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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000140724
提供館
(Library)
近畿大学中央図書館 (3310037)管理番号
(Control number)
20131119-2
事例作成日
(Creation date)
2013年11月19日登録日時
(Registration date)
2013年11月19日 12時52分更新日時
(Last update)
2013年11月19日 16時45分
質問
(Question)
統計法違反で懲役刑が適用された過去の事例について調べたい。
回答
(Answer)
 旧法での適用事例としては、1947年8月に実施された農林水産業調査(指定統計第3号)において、供出割合の軽減を受けるために自己の水稲作付面積を減らして申告した農家が懲役3ヶ月の量刑を受けた事例がある(資料2の「統計体系入門」p.5から)。
 また1970年代初頭の北海道羽幌町の人口水増し事件では、統計法違反等で当時の町長ら3人が起訴されたが、判決では虚偽有印公文書作成罪が適用され懲役刑(執行猶予付き)とされたケースがある(資料1)。2013年の愛知県東浦町の人口水増し事件では、現行法において初めて逮捕・起訴され前副町長の懲役4ヶ月(執行猶予2年)の有罪判決が確定している。
回答プロセス
(Answering process)
◆ 新聞記事データベースを使って、元記事の愛知県東浦町の事件の下調べをする。
・・・・・引用ここから
○ ことば:東浦町人口水増し事件
 2013-03-24 毎日新聞 中部朝刊 27頁 社会面
 市制移行条件の人口5万人を満たすため、2010年の国勢調査で調査票を改ざんして約300人分を水増ししたとして、愛知県東浦町の前副町長、O 被告(63)が統計法違反の疑いで県警に逮捕、起訴された。当時の企画財政部長や企画課長ら職員5人も書類送検された。

○ 愛知・東浦町の人口水増し:統計法違反容疑、前副町長を逮捕 10年国勢調査で
 2013-02-23 毎日新聞 東京朝刊 29頁 社会面
 市への昇格を目指していた愛知県東浦町の10年の国勢調査で居住実態のない調査票が大量に見つかった問題で、県警は22日、意図的に人口を水増ししたとして、前副町長の無職、 O 容疑者(氏名伏せ)(63)を統計法違反容疑で逮捕した。県警は、町幹部が主導した悪質な組織的不正とみて異例の強制捜査に踏み切った。県警によると、同法による逮捕は全国初。
 容疑は10年11~12月、町職員ら数人と共謀し、10年の国勢調査で世帯員の居住が確認できなかったのに、住民基本台帳を使って調査票を勝手に書き加えたり、新たに調査票を作成したりするなどの手口で 303人分を水増し。 人口を市制移行に必要な5万人を超える「5万82人」とする虚偽データを作成、国の統計をゆがめたとしている。O 容疑者は「不正行為を指示したり、承知したりしたことはない」と否認しているという。
 県警によると、町の当時の担当幹部や職員らは「 O 容疑者から住民基本台帳などを使って5万人以上になるよう水増しを指示された」と供述しているという。県警は今後、幹部らも同容疑で書類送検する方針。
 この問題では総務省が11年2月、国勢調査の速報値として同町の人口を「5万80人」と発表。しかし「不正が行われている」との匿名の情報を受けて同省が現地調査し、280人分の居住が確認できなかった。このため確定値は「4万9800人」に減り、町は市制移行を断念した。(後略)
・・・・・引用おわり


◆ Googleなどの検索エンジンを使って、“統計法”そのものを調べる。
・資料3の統計局による統計法の解説に、同法には第57条~第62条に渡り罰則規定があることが示されている。

○旧統計法 (昭和二十二年法律第十八号)
http://www.stat.go.jp/index/seido/houbun2.htm  last_access:2013-11-19)
○統計法 (平成十九年五月二十三日法律第五十三号)
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H19/H19HO053.html  last_access:2013-11-19)

 第六十条  次の各号のいずれかに該当する者は、六月以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。
一  第十三条に規定する基幹統計調査の報告を求められた者の報告を妨げた者
二  基幹統計の作成に従事する者で基幹統計をして真実に反するものたらしめる行為をした者


◆ 各社新聞記事データベースを使って、Kw:“統計法”&“違反”、あるいは“人口水増し”で検索する。

○ 朝日新聞〔聞蔵IIビジュアル〕
 ・1947年10月21日 東京 朝刊 2頁 
・・・・・引用ここから
○ 『統計法違反を適用 別段不正申告者に』
【札幌発】去る十七日函館で開いた北海道四検事正会議で、作付段別不正申告者にたいして全国初の統計法違反を適用する方針がきまった。北海道の作付段別報告は昭和十六年以来十五万七千三百余町歩減少しており、十月初旬全道一せいに行われた警察部の実地調査の結果で水田二割二分、畑一割二分のかくし段別が発見されている。
 悪質者を中心に本月末から検挙を始める予定だが、第一回は札幌、函館、旭川、釧路各地検で四、五名ずつ起訴すべくリストに基づいて準備を進めている。
(注)統計法は本年三月二十六日公布施行されたもので政府の指定された統計調査に報告の義務を與え(第5絛)これに違反した場合は六ヶ月以上の懲役又は禁固、五千円以下の罰金に処せられることを規定している(第十九絛)。
・・・・・引用おわり

 ・1971-12-03 朝日新聞 朝刊 3頁
○ 『市になりたい…人口水増し 北海道羽幌町 四千人?サバ読む 訴えで町長辞表 炭鉱失い過疎への一途 はじめてのケース 総理府統計局の永山貞則国勢統計課長の話 警察も捜査へ』
 上記記事では総理府統計局国勢統計課長の話として、この事件が統計法違反が疑われる最初のケースという文言が見られる。

 ・1973-06-28 朝日新聞 朝刊 23頁 
・・・・・引用ここから
○ 『人口水増しに懲役刑:旭川地裁判決 北海道羽幌町 町長ら3人猶予付き』
 市昇格をめざして、四十五年十月の国勢調査の際、架空の調査票を作って人口水増しをはかり、統計法違反、虚偽有印公文書作成、同行使の罪に問われていた北海道留萌支庁羽幌町の M 町長(氏名伏せ)(60)と、当時の S 助役(63)=四十七年退職=、F 総務部長(47)=現総務部付=、D 庶務課長(42)=同=の四被告に対する判決公判が、二十七日午後一時から旭川地裁で開かれた。佐藤文哉裁判長は、当時の状況から判断して四人が共謀した、という検察側の主張をほぼ全面的に認め M 被告に懲役一年六月、執行猶予三年(求刑懲役一年六月)、S 被告に懲役一年、執行猶予二年(同一年二月)、F 被告に懲役八月、執行猶予一年(同一年)を言渡した。D 被告は病気入院中のため回復をまって公判を開く。
 この事件は、国勢調査史上初めての不正事件で、「三万人市特例法」の適用を受けて市に昇格しようとした同町が、四十二年三月ごろから四十五年になって地元の羽幌炭鉱が閉山となり、人口が急減したため市制実現を断念した。同年十月の国勢調査の際、急に実数に戻すと以前の水増しがばれるため、同調査をほぼ水増し人口のままで処理しようと計画、当時の実人口約二万三千人の四分の一にあたる約六千人を水増しし、二万八千五百六十八人として留萌支庁を通じ総理府統計局に出した。
 佐藤裁判長は、判決の中で「国勢調査は国、地方公共団体の行政の最も基礎となる資料で、正確性が重要なのに、同調査の執行者の町長以下四被告が、大掛りで計画的な水増しという犯行に及んだことは許せない。過疎化の進む町のため、よかれと思ってやった点はわかるが、不正の結果でてくる影響はあまりにも大きく、その刑事責任は重い」と述べ、「町長指示は明白」とし、町役場ぐるみの犯行とされた。
・・・・・引用おわり

 ○ 日経新聞【日経テレコム21】
 ・埼玉県幸手町、国勢調査で人口水増し、5万人悲願勇み足――県が調査。
  1980-11-29 日本経済新聞 地方経済面 首都圏B

 ○ 読売新聞【ヨミダス歴史館】
 ・1972-08-24 夕刊 9頁 “市昇格”ねらった幽霊人口 北海道羽幌 町長ら4人起訴/旭川地検
 ・1974-04-26 朝刊 19頁 通産欺く“二重帳簿” 石油元売り 協定破り制裁逃れに



◆ 契約データベースのTKC法律情報データベース【LEX/DBインターネット】を使って、Kw:“統計法”&“違反”で検索する。
 → 昭和49年9月17日の札幌高裁の控訴審判決、統計法違反等被告事件〔昭和48年(う)第268号〕が1件見いだされる。原審は上記の朝日新聞記事の昭和48年6月27日の旭川地裁の判決。

◆ Googleなどの検索エンジンを使って、“羽幌町”&“人口水増し”で検索する。
・羽幌町人口水増し事件
http://jm-hokkaido.sakura.ne.jp/is-haboromizumashi.html  last_access:2013-11-11)が見つかり、参考図書として資料1が示されている。

◆ また資料2には指定統計の申告義務に触れて、虚偽の報告をして罰則が適用された事例を幾つか挙げている。上記の羽幌町事件の顛末は以下のように紹介している。
・・・・・引用ここから
 さらに、指定統計調査の結果をその作成過程で改竄したり、改竄させたりしても同じ罰則が適用される。たとえば,1970年10月に実施された国勢調査において、市制に移行する条件となっている人口3万人を確保したいなどの理由から、町長、助役および総務部長が共謀し、集計した調査票の枚数を増やして報告した事件があった。この事案は、虚偽有印公文書作成罪が適用され、町長は懲役1年6ヶ月(執行猶予4年)、助役は懲役1年(執行猶予4年)、総務部長は懲役8ヶ月(執行猶予4年)の刑に処せられた。
・・・・・引用おわり
(出典 清水誠著.統計体系入門のp.6から)


◆ CiNii_Articlesを使って、Kw:“人口水増し”で検索する。以下の1件が見つかる。
 ・三潴 信邦著.国勢調査(昭和45年)の人口水増し事件(北海道羽幌町)についての最高裁の決定.統計学.産業統計研究社,1978,No.35,p.111-114.

◆ また資料4の経済統計学会の機関誌「統計学」の目次から、関連する記事を探すと上記の以外にも以下の2つの記事が見つかる。
 ・日野 源四郎著.統計法第19条違反事件の有罪人員について.統計学.産業統計研究社,1973,No.26,p.147-???.
 ・三潴 信邦著.国勢調査の人口水増し事件(羽幌町)の起訴状ならびに判決文.統計学.産業統計研究社,1974,No.28,p.81-87.
事前調査事項
(Preliminary research)
 愛知県東浦町を市に移行させようと2010年の国勢調査で人口を水増ししたとして、統計法違反に問われた前副町長、O 被告(氏名伏せ)(63)に対し、名古屋地裁は25日、懲役4月、執行猶予2年(求刑・懲役4月)の判決を言い渡した。森島聡裁判長は町の担当部長(当時)の供述などから O 被告の水増し指示を認定し、「公的統計への信頼を損なわせた結果は軽視できない」と厳しく批判して、「指示した事実はない」とする O 被告側の無罪主張を退けた。
(出典 毎日jp 2013-10-25)の記事を見て
NDC
憲法  (323 9版)
統計  (350 9版)
参考資料
(Reference materials)
【資料1】.北海タイムス社 編. 戦後の北海道 道政編. 北海タイムス社, 1982.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001580277-00
【資料2】.清水誠 著. 統計体系入門. 日本評論社, 2000.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002931157-00 , ISBN 4535551944
【資料3】.総務省統計局 公式Website : 統計制度 > 統計法について
http://www.stat.go.jp/index/seido/1-1n.htm  last_access:2013-11-19)
【資料4】.経済統計学会編.統計学.総目次:No.1(1955年6月)~No.100(2011年3月)
(【PDF】 http://www.jsest.jp/jp/Toukeigaku/journal/journal_stat_contents_1to100.pdf  last_access:2013-11-19)
キーワード
(Keywords)
愛知県東浦町
統計法
国勢調査
センサス
総務省統計局
指定統計
人口水増し
北海道羽幌町
市制移行
特別職地方公務員
著名事件
行政法
社会統計学
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
文献紹介 事実調査
内容種別
(Type of subject)
事件
質問者区分
(Category of questioner)
個人
登録番号
(Registration number)
1000140724解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
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