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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000141302
提供館
(Library)
凸版印刷株式会社印刷博物館ライブラリー (4310008)管理番号
(Control number)
PML20130427-01
事例作成日
(Creation date)
2013年04月27日登録日時
(Registration date)
2013年11月28日 19時52分更新日時
(Last update)
2014年03月19日 19時06分
質問
(Question)
ひらがな書体の種類と移り変わり
 「し」の上に点が打ってある字があるが、これはいつ頃からいつ頃まで使われたのか?
回答
(Answer)
時期・時代ではなく、書体やメーカーによる違い。
明治初期に作られ、現在でも一部で使用されている。
 
[資料1]にはメーカーによって字体が違う理由に言及。
[資料2~7]で、明治初期から、弘道軒清朝体、築地体など、点のつく書体が少なくなく、また官報などにも使用されていたことがわかる。
([資料8]に、第二次大戦後も使われていたとの記述あり。)
[資料9,10]で写真植字およびデジタルフォントの文字でも、行書体や毛筆楷書体、築地体の一部、勘亭流で点が付いた「し」があることを確認。

[資料1] 矢作勝美『明朝活字』(平凡社 1976)
 p.38 「活版印刷のひらがなの書体は、毛筆の草書をうけつぐことからはじまっている。
    「さらには、同じ印刷物のなかだけでなく、印刷物相互の字体を比較すると、いっそう顕著なものがある。その理由は、個々の活版製造所(活字メーカー)によって、ひらがなの版下の作者(書家)がそれぞれちがい、おもいおもいの字体を書いたからである。」

[資料2] 佐藤敬之輔『ひらがな 上(文字のデザインシリーズ 2)』(丸善 1973)
 p.48 「本文用書体の骨組みの変化」
   現在(1973年時点)使われている書体14種類のひらがなを、設計年代順に並べた一覧表がある。
   そのうち一番古い書体、明治10年完成の「弘道軒清朝体」のみ、「し」の上に点がある。
  (p.32 に 「弘道軒清朝体」の解説あり。書体は書家小室樵山の作、小山田宗則が鋼鉄に直彫りした。)

[資料3] 板倉雅宣『教科書体変遷史』(朗文堂 2003)
 p.25 文字の統一整理-一音一字(明治33年)「文部省告示 第14号「第一号表」「官報」明治33年8月21日」
 p.43 「【ひらがな書体の変遷史①】明治初年から昭和10年の教科書体活字まで」
 p.64 「【ひらがな書体の変遷史②】終戦前後の教科書から検定初期教科書ひらがな書体比較。」 ※点付きの「し」は無し

[資料4】小宮山博史『日本語活字ものがたり:草創期の人と書体』(誠文堂新光社 2009年)
 p.92,94 築地体見本 明治36年 ※点の無い「し」
 p.96 築地体見本 明治45年 ※点のある字、無い字、続き文字のような字、「志」の字、の4種類の「し」
 p.98 築地体一号太仮名 明治36年 ※点のある「し」
 
[資料5]「Vignette」3号(朗文堂 2002.5)和様ひらかな活字
 
[資料6]府川充男撰輯『聚珍録:第一篇 字体』(三省堂 2005年)
[資料7]府川充男撰輯『聚珍録:第二篇 書体』(三省堂 2005年)

[資料8]森啓ほか『書き文字から印刷文字へ:活字書体の源流をたどる(女子美術大学図書館講義録 書物を構成するもの 2)』(2008年)
 p.43- 第1部第4章 日本の活字書体
  p.52 弘道軒清朝 「一時期、新聞や文芸関係の雑誌などに採用され、第二次大戦後も一部で使用されていた。」

[資料9]『写植綜合見本帳』(全関東写真植字協同組合 1977年)
 p.8-9 写研 35書体中 「BL行書体」 の「し」に点あり
 p.52-54 モリサワ 57書体中 「行書体 行書1」 の「し」に点あり
 p.83-84 リョービ 26書体中 「ミダシガナ1+トミ」の「し」に点あり

[資料10]組版工学研究会 編. 和文電子活字綜合見本帳. 朗文堂, 1999.
 22社の電子書体見本掲載、イワタ、大日本スクリーン、築地電子活版など、数社に点の付いた「し」の字あり

参考:当館活版印刷工房「印刷の家」にも問い合わせ
 「時代的な物ではなく、活字の会社によって点があるものとないものがある(凸版印刷(株)のは全て点無し)。
 今でも点ありの活字を使っている印刷会社もある。」との回答あり。
回答プロセス
(Answering process)
「ひらがな」×「活字」で自館OPAC検索して、歴史的な記述のある資料を抽出、確認。
載っている活字見本から、点のつく「し」の書体と時期を確認。

活字 → 写植 → デジタル への過程で消えた可能性を考え、写植の見本帖とデジタルフォントの見本帖を確認。
現在でも点の付いた「し」の字があることを確認。

当館活版印刷工房「印刷の家」にも問い合わせ
 時代的な物ではなく、活字の会社によって点があるものとないものがある(凸版印刷はなし)今でも点ありの活字を使っている印刷会社もある、との回答あり。
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
音声.音韻.文字  (811 9版)
印刷  (749 9版)
参考資料
(Reference materials)
[資料4]小宮山博史 著. 日本語活字ものがたり : 草創期の人と書体. 誠文堂新光社, 2009. (文字と組版ライブラリ ; 1)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000009993594-00 , ISBN 9784416609026 (S161-Ko65)
[資料6]府川充男 撰輯. 聚珍録 : 圖説=近世・近代日本〈文字-印刷〉文化史 第1篇(字體). 三省堂, 2005.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000007685539-00  (S181-Sh99-1-1)
[資料7]府川充男 撰輯. 聚珍録 : 圖説=近世・近代日本〈文字-印刷〉文化史 第2篇(書體). 三省堂, 2005.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000007685546-00  (S181-Sh99-2)
[資料1]矢作勝美 著. 明朝活字 : その歴史と現状. 平凡社, 1976.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001233789-00  (S161-Y16)
[資料2]佐藤敬之輔 著. 文字のデザインシリ−ズ 2. 丸善, 1964.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I003862791-00  (S163-Se85-2)
[資料3]板倉雅宣 著. 教科書体変遷史. 朗文堂, 2003.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000004120376-00 , ISBN 494761367X (S161-I87)
[資料5]板倉雅宣/著. 和様ひらかな活字. 朗文堂, 2002. (Vignette ; 3号)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I030512499-00 , ISBN 4947613610 (登録番号:60006605)
[資料8]森啓, 高宮利行, 桑山弥三郎, 板倉雅宣 著. 書き文字から印刷文字へ : 活字書体の源流をたどる. 女子美術大学, 2008. (女子美術大学図書館講義録書物を構成するもの ; 2)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000009310695-00 , ISBN 9784888888349 (登録番号:10017026)
[資料9]写植総合見本帳編集委員会編著『写植綜合見本帳』(全関東写真植字協同組合 1977年) (S454-Z3)
[資料10]組版工学研究会 編. 和文電子活字綜合見本帳. 朗文堂, 1999.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002817199-00 , ISBN 4947613475 (S173.6-Ku38)
キーワード
(Keywords)
日本語--文字
仮名
書体
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
事実調査
内容種別
(Type of subject)
活字
質問者区分
(Category of questioner)
来館者
登録番号
(Registration number)
1000141302解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
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