レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010/09/24
- 登録日時
- 2012/12/29 02:00
- 更新日時
- 2016/01/04 16:53
- 提供館
- 宮城県図書館 (2110032)
- 管理番号
- MYG-REF-100339
- 質問
-
解決
宮城県の方言で親が子どもを叱る際、「たからものが!」という言葉があるらしいのですが,どのような意味か。
- 回答
-
1「たからもの」について
下記資料に記載があります。なお,【】内は当館請求記号です。
資料1 浅野建二『仙台方言辞典』東京堂出版, 1985【K880/ア1】
p.210「タガラモノ」の項
宝者。無能の者。小ばか者。愚人、無能者を嘲る言葉。宮城のほか、青森県南、岩手九戸郡、山形、秋田鹿角郡などでも同じ方言が使われるとあります。
以下引用します。
「宝者。(略)宝物ハ多ク実用ニ適セザルカ、又ハ之ヲ珍蔵スルノミニテ使用スルコト無ク、所謂宝ノ持チ腐レ多ク、見方ニヨリテハ無用ノ長物ナレバ、其ノ意味ニテ、形式上ハ其ノ人ノ人格ヲ尊重シタル皮肉ナル罵言ナリ」
資料2. 栗和田 和夫『角田市を中心とする宮城県南地方の方言』, 1971【K880/ク1】
p.358「たがらもの」の項
「宝者。低脳者。厄介者。馬鹿者。主に「馬鹿者」という意味で、夫が妻を罵り、又は叱りつけ、大人が子どもに対して叱ったりとよく使われる言葉」とあります。
資料3.宮城県史編纂委員会編『宮城県史20 民俗2』宮城県史刊行会, 1987【K201/ミ1-2/20】
p.221「たからもの」の項
「宝物だが反対を意味し、無能・馬鹿・道楽者・怠け者等を言う」とあります。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 方言.訛語 (818 9版)
- 参考資料
- キーワード
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- 方言
- 宮城
- たからもの
- 宝者
- 照会先
- 寄与者
- 備考
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*2015.12.18 神戸市外国語大学学術情報センター様より、下記のコメントをいただきました。
真田信治・友定賢治編『県別罵詈雑言辞典』, 2011【818/11X】
p.22に、「「たがらもの」(宝物)は「のーたりん」に意味が近いが、「邪魔で負担になる人」の意が入る。」との記載がございました。
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000117661