レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013/07/21
- 登録日時
- 2013/12/28 00:30
- 更新日時
- 2021/10/13 15:50
- 管理番号
- 横浜市中央2313
- 質問
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解決
日本史の時代区分のひとつである飛鳥時代の「飛鳥」の由来について知りたい。
- 回答
-
1 『日本史広辞典』 日本史広辞典編集委員会/編 山川出版社 1997年
p.52「飛鳥時代」の項目に「飛鳥とその周辺の奈良盆地南部(奈良県)に
都があったことから名づけられた。」とあります。
2 『古代史用語事典』 武光誠/編 新人物往来社 1991年
p.10「飛鳥」の項目に「奈良盆地東南部、高市郡明日香村一帯の地名。
字源は「明日香」の枕詞」とあります。
3 『古代地名語源辞典』 楠原佑介/〔ほか〕編著 東京堂出版 1981年
p.15「あすか(飛鳥)」の項目に
「アスカの語源としては古代朝鮮語「安宿(アンスク)」とする説が
あるが同類の地名の分布から見て承服しがたい。
アスカは、ア(発語)・スカの形か。スカ(州処=砂州、自然堤防、砂地)
という地名は集落名としても小地名としても全国的に数多い。もう一つの
考え方はアス(崖、自然堤防)・カ(処)で、「急崖」とか「崩れやすい
自然堤防」を表した地名かもしれない。」とあります。
4 『 飛鳥 歴史と風土を歩く 岩波新書』
和田萃/著 / 岩波書店 / 2003年
p.11「飛ぶ鳥の」という枕詞がアスカの地名に冠されたのは、アスカの地に
鳥類が多く生息しているからだと思われる。
p.13「もともと「アスカ」の地は真神原(まがみはら)と称されていた。
p.75「アスカ」の由来はよくわからない。「ア」+「スカ」と解し(「ア」は接頭語)、
スゲ(菅)の茂る砂地の聖地とする説が有力である。しかし飛鳥川は
雷丘付近まで自然堤防であり、スゲの繁茂は見られない。
むしろ乱流を繰り返した雷丘より下流域にスゲは多い。
『古事記』の履中段では、近飛鳥と遠飛鳥の地名の謂れを
「アス(明日)」+「カ(所)」、すなわち明日に結び付け、「アスカ」を「翌日に
到り着く所」と解している。」「明日香」「阿須加」「安須可」などの表記に代わって、
「飛鳥」が用いられるようになるのは、天武十五年(六八六)七月二十日の
朱鳥改元に際し、宮号を飛鳥浄御原と定めたことを契機としていた。
5 『明日香村史 上巻』 明日香村史刊行会 1974年
p.28「『古事記では「飛鳥」という地名の起源を、王が「明日、倭に上った」という事実と、
「明日、神宮を拝もう」といったことに関係させて説明しようとしているのである。
つまり、「あす」が「明日」をあらわす言葉であることから、飛鳥と明日とを
通音によって結ぶ語源説で」とありますが「あまり信を置きがたいものである」
と結んでいます。
6 明日香村のWebサイト
明日香と飛鳥あすかの由来|あすかの「よもやま話」
http://www.asukamura.jp/kids/yomoyama_yurai.html
「あすかの語源」「飛鳥と書いて何故あすかと読む?」「トブトリがアスカの枕詞
となったいきさつ」「明日香と飛鳥」といった項立てで、
由来について諸説紹介されています。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本史 (210 8版)
- 参考資料
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千田稔著 ; 千田稔, 小澤毅, 里中満智子鼎談 , 千田, 稔 , 小澤, 毅 , 里中, 満智子 , 上田, 正昭. 飛鳥の覇者 : 推古朝と斉明朝の時代. 文英堂, 2011. (新・古代史検証日本国の誕生 / 上田正昭監修, 4)
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000096-I009134846-00 , ISBN 9784578298045 ( p.141~142「「アスカ」の地名の由来」)
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千田稔著 ; 千田稔, 小澤毅, 里中満智子鼎談 , 千田, 稔 , 小澤, 毅 , 里中, 満智子 , 上田, 正昭. 飛鳥の覇者 : 推古朝と斉明朝の時代. 文英堂, 2011. (新・古代史検証日本国の誕生 / 上田正昭監修, 4)
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000142733