レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013/08/02
- 登録日時
- 2013/10/05 00:30
- 更新日時
- 2013/10/06 12:44
- 管理番号
- 千県東-2013-0003
- 質問
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解決
麻について、薬物としてではなく神道や宗教の面で知りたい。
- 回答
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『神道事典』【資料1】のp198「大麻(おおぬさ)」に「ヌサ(幣・麻・奴佐)の美称。神に祈るときに捧げられる物や罪を祓うときに差し出される物をヌサといい、主として木綿、麻、のちには布帛や紙などが使われた。」とありました。
『大麻入門』【資料2】の第2章「大麻文化」p129-135に「大麻は神道において、神の象徴」で、大和朝廷の宮廷祭祀を担っていた忌部氏という氏族は「…「麁服(あらたえ)」という名の大麻織物で作った神衣を織ることを担っていた。皇位継承者は、大嘗祭の前夜に麁服を身につけ、降臨した神と一体となることで、天皇に即位する資格を得ることができるのである。」との記載がありました。「大麻の強い生命力は魂の象徴であり、神の依り代とみられていた」ことや、「天照大神の天岩戸隠れ」の神話のこと、また、「神道では、「清浄」を重視しており、大麻は穢れを拭い去る力を持つ繊維とされている。」との記載もありました。大麻が神道の中で神の象徴であるという例として、本文中では他に伊勢神宮のお札、大麻(おおぬさ)、麻紐、注連縄、鈴の縄、相撲の横綱力士の綱等が挙げられています。「日本の仏教や神道や様々な祭りや伝統の中にも、大麻は深く関わっている」との記載がありました。
『大麻大百科』【資料3】p19に、忌部氏の伝承をまとめた「『古語拾遺』のなかに大麻は「神々の神宝、鏡・玉・矛・盾・木綿・麻等」という文面で登場する。また、古事記の中の有名な天の岩戸の条にも大麻が登場している場面がある。」との記載がありました。また、大嘗祭と麻布の記載もありました。
『『古語拾遺』を読む』【資料4】のp91‐97「祭祀具を製造する斎部の人たち」には、訓読本文と現代語訳を掲載しており、現代文では「天富(あめのとみ)の命に命じて、齋部のいろいろな氏族を引き連れて、いろいろな神宝、例えば、鏡・玉・矛・盾・木綿・麻などを製作させる。」との記載や、木綿(ゆう)、麻、織布(あらたえ)の製造、大嘗祭と木綿・麻布の献上などの記載があります。
- 回答プロセス
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1.神道との関わりを調べるため、【資料1】を閲覧。
2.自館OPACを件名「あさ(麻)」で検索。【資料2】がヒット。
3.【資料2】の並んでいる499.15の棚をブラウジング。【資料3】が見つかった。
4.【資料3】より、大和朝廷の宮廷祭祀について書かれた『古語拾遺』に書かれているのではないかと考え、【資料4】を閲覧。
- 事前調査事項
- NDC
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- 神道 (170 9版)
- 参考資料
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- 【資料1】『神道事典』(国学院大学日本文化研究所編 弘文堂 1994)(2100019054)
- 【資料2】『大麻入門』(長吉 秀夫著 幻冬舎 東京 2009)(2102226433)
- 【資料3】『大麻大百科』(大麻研究会著 データハウス 2007)(2101996128)
- 【資料4】『『古語拾遺』を読む』(中村 幸弘共著 右文書院 2004)(2101696720)
- キーワード
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- 麻(アサ)
- 大麻(オオヌサ)
- 神道(シントウ)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000137831