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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000127400
提供館
(Library)
埼玉県立久喜図書館 (2110009)管理番号
(Control number)
埼熊-2012-227
事例作成日
(Creation date)
2012年11月15日登録日時
(Registration date)
2013年01月25日 14時16分更新日時
(Last update)
2013年03月21日 13時26分
質問
(Question)
林子平「三国通覧図説」の付図「琉球三省并三十六島の図」(『「尖閣」列島 釣魚諸島の史的解明』(井上清著 現代評論社 1972)の巻末より)について、林子平が何を元にしてこれを描いたのか知りたい。
回答
(Answer)
林子平が参考にしたとされる資料については、「日本遠近外国之全図」、「朝鮮図(朝鮮全図)」、「中山伝信録」などであるとの記述が見つかった。
関連の記述のあった、以下の資料を紹介した。

『寛政三奇人伝 林子平・高山彦九郎・蒲生君平』(安藤英男著 大和書房 1976)
 p34「子平は(中略)長崎の外科医・林家を訪ねて、その秘蔵する「朝鮮図」を写し取った。これが後に『三国通覧図説』の付録・朝鮮地図の原図になった。」
 p37-38「この第三回の長崎遊学では、すでに『海国兵談』の著述に入っていた子平にとって、さらに資料を追加し、考証を固めようとする意味があったろう。(中略)子平は次の三つの重要な資料を入手している。 一、御諚書(おてがき)百箇条 二、九州全図 三、日本遠近外国之全図 右の一と二は、長崎奉行で写しとった。(中略)三は、できあがった図面に子平が添書して、「天明二年秋、長崎において新たに作る」とあるので、諸図を綜合して作成したものであろう。この図面は後に、『三国通覧図説』の一部、「与地路程全図」(朝鮮、琉球、蝦夷)の原本となったものである。」

『洋学の書誌的研究』(松田清著 臨川書店 1998)
 「林子平『海国兵談』自筆稿本をめぐる一、二の仮説」所収。
 p69藤塚知明の「利瑪竇撰 輿地図説」の鮎澤信太郎文庫の昭和写本に、「子平此書[坤輿万国全図]ヲ長崎ニ得テ之ヲ知明にニ示シ知明謄写シテ名山蔵文庫ニ備付シタルモノナリ」とあるとあり。
 p70知明が子平に依頼した入手希望リストの覚えとされるなかに「朝鮮図(写真では朝鮮全図)」があり、「のちに『三国通覧図説』に利用されたものであろう」と記述あり。

『林子平 その人と思想』(平重道著 宝文堂出版販売 1977)
 p146 『三国通覧図説』の琉球図の根拠は、「「中山伝信録アリ是ヲ証ト」し」とあり。

『林子平全集 2 皇学蔵 2』(林子平著 学蔵会編 1944)
 p225-711「三国通覧図説」収録あり。
 p230 地図について書かれた部分に、「琉球ハ元ヨリ中山傳信録アリ是ヲ證トス」とあり。

『尖閣諸島・琉球・中国 日中国際関係史』(浦野起央著 三和書籍 2002)
 p71『三国通覧図説』(1785)の「琉球三省并三十六島図」について、「これは、徐葆光『中山傳信録』に従うところで」とあり。

『琉球国使節渡来の研究』(横山学著 吉川弘文館 1987)
 p204「『中山伝信録』所収の地図(「琉球三十六島図」「琉球国図」)は、『三国通覧図説』附巻の「琉球三省并三十六島図」、(中略)に転用されている。(中略)『中山伝信録』中の「琉球三十六島図」は、その本文にしたがえば程順則の『指南広義』所収の地図「琉球三十六島図」を参考にしたということである。」
 p205「図3 図版の転用」があり、地図がどのように転用されたか示されている。

『大日本思想全集 13 渡辺崋山集 高野長英集 林子平集』(上村勝弥編 大日本思想全集刊行会 1932)
 「海国兵談」と「三国通覧図説」を収録しているが、地図はなし。巻頭「著者小伝」に林子平は「幼少の時から好んで地図を見た。」とあり。
回答プロセス
(Answering process)
「指南広義」について調査
《Googleブックス》を〈三国通覧図説 & 琉球図〉で検索した結果より
 『琉球国使節渡来の研究』(横山学著 吉川弘文館 1987)p204「『中山伝信録』所収の地図(「琉球三十六島図」「琉球国図」)は、『三国通覧図説』附巻の「琉球三省并三十六島図」、(中略)に転用されている。(中略)『中山伝信録』中の「琉球三十六島図」は、その本文にしたがえば程順則の「指南広義」所収の地図「琉球三十六島図」を参考にしたということである。」とあり。

《国立国会図書館サーチ》を〈指南広義〉で検索した結果より
『琉球國志略 冊封使琉球録集成 7』(周煌著 原田禹雄訳注 榕樹書林 2003)
 p29「(指南広義についての注)1巻。琉球の程順則の撰。康煕47年(1708)自序。那覇港と福建の往還の航路に関する指南書。徐葆光は『中山伝信録』巻1の風信・風暴日期で、この「指南広義」を引用したため、中日の人々にも広くこの書名が知られるようになった。」とあり。

『南島風土記 沖繩・奄美大島地名辞典』(東恩納寛惇著 沖縄郷土文化研究会南島文化資料研究室 1974)
 p69-70 指南廣義圖についての解説。「程順則の原圖は、その著指南廣義の巻頭に出ているが、これと傳信録圖とを対照すると、果して大差ない。(中略)けれどもこれ等はいづれも各島の位置及び山形水勢を圖示に止まつて、地圖と云ふよりも、むしろ航路圖である」とあり。

『琉球国志略』(周煌著 平田嗣全訳 三一書房 1977)
 p17(採用書目の中に)「指南広義」の書名あり。解説等なし。

『海国兵談』について記述のあったのもの
太田弘毅著「「海国兵談」が「武備志」より受けし影響について 」(『歴史教育16(3)』p75-82 日本書院 1968.3)
 「海国兵談の素材となった洋学系知識としては、蘭館長や和蘭通詞吉雄幸作の談話、『ゼオガラヒー』『ゲレイキスブック』等の洋書、および『和蘭地図略説(本木良永訳)、『和蘭航海略記』(松村元綱訳)、『與地国名訳』等の訳書、その他漢訳書が知られているが、なおこれらと並んで大槻玄沢・桂川甫周らの蘭学社中の影響も無視することができない。」とあり。
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
日本史  (210 9版)
国防史.事情.軍事史.事情  (392 9版)
日本  (291 9版)
参考資料
(Reference materials)
『寛政三奇人伝 林子平・高山彦九郎・蒲生君平』(安藤英男著 大和書房 1976)
『洋学の書誌的研究』(松田清著 臨川書店 1998)
『林子平 その人と思想』(平重道著 宝文堂出版販売 1977)
『林子平全集 2 皇学蔵 2』(林子平著 学蔵会編 1944)
『尖閣諸島・琉球・中国 日中国際関係史』(浦野起央著 三和書籍 2002)
『琉球国使節渡来の研究』(横山学著 吉川弘文館 1987)
『大日本思想全集 13 渡辺崋山集 高野長英集 林子平集』(上村勝弥編 大日本思想全集刊行会 1932)
キーワード
(Keywords)
林 子平(ハヤシ シヘイ)
図書-歴史
日本-国防-歴史-史料
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
事実調査
内容種別
(Type of subject)
質問者区分
(Category of questioner)
個人
登録番号
(Registration number)
1000127400解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決
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