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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000128552
提供館
(Library)
国立音楽大学附属図書館 (3310053)管理番号
(Control number)
国音2012-0033
事例作成日
(Creation date)
2013.3.2登録日時
(Registration date)
2013年03月02日 15時54分更新日時
(Last update)
2014年11月19日 13時26分
質問
(Question)
国立音楽大学附属図書館所蔵の"Ave Maria"の楽譜をできるだけ多く見たい。
回答
(Answer)
①当館OPAC の タイトル に "Ave Maria" と入力し、検索
 *主に全集楽譜・叢書楽譜以外の"Ave Maria"を検索
  (2014.7.29現在 楽譜限定検索 495件  うち、全集楽譜・叢書楽譜13件) 
*バッハ・グノーの"Ave Maria" 、シューベルトの "Ave Maria"、カッチーニの "Ave Maria"
  と呼ばれるものものも検索されるが、特に、カッチーニの "Ave Maria"については、強い
  偽作説が出されており、音楽界ではカッチーニ作ではないことは常識化しつつある。
 *上記"Ave Maria"については、近年、クリスマスの時期など、三大アヴェ・マリアと銘打ったコンサートが
  催されることが増えてきているが、いずれも、a:他の作曲家が"Ave Maria"の旋律を書き足したり、
b:はじめは"Ave Maria"として作曲されず後世に"Ave Maria"と呼ばれたり、c:偽作であったり
  する点が興味深い。なお、aの範疇に「マスカーニのアヴェマリア」と呼ばれる楽曲があるが、オペラ
  「カヴァレリア・ルスティカーナ」の美しい間奏曲に、歌唱部分を乗せた楽曲である。ただし、歌詞は「Ave Maria,
gratia plena...」(祈禱文)ではなく、「Ave Maria, madre Santa,...」(マンツォーニ作詞)
  であり、意味内容も当然「ラテン語祈禱文」とは違うが、人気曲の一つである。
②グレゴリオ聖歌中の"Ave Maria" は以下の方法により、調査し、更に当館OPAC
 で収載聖歌本の所蔵を確認し、現資料で"Ave Maria"の確認する必要がある。
 ・"An index of Gregorian chant " v. 1. Alphabetical index を用い
   "Ave Maria gratia plena... sancta Maria"等と調べ
   LU 〔Liber usualis〕、GR、 AR等の聖歌本名を、同 index、INTRODUCTION The Sourcesで
   各聖歌本の出版社、発行年等までしっかり確認し、正式名称に直し、当館OPACで検索し、現資料で、
   "Ave Maria"の収載を確認する必要がある。
   ちなみに、同 indexで案内される"Ave Maria gratia plena...
sancta Maria"〔≒"...nunc et in hora mortis nostrae. Amen"
   まで記譜するもの〕を収載する聖歌本〔及び掲載箇所〕は、AR 123*  と  LU 1861 である。
◆"An index of Gregorian chant " に収載されない聖歌本中、有名なものと
  しては、"Graduale triplex "がある。この中にも、"Ave Maria"が数曲収載
  されているが、巻末のIndicesを駆使して探すと、掲載箇所が分かる。
  なお、この本を楽曲の主たる出典元とした『グレゴリオ聖歌選集 /十枝正子
  編著』があり、日本語の説明とCDは、検索・調査にとって大変参考になる。
③日本のカトリック教会の公式歌集中の「アヴェ・マリア」"Ave Maria"の探し方
 日本のカトリック教会の公式歌集の一つ、『カトリック聖歌集』(光明社)には、
数曲のアヴェ・マリアが収載されている。(もう一つの公式歌集は『典礼聖歌』(あかし書房))

 『カトリック聖歌集』の中でも、「ラテン語聖歌 聖母賛歌 アヴェ・マリア(Ave Maria)」〔No〕541
 326-327頁[五線譜] は、特に重要で、『Cantus Gregorianus = グレゴリオ聖歌集』(「エリザベト
 音楽大学宗教音楽学科グレゴリアン研究室)」の「マリア賛歌 しあわせなかたマリア(交唱) AVE
 MARIA(ANT)」 p326下[ネウマ譜]〔ともに"nunc et in hora mortis. Amen"までの歌詞旋律をもつ〕とも
照応し、日本で教会用としても用いられるグレゴリオ聖歌の "Ave Maria"の一例を示している。〔蛇足ながら、
 627、628 のアヴェ・マリア(Ave Maria)はグレゴリオ聖歌ではない。」
 
 ・なお、「マリア賛歌 しあわせなかたマリア(交唱) AVE MARIA(ANT)」『Cantus Gregorianus =
  グレゴリオ聖歌集』 p326上には、「マリア賛歌 しあわせなかたマリア(小応唱) AVE MARIA(RESP.BR.)」
  が収載されている。
・又、同聖歌集は、上記の他に、Dominica quarta Adventus (待降節第4主日)の奉納唱を収載している。
当然ながら上記の「マリア賛歌 しあわせなかたマリア(交唱) AVE MARIA(ANT)」とは旋律も異なり、歌詞は
"et benedictus fructus ventris tui"で終わっている。


 もう一つの公式歌集『典礼聖歌』の中にも、「聖母賛歌 1」として「しあわせなかたマリア」が、
 [典礼聖歌番号]371、p430-432に収載されている。この曲の大意は、"Ave Maria"と同内容の
 ため、CD等では、[Ave Maria]を付加記述されて、作品紹介される場合もある。

④日本のカトリック教会以外の教会の公式歌集中の「アヴェ・マリア」"Ave Maria"の探し方
 各教会(英米等教会含む)の公式歌集(『讃美歌集名』『聖歌集名』)を調べ、各々の目次、
 索引で「アヴェ・マリア」"Ave Maria" を調査するしか方法はない。

◆①②以外に、埋もれがちなのが、全集楽譜や叢書楽譜中の"Ave Maria"である。
  最近は①でも多少、ヒットするようになってきてはいるが、まだ不十分と
  思われる。
  全集楽譜、叢書楽譜中の"Ave Maria"を探すためには、作曲家の特定が必須
  要件となるため、そのためには、必要に応じ、当該作曲家の作品目録や主要事
  (辞)典中の作品リスト等で"Ave Maria"を確認する必要がある。
  『宗教音楽対訳集成 / 井形ちづる, 吉村恒訳 ; 吉村恒編』中の「アヴェ・マリア」
  p170-175の章は、OPAC検索の参考になる重要作品、作曲家、曲種、編成、
  成立(作曲、刊行)年代等が3ページにわたって掲載されており、大変便利である。
  特に、「アヴェ・マリア」の名称をもたない作品や「アヴェ・マリア」の名称をもちなが 
  ら、まったく別の曲(『ルカ』1:28とは違う内容の意味か?)、典礼文とは無関係な
  声楽曲の代表曲として、シューベルト:エレンの歌Ⅲを紹介するなど、大変充実
  した記述がなされている。やはり、「アヴェ・マリア」を検索するには、この章の冒頭
  に書かれているような、「アヴェ・マリア」とは何か?をしっかりおさえる必要があり
  そうである。

◆③④は、①②では探しきれない"Ave Maria"の探し方である。
◆④の探し方で、当館所蔵の日本のプロテスタント系の『讃美歌・聖歌』の類を探し
 ているが、 "Ave Maria" (or「しあわせな方マリア」等)の収載例はまだ見つけら
 れないでいる。
 しかしながら、プロテスタント系の歌集にも、マニフィカートの類の楽曲やマリアに
 関する楽曲はあり、その意味からも日本のプロテスタント全体が、マリアに対する
 尊敬がないかのような書き方をするネット情報や文献情報は厳密ではないと言え
 る。(2013.5.11 現在)  しかし、そうしたマリアに関する楽曲をもつプロテスタン
 トの歌集(讃美歌集、聖歌集等) の中でも "Ave Maria" (or「しあわせな方マリ
 ア」等)と同様の意味内容をもつ収載例 を見出すことはできなかった。
◆とはいえ、教会の讃美歌集等への収載例は見つからないものの、プロテスタントの
 信仰をもつ作曲家のAve Mariaを冠する作品は知られており、本事例では、以下の
 数例を挙げるものとする。
 
 ・メンデルスゾーンは、姉ファニーとともに、プロテスタントの信仰者であったことは
  有名であるが、シューベルトと同じ歌詞 "Ave Maria! Jungfrau mild"への付曲、
  ファニーは本詩にあたる"Ave Maria! Virgin mild" への付曲がある。
  [メンデルスゾーンは当館所蔵を確認]
 ・「Felix Mendelssohn-Bartholdy : Thematisch-systematisches Verzeichnis der
  musikalischen Werke (MWV) / von Ralf Wehner」〔メンデルスゾーンの主題目録〕
  のインデックスからは、以下の "Ave Maria"関連の作品名が見て取れる。
  Ave Maria(Lorelai, aus Szene 3) ◆L 7  Ave Maria glatias plena◆B 19 
  Ave Maria, Jungfrau mild◆K 2 〔L 7等は本文作品番号を表す〕
 ・作曲家、日本基督教団霊南坂教会オルガニストとして著名であった大中寅二氏にも冒頭のみとは言え、
「アヴェ・マリア」の作曲例があると『宗教音楽対訳集成』p.173に書かれている。
  なお、当館OPACでも、「聖母マリヤ / 大中寅二作曲 ; 深山澄作歌 」の所蔵を確認できるが、
  残念ながら、歌詞内容から見て"Ave Maria"とは言えない。しかしながら、この作品は、聖母マリヤ
  への愛情にあふれる内容であり、特に、「聖き姿のマリヤさま」(歌唱部9~12小節)の第1のヤマと終曲に
  向かって高まり鎮まる「きよき姿のマリヤさま」〔Fで始まり2小節目で、デクレッシェンドし、3小節目
  でPとなり、ソプラノの最高音が、「き」「す」に現れる〕の音楽の形姿は、プロテスタントであっても
  聖母マリヤへの尊崇を隠さなかった作詩者、作曲家がいたことを示す好例とも言えよう。

◆以下の資料は"Ave Maria"について、〔特に演奏のために〕知るためにも、学習を深めるためにも
 重要であるが、検索・調査のツールとしても大変有用であるので特記します。

 『ミサ曲・ラテン語・教会音楽ハンドブック : ミサとは・歴史・発音・名曲選 / 三ケ尻正著』
 *"Ave Maria"は、p.163-167に書かれていますが、それだけではなく、第2部「ミサ曲」
  とラテン語、第3部ミサ曲以外のラテン語 教会音楽も読んでおく必要があります。
  中でも、グレゴリオ聖歌「アヴェ・マリア」、ジョスカン・デ・プレ「アヴェ・マリア」、
  グノー「アヴェ・マリア」の譜例と説明、その他「アヴェ・マリア」を残した作曲家たち〔リスト〕
  は検索・調査にとって非常に重要な情報です。

◆以下の「レファレンス事例」も関連情報としてご参照ください。
「Ave Maria  の 日本語訳を調べたい。」(レファレンス事例 国音2012-0026)
   http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000127722
回答プロセス
(Answering process)
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
宗教音楽.聖楽  (765)
参考資料
(Reference materials)
タイトルと著作者 An index of Gregorian chant / compiled by John R. Bryden and David G. Hughes.
出版社・発行年 Cambridge : Harvard University Press, 1969
タイトルと著作者 カトリック聖歌集
出版社・発行年 札幌 : 光明社, 1966
タイトルと著作者 Cantus Gregorianus = グレゴリオ聖歌集
出版社・発行年 広島 : エリザベト音楽大学宗教音楽学科グレゴリアン研究室, 1980
タイトルと著作者典礼聖歌
出版社・発行年東京 : あかし書房, 1980
タイトルと著作者 宗教音楽対訳集成 / 井形ちづる, 吉村恒訳 ; 吉村恒編
出版社・発行年 東京 : 国書刊行会, 2007
タイトルと著作者 Graduale triplex : seu Graduale Romanum Pauli PP. VI cura recognitum & rhythmicis signis
a Solesmensibus monachis ornatum / neumis Laudunensibus (cod. 239) et Sangallensibus (codicum San
Gallensis 359 et Einsidlensis 121) nunc auctum.
出版社・発行年 Solesmis : Abbaye Saint-Pierre de Solesmes, 1979, 1985 printing
タイトルと著作者 グレゴリオ聖歌選集 / 十枝正子編著
出版社・発行年 東京 : サンパウロ, 2004
タイトルと著作者 Felix Mendelssohn-Bartholdy : Thematisch-systematisches Verzeichnis der musikalischen Werke (MWV) / von Ralf Wehner
版 Studien-Ausgabe
シリーズ Leipziger Ausgabe der Werke von Felix Mendelssohn Bartholdy. Serie XIII, Werkverzeichnis ; Bd. 1A
出版社・発行年 Wiesbaden : Breitkopf & Härtel, 2009
タイトルと著作者新撰女聲曲集. 5
出版社・発行年東京 : 東京音樂書院, 昭和12 [1937] 
内容 フニクリフニクラ / デンツア作曲 ; 淸野協作歌 -- トスティのセレナータ / トスティ作曲 ; 堀内敬三作歌 --
 菩提樹の歌 / シューベルト作曲 ; 近藤朔風作歌 -- アヴェマリア / バッハ, グノー作曲 ; 緒園凉子作歌 --
 家路 / ドヴォルザーク作曲 ; 瀬沼喜久雄作歌 -- ドリゴのセレナーデ / ドリゴ作曲 ; 高橋信夫作歌 --
 マリアの子守歌 / レーガー作曲 ; 緒園凉子作歌 -- 月に舞ふ / シュトラウス作曲 ; 高橋信夫作歌 --
 河畔の愁ひ / デーヴィス作曲 ; 中群節二作歌 -- 暗き夜空 / グローヴァー作曲 ; 高橋信夫作歌 --
 つばくろ / キュッケン作曲 ; 高橋信夫作歌 -- 稜威 / ベートーベン作曲 ; 近藤朔風作歌 --
 聖母マリヤ / 大中寅二作曲 ; 深山澄作歌 ・・・他
タイトルと著作者 ミサ曲・ラテン語・教会音楽ハンドブック : ミサとは・歴史・発音・名曲選 / 三ケ尻正著
出版社・発行年 東京 : ショパン, 2001
キーワード
(Keywords)
Ave Maria
アヴェ・マリア
聖母賛歌
しあわせなかたマリア
Gounod:Ave Maria (Vocal version) 〔バッハの第1前奏曲につけられた宗教的歌曲〕
Schubert:Ellens Gesang, D. 839〔Ave Maria 〕
Mendelssohn-Bartholdy : Ave Maria, Jungfrau mild
大中寅二:アヴェ・マリア
アベ・マリア
三大アヴェ・マリア
カッチーニ:アヴェ・マリア偽作説
KCMLOPAC
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
所蔵調査
内容種別
(Type of subject)
作品
質問者区分
(Category of questioner)
図書館員
登録番号
(Registration number)
1000128552解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
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