レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013/03/08
- 登録日時
- 2013/03/30 00:30
- 更新日時
- 2013/04/17 13:13
- 管理番号
- 6000010802
- 質問
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解決
「甲帳對楹」「肆筵説席」という2種類の手本を書道教室でもらってきたが、これはどのように読むのか。また意味も合わせて知りたい。
- 回答
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『千字文詳解』(香草社)などによると、「甲帳對楹」は「こうちょうたいえい」「肆筵説席」は「しえんせつせき」と読む。いずれも中国の漢字の手本である千字文の一部。意味は回答プロセス欄に記載。
- 回答プロセス
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Googleで「甲帳對楹」を検索したところ、千字文について書かれたブログがヒット。これを参考に、所蔵資料の728(書道)の棚から千字文についての資料を探す。
『中国法書選27 真草千字文』(二玄社)に千字文の全文があり、上記の2句を探すと、p24に「甲帳對楹」p25に「肆筵説席」があり。それぞれ「甲帳對楹(こうちょうついえい)あり」「筵(むしろ)を肆(の)べ席を設け」との書き下し文があるが、意味はなし。なおp55の解説によると、千字文は四字一句の250句からなる四言古詩で、一般に知られているのは梁の周興嗣(しゅうこうし、470?-521)作のもので、美文で重複する文字がないため、中国および朝鮮・日本において漢字学習や習字の手本として用いられたとのこと。
『線を鍛える 絵手紙に役立つ千字文』(日貿出版社)を調べると、p77に「甲帳對楹」を「コウチョウエイニタイス」と読み、意味は「美しいとばり(甲帳)は柱(楹)に向ってかかっている」とあり。p78「肆筵説席」では読みを「ムシロヲシキセキヲモウケ」とし、意味も「筵を敷いて席を設け」とあり。p16-17には千字文についての解説もあり。
句としての読みを調べるため、さらに所蔵資料を「千字文」で検索し、資料を取り寄せて内容を確認。
『千字文詳解』(香草社)p84「丙舎傍啓 甲帳對楹」(ヘイシャボウケイ コウチョウタイエイ)p85「肆筵説席 鼓瑟吹笙」(シエンセツセキ コシツスイショウ)に、句の読みと書き下し文、内容の解説があり。また『千字文』(岩波書店)p178-182にも、上記4句についての書き下し文と内容の詳しい解説があり。これらを見ていただいた。
なお、利用者の持っている手本は『真草千字文』と同じものであったため、活字体と異なる文字については、念のため『楷行草三体筆順辞典』(日本書道協会)で書体を確認した。
- 事前調査事項
- NDC
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- 書.書道 (728)
- 参考資料
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- 中国法書選27二玄社
- 『絵手紙に役立つ千字文』桜井 幸子/著(日貿出版社)
- 『千字文詳解』伏見 冲敬/著
- 『千字文』小川 環樹/注解(岩波書店)
- 『楷行草 三体筆順字典』鈴木 啓水/編(日本書道協会)
- キーワード
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- 書道
- 千字文(センジモン)
- 習字
- 漢文
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- その他
- 質問者区分
- 一般
- 登録番号
- 1000129899