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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000141442
提供館
(Library)
石川県立図書館 (2110016)管理番号
(Control number)
0000000079
事例作成日
(Creation date)
2013/10/25登録日時
(Registration date)
2013年12月02日 00時30分更新日時
(Last update)
2013年12月04日 11時20分
質問
(Question)
『石川県史 現代3』(石川県 1964)の213ページに以下の記載がある。
(1945.8.6/9の広島・長崎の原爆災害を受けて金沢医科大学の行動)
「原爆第三弾が金沢市に予定されているとの流言のうちに、緊急事態布告となり、八月十日全員退避決定!薬学専門部も大学部及び附属病院と行動を共にし、疎開し、校内は外部よりの疎開者と入りまじって戦場のようになった。」

上記について、詳しく知りたい。
1.緊急事態布告とは行政による布告か。(布告文書があれば入手したい)
2.布告による疎開の対象は誰か。
3.戦争時の金沢市・石川県の爆撃等の被害状況。
4.これらに関する適切な図書。
回答
(Answer)
1.
・『石川県大百科事典』p435「疎開」の項
「県下の人員疎開は縁故疎開を主体にすすめられたが、1945(昭和20)年7月12日、県防空本部の人員疎開方針によって最終的に実施され、金沢・小松・七尾の防空活動能力のない65歳以上の老人、国民学校児童と入学前の幼児・妊産婦・不具廃疾者を対象に強制的に疎開させた」
なお、「金沢医大(現金沢大学医学部)」は、「建物疎開」の対象とされた(同項)。

・「石川県公報」(マイクロフィルム)
昭和20年7月14日号外に、「学校ノ防空措置実施ニ関スル件」という通牒があった。
関係する記事としては、昭和20年5月19日第5593号掲載の「石川県告示第123号:石川県防空疎開実行本部規程」がある。
なお、この規程は同年7月28日第5613号掲載の「石川県告示第242号」で廃止されている(7月15日より適用)。

・「北國毎日新聞」(マイクロフィルム)
昭和20年7月12日2面「老幼病者、学童/妊産婦も速かに」
「石川県では三市の防空疎開断行に関する防空本部談を発表したが同時に疎開命令に該当しない三市の一般市民も、この際敵の暴虐なる都市焦土空襲の実相にかんがみ妊産婦、老幼病者、学童など防空非従事者は一日も速かに比較的敵襲の危険少い新市域もしくは農山漁村に縁故者をもとめて疎開-集団疎開は不可-するよう勧□[一字不明。以下同]するとともに…」

昭和20年8月5日2面「いますぐ危険地外へ/三市民へ疎開勧奨」
「…この際敵の澆爆の対象となる金沢、小松、七尾三市では人員、物資の疎開を一段と急速徹底的に進めねばならない、…」

昭和20年8月8日2面「けふから緊急疎開/金沢第二次に先行」
「第三次建物疎開(「第三次疎開」「第三次緊急疎開」とも表記」)」を、「さきに告示された第二次疎開にさきだって八日から即日実施されることになった」。この対象には県庁舎、金沢市役所の他、「第四高等学校、石川師範女子部、同附属国民学校、県立第二高女校の各一部」も含まれ、「県有地内建物および第四高等学校の疎開は八日から実施し民家の疎開は八月下旬に実施される」と報じている。

昭和20年8月9日2面「変貌の金沢/学都の誇り両校も疎開」
「研究資料は遠方へ/今の破壊は明日の創造/金沢医大」「あの想出の寮も/本館を残し七割まで/第四高校」との見出しで、それぞれの建物疎開の様子を伝えている。

昭和20年8月11日2面「都市を空洞に/石川県民へ緊急指示」
紙面の汚れのため判読が困難だが、「石川県防空本部では…十日□□□空実施□領として左の三□□を決定、全県民の即時徹底方を要□□した」とあり、「人員、物資疎開強化」として、「一、老幼妊産婦、傷病弱者及びこれらの介護者は急速に都会から□□□の□□□村へ疎開し人命の損□を最小限にくひとめること 二、[「すみやかに安」「地域へ」「出し」「最小限にくひとめること」以外判読不能]」とあった。他の二つは「都市□□、□□の分散」「防空壕の徹底強化」。

2.
・「北國毎日新聞」(マイクロフィルム)
昭和20年7月13日2面「六十五歳を超えるもの/人員疎開は逃避的でなく/県防空本部発表」
「石川県では…十二日午後県防空本部は左のごとく人員疎開方針を発表した
 一、実施区域(略)
 二、人員疎開の対象 人員疎開の対象たるものは概ねつぎの通りである
  イ、老(年齢六十五年を超えるもの)
  ロ、幼(国民学校初等科児童および同入学以前のもの)
  ハ、妊婦、産婦、□□
  ニ、長期にわたる傷病者又は不具廃疾者にして介護を要する者
  ホ、右の者の保護に必要なる最小限度の者
  以上を原則とするもさらに次の如きものも極力疎開していたゞきたい
  イ、建物疎開により移転するものにして市内に居住の要少き者
  ロ、実施区域外に職場を有する者
  ハ、その他実施区域内に居住するの必要度少き者
 三、転出先(略)
 四、疎開手当(略)
 五、各町会長は…(略)」

3.
石川県は空襲の被害を受けていないが、七尾湾に機雷が投下された。

・『石川県の百年』p256-259「空襲はなかったが戦災はあった」
「石川県に空襲はなかった。(略)空襲による被害のもっとも少なかった県として島根県(略)そして第三位は石川県で60人(うち死亡者3人)と記録されている(早乙女勝元・今井清一編『日本の空襲』5)。」
「B29の機影は県内で何回か確認されている。当時の新聞から飛来状況をピックアップすると、(略)7月16・26日には金沢市上空を通過しているが、爆弾を数多く投下したという事実は見当たらない。」
※豊川海軍工廠へ動員された石川県女子挺身隊が昭和20年8月7日の空襲に遭い、多数の死者が出ている。

『新修七尾市史 6』p314-318に、七尾湾機雷封鎖に関する記事と資料がある。
「国立国会図書館蔵の米軍作戦任務報告書による記録には、七尾湾来襲機雷投下が七度になっている」(p314)が、「北國毎日新聞」昭和20年11月4日付の記事には、「本年五月二十五日から終戦までの間に計四十四機のB29が六回に亘って大型、小型加えて約四百四十個を投下した」(p317)とある。同記事によると、「去る六月十三日観音崎で一万二百五十四トンの商船が引っかかったのをはじめ、現在までに十六回触雷し人命の犠牲も少なくな」(p317)い、とのこと。

4.前出の資料以外では、以下のとおり
・『第四高等学校時習寮史』:「学校に於ては此の新型爆弾に対処する為取壊し作業を放棄し急遽蛸壺壕の増築を命令し、校庭は蜂の巣の如き有様であつた」(p201)
・『石川県教育史 第2巻』p470-471「空襲と県内学童の疎開」
回答プロセス
(Answering process)
『石川県史 現代篇 1』p62-63「そして、その頃[引用注:昭和20年]になるとB29爆撃機がしばしば県の上空にあらわれ、沿海に機雷を投ずるなど、県民の鼻の先が戦場化する気配が感ぜられた」

『日本の空襲 5』(三省堂 1980)で確認したところ、「石川県には空襲はなかった。が、戦災はあった。(略)名古屋、半田、豊川などの軍需工場へ、女子挺身隊や学徒動員として多数の若者が送られて行った。そして、そこで痛ましい数かずの犠牲者を出すことになったのである。」(p334)、「強いて戦災といえば、空襲に備えて延焼防止の空地をつくるための、家屋強制疎開による取壊しが、敗戦の日まで続けられていたことが、間接的戦争といえる程度のものであった。」(p335)とあった。
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
日本史  (21 9版)
参考資料
(Reference materials)
1 石川県大百科事典 芳井/先一?編 北国出版社 1975 K030/3 p435 「疎開」
2 「石川県公報」(マイクロフィルム)
3 「北國毎日新聞」(マイクロフィルム)
4 石川県の百年 橋本 哲哉∥共著 林 宥一∥共著 山川出版社 1987.8 K209/33 p256-259 「空襲はなかったが戦災はあった」
5 新修七尾市史 6 七尾市史編さん専門委員会?編集 七尾市 2010.3 K216/1002/6 p314-318 七尾湾機雷封鎖
6 第四高等学校時習寮史 第四高等学校時習寮寮史編纂委員会?編纂 四高同窓会 2001.10 K376.7/1011 p199-201 「太平洋戦争の終結と時習寮」
7 石川県教育史 第2巻 石川県教育史編さん委員会∥編 石川県教育委員会 1975.10 K372/13/2 p470-471 「空襲と県内学童の疎開」
キーワード
(Keywords)
原爆
金沢医科大学
緊急事態布告
疎開
爆撃
戦災
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
文献紹介
内容種別
(Type of subject)
郷土
質問者区分
(Category of questioner)
社会人
登録番号
(Registration number)
1000141442解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決
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