レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013年08月19日
- 登録日時
- 2013/08/19 12:48
- 更新日時
- 2014/06/12 16:51
- 提供館
- 京都市図書館 (2210023)
- 管理番号
- 右中-郷土-62
- 質問
-
解決
京都市中京区にかつてあった,夷森(えびすのもり)について知りたい。
- 回答
-
夷森(恵比須森,蛭子森)は,現在の中京区壬生森町付近にあった小さな森で,江戸末期~明治の地図に表記が見えますが,現在はありません。
この地は平安時代,西宮殿と呼ばれた公卿源高明の邸宅でした。その後江戸時代には田んぼとなり,その中に一叢の森と夷神をまつる小祠(夷社)がありました。文久3年(1863)に開通した運河,西高瀬川は,かつてこの夷森を通って下鳥羽に流れていました。
江戸中期の京都見聞記である【資料2】では,“方十四,五間斗の森” で, “森とは見えず藪なり” とあります。
また,【資料1】では,「恵比須ノ森」の名は,兵庫県西宮市にある西宮神社(祭神は夷神)と源高明の西宮とが同じ名であることから,祭神に因んで生じたのであろう,と記述されています。
- 回答プロセス
-
●京都の地誌より …【資料1】【資料3】【資料6】
●江戸時代の地誌より …【資料2】【資料4】【資料5】【資料7】
【資料4】…“西宮-四条の北,朱雀の西,高明親王の御所,今蛭子森あり”
【資料5】…壬生寺の図版(絵図)に“蛭子森”が描かれている。
【資料7】…夷ノ社が夷森に有り,と記述。
●地図を確認
・“夷森”の表記あり
【資料8】…慶応4年再刊「京町絵図細見大成」・明治6年刊「上下京区分京都大絵図」
【資料9】
・“蛭子社”の表記あり
【資料8】…天保2年刊「京町絵図細見大成」
●ブラウジングで発見 …【資料11】
- 事前調査事項
- NDC
-
- 日本 (291 9版)
- 近畿地方 (216 9版)
- 参考資料
-
- 【資料1】『新撰京都名所図会 巻4』 (竹村 俊則/著 白川書院 1965) p102 “西宮址”
- 【資料2】『史料京都見聞記 第2巻 紀行(京師順見記)』 (駒 敏郎/[ほか]編集 法蔵館 1991) p205
- 【資料3】『京都千年 1 四季と風土』 (邦光 史郎/編著 講談社 1984) p234 “恵比須の森”
- 【資料4】『新撰京都叢書 第2巻 (京の水)』 (新撰京都叢書刊行会/編 臨川書店 1986) p49 “西宮”
- 【資料5】『新修京都叢書 第6巻 (都名所図会)』 (野間 光辰/編 臨川書店 1967) p149
- 【資料6】『日本歴史地名大系 27 京都市の地名』 (平凡社 1979) p823 “壬生村”
- 【資料7】『新修京都叢書 第22巻 (山城名跡巡行志)』 (野間 光辰/編 臨川書店 1972) p260
- 【資料8】『京都市史 地図編』 (京都市/編集 京都市役所 1947)
- 【資料9】『洛中洛外町々小名大成京細見絵図』 (竹原好兵衛 1864)
- 【資料10】『京都水ものがたり』 (平野 圭祐/著 淡交社 2003) p82 “西高瀬川”
- 【資料11】『京都ふしぎ民俗史』 (竹村 俊則/著 京都新聞社 1991) p169~170 “恵比須の森”
- キーワード
-
- 夷森
- 蛭子森
- 恵比須森
- 壬生
- 西宮跡
- 夷社
- 蛭子社
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000135503