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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000130965
提供館
(Library)
中央大学図書館 (3300001)管理番号
(Control number)
中大2013-03
事例作成日
(Creation date)
2013年1月20日登録日時
(Registration date)
2013年05月02日 19時06分更新日時
(Last update)
2013年05月29日 16時02分
質問
(Question)
明治から大正期の女中の給料や人数に関する統計を探している。また、どのような人が女中になったのかも知りたい。
回答
(Answer)

1.女中の給料

①朝日新聞社編 『明治・大正期日本経済統計総観』 下巻 復刻版. 並木書房, 1999.10
p.938 全国諸傭平均賃金類年表 に明治15-20、25、27-44と大正1-15年までの下女の賃金について記載あり。
(大正7年までは上等・普通・下等の3種に賃金が分かれている。)
このほか東京、大阪での賃金についても記載がある。

②大川ほか『物価』(長期経済統計 8巻) 
  IV 賃金 第25表 職種別賃金 に1880年以降(明治13年)以降の下女の賃金が掲載されている。(p.245)

2.女中の人数

公的な統計としては以下が挙げられる。

③『国勢調査』大正9年 全国の部 第2巻 職業 p.2 表1「本業者本業ナキ従属者及家事使用人」、p.40 表8「職業及職業上の地位別本業者本業ナキ従属者及家事使用人」などに掲載されている。

東京に限れば以下の資料に記載がある。
④ 『東京市市勢調査職業別現在人口表』明治41年 (近代都市統計資料集成東京市市勢調査篇 7) 第14表 本業タル職業(項)及體性別本業有業者、被扶養者及び僕婢各区人口(p.238-239) に男女別 僕婢数あり
⑤『東京市市勢統計原表』大正9年10月1日現在調査 4巻 p.114-「職業及職業上ノ地位ニ依テ分チタル年齢別人口」 に男女別 家事使用人人数あり
⑥『東京市市勢調査統計原表』大正13年10月1日現在 p.96―職業及職業上ノ地位ニ依テ分チタル年齢別人口」に 男女別 家事使用人人数あり

また、明治時代中期以降の推計値が以下の資料で算出されている。女中に関する研究の多くで引用されている資料であり、信頼できると考えられる。

⑦梅村ほか『労働力』(長期経済統計 2巻) 明治39年~昭和15年の家事使用者推計値が報告されている。
 II 有業者 第8表「男女・産業別内地人有業者数(年央現在)1906~1920年」(p.207),
第9表「男女別・産業別全有業者数(10月1日現在)1920~1940」(p.213)
 同資料に1908年の東京市(p.280 第25表)、1910年の東京府(p.283 第26表)の男女別僕婢の統計も掲載されている。

3.女中の出自
どのような身分、環境の女性が女中になったかについての全体的な統計はみつからなかったが、以下の資料に言及されている部分があり紹介した。

■「職業婦人に関する調査」大正13年 (東京市社会局調査報告書 12巻SBB出版会 1995 所収)
P.86 大正11年の派出婦会へのアンケート調査結果がまとめられており、派出婦の出身や教育程度などがわかる。

■濱名篤 「明治末期から昭和初期における「女中」の変容」 社会科学研究 49(6) 1998. p.31-87
 →被雇用者層の分析が行われており、資料として以下が挙げられている。
  ○雑誌『婦人世界』(明治43-44年、及び大正15年)の「女中紹介欄」
  ○大阪市社会部労働課 「女中の需給状況について」『社会部報告』 191号 1934年
    近代デジタルライブラリー公開
  ○社会立法協会 「女中に関する調査」 1930
  ○横浜市社会科 「女中調査」 1937
■濱名篤 「階層としての女中」『都市文化』 (近代日本文化論. 5)p.174-188において
 明治末から『婦人世界』に掲載された「女中紹介欄」での女中求職者を分析している。

■尾高煌之助「二重構造」『日本経済史』6巻 岩波書店1989 p.136-145
→昭和初期の統計データであるが、元に女中の一般化について「農村の余剰労働力」、「都市雑業層の余剰労働力」から女中が排出されたと分析している記述がある。(p.144)

■奥田暁子「女中の歴史」『鬩ぎ合う男と女:近代』(女と男の時空 5巻)藤原書店1995 p.376-410
→p.380-381 女中人口と属性という項に「農村の娘が都会に出て自分の嫁入りしたくを準備したり親に仕送りできる数少ない職業の一つであった」と記載あり。(典拠なし)
  同ページに昭和初期の記載はある。

明治初期~中期の個別事例研究として以下の論文がある。
■長野 ひろ子 女中と明治維新 : 敗者復活戦から外された人々(金子貞吉教授古稀記念論文集) 經濟學論纂 46(3/4), 405-422, 2006-03
→一橋家「僕婢御抱入歳月留」によって明治8年以降の一橋徳川家の下婢の雇用状況が示されている。(採用人数、給料、被雇用者の出身がわかる。)

■荻山 正浩 「産業化の開始と家事使用人 : 大阪府泉南地方の一商家の事例を中心として 」 社會經濟史學 64(5), 615-643, 776, 1999-01-25
→大阪の肥料米穀商廣海家の資料を元に明治20~30年代の商家での家事使用人の動向を調査しており、雇用実態とともに、各自の出身地なども記載されている。

また、当時のマニュアルや、体験談などからも女中の来歴をうかがい知ることができる。
どちらも近代デジタルライブラリーで公開されている。

■加藤常子述・主婦之友社編(1913年)「女中の使ひ方」、婦人之友社
 南博ほか編 近代庶民生活誌 第9巻 三一書房 1986 p.109-133に所収
■賀川はる子(1923年)『女中奉公と女工生活』、婦人之友社
 賀川ハル資料集 第1巻 緑蔭書房 2009 p.5-60に所収


回答プロセス
(Answering process)
①「女中」の定義を確認。
  行儀見習いに近い女中から、家事労働を担う下女も含んだ、家事使用人全般について、統計が知りたいとのことであった。

②明治・大正期についても扱っている長期統計資料類を調査。
 「女中」の給与、人数については推計値も含めある程度のデータがみつかったが、「女中」の出自については統計資料類では確認できなかった。

③女中についての研究論文、およびその参考文献から出自に関する統計、記述を探して、紹介した。
事前調査事項
(Preliminary research)
自館OPAC
NDC
労働経済.労働問題  (366 7版)
参考資料
(Reference materials)
清水美知子 著. 〈女中〉イメージの家庭文化史. 世界思想社, 2004.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000007407053-00 , ISBN 4790710610
牛島 千尋. 戦間期の東京における新中間層と「女中」--もう一つの郊外化. 2001. 社会学評論 52(2) (206) p. 266~282
http://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I5939401-00
尾高 煌之助. 余剰の捌け口--戦前期女中の経済分析序説. 1995-08. 社會科學研究 : 東京大学社会科学研究所紀要 / 東京大学社会科学研究所 編 47(1) p. p263~274
http://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I3300055-00
キーワード
(Keywords)
下女
下婢
女中
家事使用人
戸内使用人
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
所蔵調査
内容種別
(Type of subject)
質問者区分
(Category of questioner)
学生
登録番号
(Registration number)
1000130965解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
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