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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000141495
提供館
(Library)
京都市図書館 (2210023)管理番号
(Control number)
右中-郷土-64
事例作成日
(Creation date)
2013年12月2日登録日時
(Registration date)
2013年12月02日 17時55分更新日時
(Last update)
2016年01月14日 17時14分
質問
(Question)
京都にあった「大佛餅」とはどんなものだったのか知りたい。
回答
(Answer)
小判型の餅でこし餡を包んだもので,上部には初めは「菊花紋」,後に「大」の字の焼印が捺されていました。こんにちの大福餅のような餅菓子だったようです。

はじめは誓願寺(京都市中京区新京極)前の江島屋が名物でしたが,江戸時代中期からは方広寺(京都市東山区)前の隅田屋が有名になりました。江島屋の方は江戸時代中ごろになくなりましたが,隅田屋は昭和初期まで営業していました。しかし,こちらも第二次世界大戦中に廃業してしまいました。
江戸時代には「その味,美にして煎るに蕩けず,炙るに芳して」(【資料2】【資料3】),「風味格別」(【資料10】)と大絶賛されていましたが,明治時代以降は「風味としては餅本意で美味と云ふ程でない。」(【資料7】),「とくにうまいものではなく,それに非常に食べにくい。」(【資料13】),「餅饅頭で小判形をなしてゐる丈で特に変つた餅でもない」(【資料17】)と評価が下がってしまいました。

【資料15】に作り方が載っています。

⇒追記(2016年1月14日確認)
 甘春堂公式ホームページに紹介あり。
回答プロセス
(Answering process)
●まず【資料1】を確認。
 「都名所図会」の“大佛御餅所”の絵図が掲載されている。
●【資料1】より「都名所図会」にあたる。・・・【資料2】【資料3】
  【資料3】 【資料2】の現代語訳あり。
        “ひとくち大の餅に小豆のこし餡を入れて丸めたもの”
        “材料に品質のよい糯米(もちごめ)を使ったものと思われる”とあり。
        大仏餅の隅田屋は昭和まで続いたが,戦後廃業。名物の名のみ甘春堂の季節菓子として残っている。
●“甘春堂”から調べる。
 公式ホームページ( http://www.kanshundo.co.jp/ )には情報なし。facebookに2013年4月,NHKの番組で大仏餅が紹介されたとの記事があるのみ。
 甘春堂が紹介されている雑誌やガイドブックも確認したが,情報なし。
 IPDL(特許電子図書館( http://www.ipdl.inpit.go.jp/homepg.ipdl ))より“東山大仏餅”で商標登録していることは分かったが,どういった餅菓子なのかといった説明はなし。

⇒追記(2016年1月14日確認)※レファレンス協同データベースTwitter情報より
 甘春堂公式ホームページ 商品一覧「うちの看板娘」に「京都大仏 大仏餅」あり。
 詳細ページ( http://www.kanshundo.co.jp/okashi/kanban/daibutu/index.htm )に大仏餅の概要あり。
 上記ホームページより,「羇旅漫録」を調査。
 【資料19】「羇旅漫録(きりょまんろく)」(滝沢 馬琴 享和2年)を所収。
       七十六 京地の酒楼に大仏餅について書かれている。
 国立国会図書館デジタルコレクション:『羇旅漫録 : 壬戌. 中』(滝沢馬琴 著 渥美正幹 校 畏三堂 1885)
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/888906 )コマ番号27に同様の記述あり。

●国会サーチで「大仏餅」検索。当館で確認可能な資料にあたる。・・・【資料4~6】
  【資料5】 1586年(天正14),豊臣秀吉が方広寺をつくり,大仏殿を建てたとき,これに奉仕した人たちに「おやつ」のため出したのがはじまりだといわれている。また,この際にあまった材木でこの餅屋を建てたという話が紹介されている。“格式のある餅屋であったが,二,三年前に事情があって絶家となった”とのこと。
●Google Books で「大仏餅」検索。・・・【資料7~11】
●Google Scholarで「大仏餅」検索。・・・【資料12】 「大仏餅の由来書」(吉田良光/著)の概略あり。
●商用データベース「聞蔵Ⅱ」で「大仏餅」検索。・・・【資料13】 1872年(明治5)12月24日の記事中に記述あり。
●当館で所蔵している和菓子(京菓子)に関する本を棚当たり。・・・【資料14】【資料15】
  【資料15】 大仏餅の作り方あり。
         糯米(もちごめ)を蒸して砂糖を混ぜ,種と餡を半々くらいにして小判型にしたものを浮粉の手粉で包
          む。
●京都の大仏に関する資料に当る。・・・【資料16】 白餅に大の焼印があったこと,戦前戦後の値段についてあり。                
●cinii booksで「大仏餅」検索。・・・【資料17】 大仏餅屋の白黒写真と解説あり。
●Google Booksで「大仏餅 隅田屋」で検索。・・・【資料18】 “餡餅であるが風味よく形大きいので有名。”とある。
●京菓子に関する組合からも調べてみるが有力な情報なし。
事前調査事項
(Preliminary research)
質問者より,「甘春堂で復刻されていると友人に聞いた」との情報あり。
NDC
日本  (291 9版)
食品工業  (588 9版)
食品.料理  (596 9版)
参考資料
(Reference materials)
【資料1】『京都大事典』(佐和 隆研/[ほか]編集 淡交社 1984) p580,581 “大仏餅”
【資料2】『都名所図会』(秋里 籬島/著 人物往来社 1967) p196,197
【資料3】『京都名所むかし案内 絵とき「都名所図会」』(本渡 章/著 創元社 2008) p103~108 “第三景 大仏と大仏餅”
【資料4】『事物起源選集 13 ものしり事典』(紀田 順一郎/監修・解説 クレス出版 2005) p186 “大佛餅の始”
【資料5】『和菓子物語』(松尾 夜城/著 井上書房 1960) p252~254 “F:大仏餅”
【資料6】『随筆京都』(臼井 喜之介/編 臼井書房 1946) p341~350 “大佛餅(河井 卯之助/著)”
【資料7】『諸国名物菓子』(鈴木 宗康/著 河原書店 1941) p76,77 “大佛餅”
【資料8】『京の美術と芸能 浄土から浮世』(赤井 達郎/著 京都新聞社 1990) p323,324 “大仏餅”
【資料9】『町人文化百科論集 第6巻 京のくらし』(柏書房 1981) p47~50 “大仏餅の由来書(吉田 良光/著)”
【資料10】『江戸時代語辞典』(潁原 退蔵/著,尾形 仂/編 角川学芸出版 2008) p714,715 “大仏餅”
【資料11】『江馬務著作集 第5巻 食事と住居』(江馬 務/著 中央公論社 1976) p70,71 “たべもの今昔”
【資料12】『京都千年 9 老舗と味』(講談社 1984) p206,207 “塩瀬饅頭と大仏餅―無くなった京名物”
【資料13】『遠い崖 アーネスト・サトウ日記抄 9 岩倉使節団』(萩原 延寿/著 朝日新聞社 2000) p322 “西国巡遊”
【資料14】『京の和菓子 暮らしを彩る四季の技』(辻 ミチ子/著 中央公論新社 2005) p31~34 “「大仏餅」来由”
【資料15】『和菓子大系 菓業講習録・和菓子全科』(竹金子 倉吉/著 製菓実験社 1965) p135 “(45)大佛餅”
【資料16】『京の京の大仏っあん』(田中 緑紅/著 京を語る会 1957) p52~55 “大仏餅屋”
【資料17】『京之面影 上』(田中 緑紅/編 郷土趣味社 1931) “十三 京都名物大佛餅店”
【資料18】『日本古典文学大系 48 西鶴集』(岩波書店 1977) p61 “日本永代蔵 巻二”の注釈二十
【資料19】『史料京都見聞記 第2巻 紀行』(駒 敏郎/[ほか]編集 法蔵館 1991) p428 “羇旅漫録(きりょまんろく)”の七十六 京地の酒楼
キーワード
(Keywords)
大仏餅
大佛餅
和菓子
京菓子
餅菓子
誓願寺
方広寺
隅田屋
江島屋
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
文献紹介
内容種別
(Type of subject)
郷土
質問者区分
(Category of questioner)
社会人
登録番号
(Registration number)
1000141495解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決