レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013/4/23
- 登録日時
- 2013/12/31 19:45
- 更新日時
- 2014/05/29 21:30
- 管理番号
- OSPR13040027
- 質問
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解決
中井弘(中井桜洲)がアラビア海を行く舟の中で作ったといわれる漢詩(七言絶句)『西紅海舟中』について下記3点の調査をお願いします。この詩の意味と心情を深く理解したいためです。
1.この漢詩作成時の事情について(この航海の目的、背景、旅程など)
2.この漢詩の意味解釈、解説(作者の意図、心情など)
3.その他、調査目的に相応しい情報があれば併せてよろしくお願いいたします。
- 回答
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「西紅海舟中」につきましては、下記の資料2点が比較的くわしく、解釈や題意について書かれています。
・『新釈漢文大系46:日本漢詩(下)』(猪口篤志/著 明治書院 1972.9)
「作者」「題意」「通釈」「語釈」「余説」という項目が設けられています。「作者」には中井弘についての略伝が書かれています。「題意」には「第一次外遊の途次、印度洋をこえ、アラビア海に入った時、舟中で作ったもの」と記されています。なお「余説」には著者の猪口篤志氏の感想が書かれています。また、本詩の読み下し文も掲載されています。
・『日本漢詩鑑賞辞典』(猪口篤志/著 角川書店 1980.7)
上記資料と同一筆者によるもので、内容もほぼ同一で若干簡略化されているようです。
次に、上記資料ほど詳しくありませんが、読み下しや通釈などが記載されている資料を紹介します。
・『日本漢詩選』(原田憲雄/訳 人文書院 1974)
本文と現代語訳が記載されています。
・『日本名詩選精講』(山田準/著 金鈴社 1943)
ごく簡単な作者の紹介に始まり、題意ならびに通釈が記載されています。
・『明治文学全集62:明治漢詩文集』( 岡本黄石/著者代表 筑摩書房 1983.8)
本文と読み下し文、巻末に経歴が記載されています。
なお、本詩は『航海新説』より抜粋され、『漫游記程(中)』の「航海新説抜萃」に収録されています。
・『漫游記程(中)』(中井弘/著 博文堂(発売) 1877)
また、抜粋された文献『航海新説』は『明治文化全集7』に収録されています。
・『明治文化全集7:外国文化篇』(明治文化研究会/編 日本評論新社 1955 請求記号:033/81/#)
この資料にも「漫游記程」は収録されていますが、「航海新説抜萃」は省略されています。
最後に中井弘に関する文献を紹介します。
・『中井桜洲:明治の元勲に最も頼られた名参謀』(屋敷茂雄/著 幻冬舎ルネッサンス 2010.3)
・『回想録:伊藤・中井・井上・桂諸公・其の他』(片岡直温/著 百子居文庫 1933)
「中井桜洲山人と私」と題する文章を収録しています。
・「大宰相・原敬13回:中井弘との出会い」福田和也/著(『Voice:361』PHP研究所 2008.1)
・「山色水声處主人(中井桜洲翁逸事)」鶴峰生/著(『太陽[マイクロ資料]:3(6)』[博文館] 1897.3)
閲覧ならびに複写はマイクロフィルムになります。
以上が調査結果です。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 中国文学 (920 8版)
- 参考資料
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- 『新釈漢文大系46』(猪口篤志/著 明治書院 1972.9) (553-555)
- 『日本漢詩鑑賞辞典』(猪口篤志/著 角川書店 1980.7) (417-418)
- 『日本漢詩選』(原田憲雄/訳 人文書院 1974) (218)
- 『日本名詩選精講』(山田準/著 金鈴社 1943) (304-306)
- 『明治文学全集62:明治漢詩文集』( 岡本黄石/著者代表 筑摩書房 1983.8) (70,414)
- 『漫游記程(中)』(中井弘/著 博文堂(発売) 1877) (36)
- 『中井桜洲:明治の元勲に最も頼られた名参謀』(屋敷茂雄/著 幻冬舎ルネッサンス 2010.3)
- 『回想録:伊藤・中井・井上・桂諸公・其の他』(片岡直温/著 百子居文庫 1933) (99-184)
- 『Voice:361』PHP研究所 2008.1 (242-251)
- 『太陽[マイクロ資料]:3(6)』[博文館] 1897.3 (129-138)
- キーワード
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- 西紅海舟中
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000142915