レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2013/01/12
- 登録日時
- 2013/01/26 02:01
- 更新日時
- 2013/01/26 02:01
- 管理番号
- 相-120014
- 質問
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解決
チェーホフの「教育」という芝居を観たのだが、原作の戯曲か元になった小説を探して
いる。内容としては父が息子を一人前にしようと娼婦のところに連れて行こうとするというものだった。
- 回答
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おさがしの戯曲は、『ニ-ル・サイモン戯曲集2』早川書房 1984年<932S/122/2>(12748976)に収録されている「名医先生」(The Good Doctor)の第二幕第四場「教育」だと思われます。
『ニ-ル・サイモン戯曲集 2』の巻末の「ニール・サイモンとその作品(2)」には「名医先生」について
“まず歌と踊りの一幕に、二幕十場の小品集という構成である。
(中略)作家でもあり医者でもあったチェーホフに強い親近感をもっていて(中略)手当たり次第に彼の短編を読み、概ねチェーホフを土台に十本の小品を書いた。(中略)各作品単独に上演できる点でもプロ、アマいずれの劇団にも魅力ある作品である”と記載されています。
- 回答プロセス
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(1)「チェーホフ、教育」等のキーワードで検索するが当館OPACではヒットせず。
(2)当館所蔵の『チェ-ホフ全集1~12』筑摩書房 1987~88の巻末にある収録作品一覧にも、『チェ-ホフ全集1~16』中央公論社 1960~61の収録作品の索引にも「教育」というタイトルのものはない。「教師」など、似たタイトルのものはあったが、あらすじが違った。
(3)Googleで、「チェーホフ 教育 舞台 娼婦 父 子」とキーワードを入れて(息子か子か表記がぶれていると予測したため、子とした)検索したところ、
演出家守輪咲良の「さくらの便り」 咲良舎ランチシアター 「チェホンテ・ア・ラ・カルト3」 上演のお知らせ http://sakurasha.blog75.fc2.com/blog-entry-186.html
がヒット。“「教育」 息子を一人前の男にするために、売春宿に連れていく父親”とあった。が、その下に“以上、チェーホフを意図した戯曲集「名医先生」より 作:ニール・サイモン”との記載があった。
(4)「名医先生」で当館OPACを検索したところ、『ニ-ル・サイモン戯曲集 2』早川書房 1984年<932S/122/2>(12748976)がヒット。確認してみると「名医先生」の第二幕第四場が「教育」という名称であり、内容的にも探している芝居のあらすじと一致した。巻末「ニール・サイモンとその作品(2)」には「名医先生」について“まず歌と踊りの一幕に、二幕十場の小品集という構成である。(中略)作家でもあり医者でもあったチェーホフに強い親近感をもっていて(中略)手当たり次第に彼の短編を読み、概ねチェーホフを土台に十本の小品を書いた。(中略)各作品単独に上演できる点でもプロ、アマいずれの劇団にも魅力ある作品である”と記載されていた。
(5)また、『書いては書き直し ニ-ル・サイモン自伝』早川書房 1997<932.7GG/3>(21093620) p.398には
“おりしも、チェーホフが若い医学生だったころに書いた短編集を読んでいた。(中略)短編はどれも短くぴりっとオチが利いていた。内容も辛口のおかしな話からめちゃくちゃに笑える話まで幅広く、1972年の夏に読んでも、今の話として通じることに驚いた。これを習作のようなつもりで劇化したら面白いかもしれないと思った。”と記載があった。しかし個々の戯曲と原作の対照表になるような具体的な作品名の記述はなかった。
(6)『現代演劇no.6』英潮社新社 1983 <772.3T/40/6> ( 13004833 ) ではニール・サイモンの特集が組まれており、この作品(ここでは「名医」と訳されている)の解説がp39-42に掲載されている。“それぞれのエピソードはチェーホフの短編小説を踏まえたもの”という記述はあるが、具体的な作品名の記述はなかった。
- 事前調査事項
- NDC
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- 戯曲 (932 9版)
- 戯曲 (982)
- 小説.物語 (983)
- 参考資料
- キーワード
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- チェーホフ
- 戯曲
- 小説
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000127450