の現状と問題点 1962』(通商産業省/編集 通商産業調査会出版部 1963)【332.1/T15/1】
「各論 第1章 低開発国における経済開発と経済協力 第8節 フィリピン」p148-153
・『経済協力の現状と問題点 1963』(通商産業省/編集 通商産業調査会出版部 1964)【510/3719/#】
※府内図書館のみ貸出可
「第3章 低開発国における経済開発と経済協力 第7節 フィリピン」p137-143
・『経済協力の現状と問題点 1964』(通商産業省/編集 通商産業調査会出版部 1965)【332.1/T15/1】
「第3章 発展途上国における経済開発と経済協力 第8節 フイリピン」p173-180
・『経済協力の現状と問題点 1966』(通商産業省/編集 通商産業調査会出版部 1966)【510/3719/#】
※府内図書館のみ貸出可
「第3章 発展途上国における経済開発と経済協力 第9節 フィリピン」p192-199
・『経済協力の現状と問題点 1967』(通商産業省/編集 通商産業調査会出版部 1967)【510/3719/#】
※府内図書館のみ貸出可
「第3章 発展途上国における経済開発と経済協力 第9節 フィリピン」p211-219
・『経済協力の現状と問題点 1968』(通商産業省/編集 通商産業調査会出版部 1969)【332.1/T15/1】
「第3章 発展途上国における経済開発と経済協力 第9節 フィリピン」p302-308
・『経済協力の現状と問題点 1969』(通商産業省/編集 通商産業調査会出版部 1970)【510/3719/#】
※府内図書館のみ貸出可
「各論 第2章 発展途上国における経済開発と経済協力 第9節 フィリピン」p280-285

●『東南アジアの資源構造 アジア経済研究シリーズ 第15集』([平貞蔵/著] アジア経済研究所 1962.3)【561.1/21N】
「第1章 東南アジアの重要鉱産資源」
「第2章 鉄鉱石の賦存と開発」
「第3章 石炭とマンガン鉱の賦存と開発」
「第4章 石油の賦存と開発」
「第5章 ボーキサイトその他の賦存と開発」
「第6章 東南アジアの経済開発計画と鉱業開発」
「第7章 日本の東南アジア資源にたいする要請」
「第8章 日本の東南アジア開発の可能性」
の構成になっています。

フィリピン等について記載されている部分は以下のとおりです。

「第2章 鉄鉱石の賦存と開発 第6節 フィリピン」p33-35
「第3章 石炭とマンガン鉱の賦存と開発 第2節 マンガン鉱 III その他の地域」p60
「第5章 ボーキサイトその他の賦存と開発 第2節 銅鉱石 I フィリピン」p92-93
「第5章 ボーキサイトその他の賦存と開発 第3節 鉛および亜鉛 III その他の地域」p96
「第6章 東南アジアの経済開発計画と鉱業開発」p100-172
「第7章 日本の東南アジア資源にたいする要請」p173-228

●『経済安定本部戦後経済政策資料 第27巻 貿易・為替・外資 4』(総合研究開発機構戦後経済政策資料研究会/編 日本経済評論社 1995.5)【332.1/479N/27】※府内図書館のみ貸出可
「東南アジア開発計画と日本の役割[経本貿易局政策課]」p125-272
p179「第三. 日本の開発事業計画 (一)開発事業計画の概要 (3)現在話合い中のもの (一)フィリツピン(鉄鉱石・ララツプ鉱山)」があります。


上記の他に調査した資料は以下のとおりです。

<図書資料>

●『日本の戦後賠償:アジア経済協力の出発』(永野慎一郎/編 勁草書房 1999.11)【333.3/5N】
「第4章 フィリピン賠償」p69-81

●『フィリピン:経済と投資環境』(森村勝編 アジア経済研究所 アジア経済出版会 1969)【332.2/M9/1】
「第I部 フィリピンの政治経済概観 §8 外国援助」に「日本からの援助」があります。
「1.賠償」「2.賠償担保借款」「3.技術協力」の構成です。p155-159

●『日本のODAと国際秩序』(五十嵐武士/編 日本国際問題研究所 1990.12)【333.8/24N/(2)】
「第一部 援助政策の分析(研究者による論文) 第3章 ODAと日本外交―対フィリピン援助についての事例研究―」稲田十一 p52-81

●『フィリピン工業化の課題 研究参考資料 174』(玉置正美編 アジア経済研究所 1972)【330.8/2】※個人貸出不可
「第2部 工業関連主要産業の現状 第1章 鉱物資源と技術の諸問題」p91-125

●『フィリピンの経済政策と企業 ASEAN等現地研究シリーズ No.2』(M・F・モンテス/編 アジア経済研究所 1988.9)【333/211】

●『フィリピン経済社会開発3ヵ年計画 1959‐60~1961‐62年 翻訳シリーズ 第3集』(フィリピン国家経済審議会/[編] アジア経済研究所 1960)【332.2/742N】
「第6章 工業および鉱業開発計画」p75-115

●『近現代日本・フィリピン関係史』(池端雪浦/編 岩波書店 2004.2)【319.1/748N】
「第三部 関係正常化への道 第11章 日本・フィリピンの出発外交 -賠償実施、賠償借款交渉、通商航海条約交渉 一九五六~一九六三」吉川洋子 p409-467

●『昭和財政史 第1巻 終戦から講和まで 総説.賠償・終戦処理』(大蔵省財政史室/編 東洋経済新報社 1984.5)【342.1/10】
「賠償・終戦処理 第六章 個別賠償協定の成立 第三節 対フィリピン賠償」p487-498

●『日本占領下のフィリピン』(池端雪浦/編 岩波書店 1996.7)【224.8/10N】
「第四章 鉱山開発と現地社会の抵抗」池端雪浦 p145-183
「むすび」(p176-178)に、少しだけ戦後の鉱山について触れられています。


<雑誌記事・論文>

○「フィリピン賠償実施上の問題点について」山本重信
『経団連月報』【P33/20N】※貸出不可
4(6) p38-40 1956.6

○「高度成長期の対外経済関係-途上国への資本輸出を中心に-」金子文夫
インターネット上で公開されています。
http://gendaishi.main.jp/asia/pdf_4/4s_1kaneko_j.pdf )(2013/10/5現在)
回答プロセス
(Answering process)
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
社会  (360 8版)
参考資料
(Reference materials)
『日本の賠償:その現状と問題点』(賠償問題研究会/編 外交時報社 1959) (117-147,199-223)
『フィリピンと日本 AAの経済』(日本経済新聞社 1958.1) (74-76,140)
『高度成長始動期の日本経済』(原朗/編著 日本経済評論社 2010.6) (371-406)
『日本資本の海外進出』(S・K・イグナトゥシェンコ/著 合同出版 1968) (174-271)
『国際環境の変容と日米関係』(細谷千博/編 東京大学出版会 1987.2) (27-54)
『日本企業のアジア展開:アジア通貨危機の歴史的背景』(小林英夫/著 日本経済評論社 2000.3) (73-82)
『戦後日本:占領と戦後改革 第6巻 戦後改革とその遺産』(中村政則/[ほか]編 岩波書店 1995.12) (211-252)
『経済協力の現状と問題点 1958』(通商産業省/編集 通商産業調査会出版部 1958) (53-54,279-280)
『東南アジアの資源構造 アジア経済研究シリーズ 第15集』([平貞蔵/著] アジア経済研究所 1962.3) (32-35,60,92-93,96,100-228)
『経済安定本部戦後経済政策資料 第27巻 貿易・為替・外資 4』(総合研究開発機構戦後経済政策資料研究会/編 日本経済評論社 1995.5) (125-272)
「高度成長期の対外経済関係-途上国への資本輸出を中心に-」金子文夫(2013/10/5現在) ( http://gendaishi.main.jp/asia/pdf_4/4s_1kaneko_j.pdf )
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