レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2003年5月27日
- 登録日時
- 2013/09/20 12:05
- 更新日時
- 2023/03/28 11:37
- 管理番号
- PML20030527-01
- 質問
-
解決
片仮名の「ヘ」と、平仮名の「へ」は一体何が違うのか知りたい。
- 回答
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片仮名「ヘ」も平仮名「へ」も字源は同じ。「部」のつくりの「」とされている。
樺島忠夫ほか編『事典日本の文字』(大修館書店 1997)
p.64 「たとえば、片仮名の「へ」と平仮名の「へ」とは同じ文字か。これらは、異なる文字体系に属しているから、同じ文字だということはできまい。同じ文字、異なる文字ということを厳密に考えるならば、次のきまりを立てることができよう。
異なる文字体系に属する文字は、異なる文字である。」
書体や活字デザインの観点から、
佐藤敬之輔『文字のデザインシリーズ 4 カタカナ 第2版』(丸善 1973)
では、書体の構成-骨格や面積にも言及し、
p.3-4 「片仮名文と平仮名文」の(3)(4) から
「文体と文章を見た字づらの感じとは一致している。柔らかい曲線でできている平仮名は叙情に適する。片仮名は堅苦しくポキポキとして、没個性的、高踏的、時に威圧的になる。その代り明るいユーモアに富む客観的記述に成功することは今昔物語集(1066年)の例もある。」
「平仮名は漢字と交ったとき、量質ともに明確な違いがあって、一見してすぐさま漢字と仮名の区別がつく。これに対して片仮名は量的の違いはあるが、質的には漢字と同じで、中には区別のむずかしい字もある。」
国立国語研究所 を紹介
http://www.ninjal.ac.jp/
(2014年2月26日確認)
*2014年2月追記*
祖父江慎ほか『文字のデザイン・書体のフシギ(神戸芸術工科大学レクチャーブックス 2)」(左右社 2008年)
p.51 に6種類の書体の平仮名と片仮名の「へべぺ」36文字を並べた図があり、どちらがどちらかわかりますか?との質問と回答あり。
「カタカナって、最後のトメがやや下がる傾向にあります。ひらがなは、トメがきもち上がる傾向にあります。」
「ひらがなとカタカナって、同じようだけど微妙に違って、わかりにくいんですね。」
余談ですが、当博物館「印刷の家」のベテラン活版職人の一人に、
「へ」の活字が一つ転がっていたら、片仮名か平仮名か区別がつきますか?
と尋ねたところ、あまり小さいとわかりにくいけれど、8ポイント以上の大きさなら、角度とか長さとか色々と微妙に違うのでわかる、とのことでした。
**2023年3月追記**
備考にフォーラムにてご紹介した「ヘ」と「へ」の画像を追記。
上がカタカナの「ヘ」、下がひらがなの「へ」です。
- 回答プロセス
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「日本の文字」関連、「レタリング」「書体デザイン」関連の当館所蔵書籍を一覧
「活字見本帖」の類は平仮名と片仮名の違いについて明記している資料は見当たりませんでした。。
- 事前調査事項
- NDC
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- 音声.音韻.文字 (811 9版)
- 参考資料
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樺島忠夫 [ほか]編. 事典日本の文字. 大修館書店, 1985.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001745917-00 , ISBN 4469012092 (S123.6-J) -
佐藤 敬之輔/著. カタカナ 第2版. 丸善, 1973. (文字のデザイン・シリーズ 4)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I023999694-00 (S163-Sa85-4) -
祖父江慎, 藤田重信, 加島卓, 鈴木広光 著. 文字のデザイン・書体のフシギ. 左右社, 2008. (神戸芸術工科大学レクチャーブックス2)
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000009397034-00 , ISBN 9784903500072 (S163-Mo19)
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樺島忠夫 [ほか]編. 事典日本の文字. 大修館書店, 1985.
- キーワード
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- 仮名
- 平仮名
- 片仮名
- 日本語-文字
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000137387