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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000127500
提供館
(Library)
大阪府立中央図書館 (2120005)管理番号
(Control number)
OSPR12070086
事例作成日
(Creation date)
2012/07/24登録日時
(Registration date)
2013年01月27日 02時00分更新日時
(Last update)
2013年03月06日 20時10分
質問
(Question)
「おにえくぼ」のある女性と結婚してはならないという言い伝えがあるらしい。それがどのようなものであるのか知りたい。
「おにえくぼ」とは笑ったときに眼窩下と頬骨にかけて1、2本出来るシワのことだとか。頬にできる笑窪の類ではなさそうです。
以下のサイトにその「おにえくぼ」について質問している方があるが、そこでも深層はわかっていない。
  http://okwave.jp/qa/q7437649.html
回答
(Answer)
 結論としてご質問の言い伝えを確認できる資料を発見できませんでした。以下に調査結果を記します。

 google books「鬼えくぼ」で検索すると、『粋珍本解題選』第 1 巻(斉藤夜居/著 愛書家くらぶ 1979)がヒットしますが、この質問とは関係ないようです。(所蔵図書館は立命館大学のみ)

 その他、Web検索、雑誌論文を検索できる各DB検索(マガジンプラス、CiNii)、国立国会図書館サーチ等のいずれもキーワードでヒットしませんでした。

 『故事・俗信ことわざ大辞典』(尚学図書/編集 小学館 1982.4)【個人貸出不可】には、「おにえくぼ」の記載はありませんが、「靨(えくぼ)」と「女」に関連するものとしては次の2つがありました。
p.229「女の靨には城を傾く」:君主が女色におぼれて、国を滅ぼすことをいう。
p.387「傾城の靨にはまる家屋敷」:遊女、あるいは美女のとりこになって財産を失う。

 国際日本文化研究センター「怪異・妖怪伝承データベース」で調べてみましたが、「エクボ」でヒットするのは1件、「子供が生まれるとウブメシを炊き、茶碗に高くもり、少し箸で窪まして赤ん坊の枕元にそなえる。こうすると赤ん坊にはエクボができるそうだ。」というもののみでした。

OKWaveの質問にて、大阪北河内の枚方にお住いだったお婆さんからのお話、ということでしたので、
『伝説の河内』(松本壮吉/著 歴史図書社 1978.7)
『むかしむかし北河内』(阪上富也/著 阪上富也 1979)
『むかしむかし北河内 第2集』(阪上富也/著 阪上富也 1979)
『ひらかた昔ばなし 総集編』(枚方市伝承文化保存懇話会冊子編集刊行委員 枚方市 2004.3)
『枚方の民俗』『日本民俗調査報告書集成 [27] 近畿の民俗 大阪府編』(大島暁雄/[ほか]編 三一書房 1995.6)に所収
『日本昔話通観 第15巻 三重・滋賀・大阪・奈良・和歌山』(稲田浩二/責任編集 同朋舎 1977)
『大阪の伝説 1(史陽選集)』(牧村史陽/著 史陽選集刊行会 1963)
『大阪の伝説 2(史陽選集)』(牧村史陽/著 史陽選集刊行会 1965)
『大阪の伝説 3(史陽選集)』(牧村史陽/著 史陽選集刊行会 1968)
『大阪の伝説』(大阪府小学校国語科教育研究会「大阪の伝説」編集委員会/編 日本標準 1981)
『日本の伝説 8 大阪の伝説』(角川書店 1976)
『日本昔話通観 第29巻 総合索引』(同朋舎出版 1990.7)

 上記資料を確認しましたが、「おにえくぼ」と関わりのありそうなものは見つかりませんでした。

 なお、google books「鬼ゑくぼ」で検索すると『日本書誌学大系 59 俚諺大成』(青裳堂書店 1989)【貸出不可】がヒットし、p.120に「鬼にゑくぼ」とあり、『国字分類諺語』と、『尾張俗諺』の中の「他邦通諺」に載っていることがわかります。

『ことわざ研究資料集成 第19巻 江戸期補遺 1 [復刻]』(ことわざ研究会/編集 大空社 1994.11)【個人貸出不可】
「国字分類諺語」の「を」のところに「鬼にゑくぼ」(現物表記は変体仮名)と載っています。
「わろき中ニもよき事ある儀言也(ギヲイウナリ) かりの文上ニ出」とあります。

 また『名古屋叢書三編 第8巻』(名古屋市蓬左文庫/編 名古屋市教育委員会 1982.3)【個人貸出不可】に所収の『尾張俗諺』の「他邦通諺」p.447」に「鬼にゑくぼ」と載っています。出典は『壺碑』とあり、中之島図書館所蔵『東洋女訓叢書 4』(女子之友記者編纂 東洋社 1901.6)に所収の「つほのいしぶみ」が該当しますので内容を確認したところ、冒頭の「帰雁の文の上」に「鬼にゑくぼ」が登場し、姪への手紙という形をとり女性への教訓が書き連ねてあるのですが、やはりこの資料でも悪い中にも良いことがあるといった意味でのことわざとして使われているだけでした。

 残念ながらいずれもご質問にある「おにえくぼ」の言い伝えとは関連がないようです。

 以下、参考になりそうな資料を紹介いたします。

・『なぜ夜に爪を切ってはいけないのか:日本の迷信に隠された知恵(角川SSC新書009)』(北山哲/著 角川SSコミュニケーションズ 2007.10)
p.122-123「丙午生まれの女房は亭主を食い殺す」
p.124-125「五黄の寅の女は気が強い」
・『吉を招く「言い伝え」:縁起と俗信の謎学(プレイブックスインテリジェンス)』(岩井宏實/著 青春出版社 2005.1)
p.128「丙午生まれの女を嫁にもらうな」

 「おにえくぼ」も上記のような言い伝えの、地域的なものかと推測します。

 また、『人相の見方:運勢判断(文研リビングガイド )』(北村謙寿郎/著 文研出版 1974.3)
p.78-79「男女宮」という「眼の下の骨のないところ」は「夫婦については、それぞれの相手の縁がよいかどうかを判断する場所」とのこと。「女性で男女宮のふくらみがない人は、男性運が悪いとき」など記載があります。

 人相学的な意味合いの可能性もあるかと調べてみました。
回答プロセス
(Answering process)
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
伝説.民話[昔話]  (388 8版)
参考資料
(Reference materials)
『故事・俗信ことわざ大辞典』(尚学図書/編集 小学館 1982.4)(ページ:229,387)
『日本書誌学大系 59 俚諺大成』(青裳堂書店 1989)(ページ:120)
『ことわざ研究資料集成 第19巻 江戸期補遺 1 [復刻]』(ことわざ研究会/編集 大空社 1994.11)
『名古屋叢書三編 第8巻』(名古屋市蓬左文庫/編 名古屋市教育委員会 1982.3)(ページ:447)
『東洋女訓叢書 4』(女子之友記者編纂 東洋社 1901.6)
『なぜ夜に爪を切ってはいけないのか:日本の迷信に隠された知恵(角川SSC新書009)』(北山哲/著 角川SSコミュニケーションズ 2007.10)(ページ:122-125)
『吉を招く「言い伝え」:縁起と俗信の謎学(プレイブックスインテリジェンス)』(岩井宏實/著 青春出版社 2005.1) (ページ:128)
『人相の見方:運勢判断(文研リビングガイド )』(北村謙寿郎/著 文研出版 1974.3)(ページ:78-79)
国際日本文化研究センター怪異・妖怪伝承データベース(2012/7/31現在) (ホームページ: http://www.nichibun.ac.jp/youkaidb/search.html )
キーワード
(Keywords)
民話
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
事実調査
内容種別
(Type of subject)
その他,未解決
質問者区分
(Category of questioner)
登録番号
(Registration number)
1000127500解決/未解決
(Resolved / Unresolved)