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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000128786
提供館
(Library)
埼玉県立久喜図書館 (2110009)管理番号
(Control number)
埼熊-2012-264
事例作成日
(Creation date)
2013年02月19日登録日時
(Registration date)
2013年03月12日 16時37分更新日時
(Last update)
2013年06月05日 15時03分
質問
(Question)
江戸時代、天保巡見使として秩父の御料所を巡見し、「天保巡見日記」を著した勘定方支配勘定の旗本芳賀市三郎について、その出自、経歴等を知りたい。
芳賀市三郎は、蛮社の獄のきっかけをつくった人物で、高野長英が獄中で記述した「蛮社遭厄小記」に出ている人物。
回答
(Answer)
「天保巡見日記」の著者名である〈藤原清雄〉からも調査したが、詳しい経歴が掲載されている資料は見つからなかった。
『群馬県史 資料編13』収載「天保巡見日記」の解説にも、「筆者は前述のように、勘定であったと推測する以外に、その経歴は不明である」とある。
 
質問者調査済みの「蛮社遭厄小記」以外に記述のあった以下の資料を紹介した。
『群馬県史 資料編13』(群馬県史編さん委員会編 群馬県 1985)
 p15-23「第1章 第1節 巡見使」掲出の文書類に、〈芳賀市三郎〉の名が散見される。
 p975-1084「天保巡見日記」が、全文掲載されている。
 p977に、「天保八年丁酉之七月二十一日 営中躑躅之間におゐて御料所巡見使之命を蒙る」とあり。p978に「天保九年戊戌﨟月武江青山大樗堂中におゐて藤原清雄著」とあり。
解説のp1138に、「筆者は序文に藤原清雄と記しているが、貞の巻の初めに、足利学校の聖廟へ銀と詩を献じた際に「御料所巡見副使 芳賀市三郎藤原清雄謹具」と記している。従って苗字は芳賀、通称は市三郎である。」との記述あり。(本文該当箇所はp1051上段)
 解説のp1142には、「筆者は前述のように、勘定であったと推測する以外に、その経歴は不明である。」とあり。(解説著者は児玉幸多氏)
『新編埼玉県史 資料編5』(埼玉県編 埼玉県 1991)
 p45-46に「天保巡見日記」の解説あり。作者については「十二代将軍徳川家慶の就任に際し関東地方の幕府直轄領に派遣された勘定所役人から成る巡見使の副使、芳賀市三郎清雄の筆になる。」とあり。
 p882-918「天保九年 天保巡見日記(抄)」掲載。
 p882に、「天保八年丁酉之七月二十一日 営中躑躅之間におゐて御料所巡見使之命を蒙る」とあり。p883に「天保九年戊戌﨟月武江青山 大樗堂中におゐて 藤原清雄著」とあり。
『国史大辞典 7』(吉川弘文館 1986)
 p519a〈尚歯会〉の項に、「…また、評定所記録方芳賀市三郎が紀行記数篇をたずさえ、削正を請うている。」とある。
『国史大辞典 11』(吉川弘文館 1990)
 p776a〈蛮社の獄〉の項に、「天保9年10月、尚歯会の席上で、評定所の下吏芳賀市三郎が、近く江戸近海に来航するはずの「英船」(実は米船)モリソン号に対し、幕府が撃攘策をもって臨むという秘密情報をもらした。」とある。
『国史大辞典 13』(吉川弘文館 1992)
 p869b〈モリソン号事件〉の項に、「一方幕府部内において漂流民引取りについての論議がなされていた天保9年10月、「英人モリソン」の船再来航の風聞が流れ、打払適用を可とする旨の評定所評議書が、尚歯会例会の席上評定所記録方芳賀市三郎から洩らされた。」とある。
『名人畸人』(本山荻舟著 桃源社 1971)
 p316に、天保9年10月15日の尚歯会で、芳賀市三郎が書面の写しを見せた際の描写あり。
『幕末史の研究』(井野辺茂雄著 雄山閣 1927)
 p421に、「評定書の属吏芳賀市三郎」「答申書は、芳賀市三郎によりて尚歯会に提出せられ(後略)」とあり。
『江戸人の老い』(氏家幹人著 PHP研究所 2001)
 p157に、「天保9年(1838)、四十代半ばの幕臣、芳賀市三郎は、幕府の巡見使として関東各地の民情視察の旅に出た。」とある。
 p180に、「視察旅行の途中、武甲山(埼玉県秩父市南部の山)の山頂に登った芳賀市三郎は、日本武尊を祀った社の扉に七言絶句を書きつけている。」とあり。
『三田村鳶魚全集 24』(三田村鳶魚著 中央公論社 1976)
 p358-360に、芳賀市三郎の名前あり。藤森成吉の小説「渡辺崋山」についての考証。
『「蛮社の獄」のすべて』(田中弘之著 吉川弘文館 2011)
 p204に、「この尚歯会の席上で、モリソン号打払いに関する幕府評定所の厳しい答申が、評定所記録方芳賀市三郎によって漏らされ、蛮社の獄の発端となったのは事実である。」とあり。『文明東漸史』の引用あり。
『文明東漸史』(藤田茂吉著 聚芳閣 1926)
 p83-95「第8章蘭学より発生せる新智識、政治に波及せる新思想」の章に『蛮社の獄のすべて』引用箇所あり。p85-88に芳賀市三郎が漏らした機密事項の内容の記述あり。
『国書総目録 5』(岩波書店 1982)
 p876「天保巡見日記 てんぽうじゅんけんにっき 四冊 分類:紀行 著編者:藤原清雄 成立:天保九 写本:内閣・宮書」
回答プロセス
(Answering process)

その他の調査済み資料は以下のとおり
人名録
『人物レファレンス事典 古代・中世・近世編 〔1〕・〔2〕』(日外アソシエーツ 1996-2007)
『人物レファレンス事典 郷土人物編』(日外アソシエーツ 2008)
『江戸幕府旗本人名事典』(小川恭一編著 原書房 1989)
『寛政譜以降旗本家百科事典』(小川恭一編著 東洋書林 1997-1998)
『江戸幕臣人名事典』(熊井保編 新人物往来社 1997)
『国書人名辞典』(市古貞次〔ほか〕編 東京 岩波書店 1993-1999)
『幕末維新人名事典』(宮崎十三八編 安岡昭男編 新人物往来社 1994)
『幕末維新大人名事典』(安岡昭男編 新人物往来社 2010)
『埼玉人物事典』(埼玉県教育委員会編 埼玉県 1998)

柳営補任
〈芳賀〉姓は、〈榮之助〉のみ。
『大日本近世史料〔7〕柳営補任 索引 上』(東京大学史料編纂所編 東京大学出版会 1983)
 p174〈芳賀〉の項には〈芳賀榮之助〉のみ。
『大日本近世史料〔7〕柳営補任 4』(東京大学史料編纂所編 東京大学出版会 1983)
 p52〈芳賀榮之助〉の項あり。慶応2年3月23日「新御番組ヨリ、永々御目見以上」、慶応3年12月19日「御裏門御切手番之頭」
 p190〈芳賀榮之助〉の項あり。慶応3年12月21日「御廣敷番之頭ヨリ」
『大日本近世史料〔7〕柳営補任 6』(東京大学史料編纂所編 東京大学出版会 1983)
 p31〈芳賀榮之助〉の項あり。慶応2年9月28日「富士見御宝蔵番ヨリ同断」

〈秩父〉から探す
『秩父市誌』(秩父市誌編纂委員会編 秩父市 1962)
 p224-236「巡見使の入秩」の項あるが、天保9年の巡見については記述なし。
『秩父地方郷土史雑考』(柿原謙一著 秩父郷土研究会 1993)
『秩父地方史研究必携1-3』(浦和 埼玉新聞社 1979)
『秩父史話』(秩父 秩父市教育委員会 1955)
『図説 秩父の歴史 埼玉県の歴史シリーズ』(郷土出版社 2001)
『秩父市史 資料編 1 松本家文書』(秩父市立図書館編 秩父市 1999)
『秩父市誌 続編 1,2』(秩父市立秩父図書館編 秩父市 1969、1974)

『秩父の歴史 和同開珎から現代へ 特別企画展』(秩父の歴史展実行委員会 1998)
『秩父・児玉地方の文書 収蔵文書展 平成9年度第2回』(埼玉県立文書館 1997)

事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
個人伝記  (289 9版)
貴重書.郷土資料.その他の特別コレクション  (090 9版)
参考資料
(Reference materials)
『群馬県史 資料編13』(群馬県史編さん委員会編 群馬県 1985)
『新編埼玉県史 資料編5』(埼玉県編 埼玉県 1991)
『国史大辞典 7、11、13』(吉川弘文館 1986-1990)
『名人畸人』(本山荻舟著 桃源社 1971)
『幕末史の研究』(井野辺茂雄著 雄山閣 1927)
『江戸人の老い』(氏家幹人著 PHP研究所 2001)
『三田村鳶魚全集 24』(三田村鳶魚著 中央公論社 1976)
『「蛮社の獄」のすべて』(田中弘之著 吉川弘文館 2011)
『文明東漸史』(藤田茂吉著 聚芳閣 1926)
『国書総目録 5』(岩波書店 1982)
キーワード
(Keywords)
芳賀 市三郎(ハガ イチサブロウ)
埼玉県-秩父市-交通-歴史
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
文献紹介
内容種別
(Type of subject)
郷土 人物
質問者区分
(Category of questioner)
個人
登録番号
(Registration number)
1000128786解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決
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