レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012年08月02日
- 登録日時
- 2013/12/14 15:55
- 更新日時
- 2013/12/21 11:45
- 管理番号
- 2013.12-15
- 質問
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解決
雑誌『改造』昭和4年10月に載った林芙美子の「九州炭坑街放浪記」を見たい。
- 回答
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雑誌は未所蔵であるが、『精選名著複刻全集近代文学館 [27] 放浪記』の「放浪記以前ー序にかへてー」を紹介。
- 回答プロセス
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『改造目次総覧 執筆者索引』『改造目次総覧 総目次』を確認。「九州炭坑街放浪記」は昭和4年10月(第11巻第10号)に収録。雑誌『改造』の該当号は当館未所蔵。
■雑誌以外に収録されていないか調査。
『林芙美子 人と文学シリーズ 現代日本文学アルバム』p.136の栄光に向かって=『放浪記』出版…に出版の経緯が書かれている。それによると昭和4年10月、当時権威ある雑誌『改造』に「九州炭坑街放浪記」が掲載されたことで文壇登場の足掛りをつかみ、翌5年7月、改造社の「新鋭文学叢書」の1冊として『放浪記』が刊行され、ベストセラーとなったことがわかる。p.143に『改造』掲載の「九州炭坑街放浪記」の写真が小さく載っているが、1頁のみの写真で全文は確認できない。
『林芙美子実父への手紙』p.53に改造社版「新鋭文学叢書」の『放浪記』から「放浪記以前ー序にかへてー」を紹介するがその初出は『改造』昭和4年10月号の「九州炭坑街放浪記」とある。
『作家の自伝 17 林芙美子 (シリーズ・人間図書館)』に『放浪記』出版の経緯について記載あり。初出の放浪記(『女人藝術』昭和3年10月~5年10月に20回にわたり連載された)が収録されている。解説を読むと、現在、私たちが手にする「放浪記」は、いくつもの段階を踏まえ、芙美子自身による大幅な加筆、改訂のもとに出された「放浪記」であり、初出とは大きく異なることがわかる。また、「新鋭文学叢書」『放浪記』は『女人藝術』連載20回中の14回に「放浪記以前―序にかへて―」が加えられて改造社から発刊されたことも書かれている。
■インターネット
金沢大学学術情報リポジトリで「放浪記論」:その基礎的研究を確認。【http://dspace.lib.kanazawa-u.ac.jp/dspace/】
(2013/12/14最終確認)
『改造』に「九州炭坑街放浪記」が採られ(昭4・10)、これは改造社版『放浪記』の<放浪記以前>の章となったとある。
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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- 『改造目次総覧 執筆者索引』(横山 春一/編 新約書房 1972年)
- 『改造目次総覧:総目次』(横山 春一/編 新約書房 1974年)
- 『林芙美子実父への手紙』(佐藤 公平/著 KTC中央出版 2001年)
- 『精選名著複刻全集近代文学館 [27] 放浪記』(精選名著複刻全集近代文学館・編集委員会/編集 日本近代文学館 1973年)
- 『林芙美子 (人と文学シリーズ 現代日本文学アルバム)』(学研 1980年)
- 『作家の自伝17 林芙美子(シリーズ・人間図書館)』(佐伯 彰一/監修 松本 健一/監修 日本図書センター 1994年)
- キーワード
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- 改造
- 林 芙美子
- 九州炭坑街放浪記
- 放浪記以前
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000141847