レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 20120701
- 登録日時
- 2012/11/25 02:01
- 更新日時
- 2012/12/27 19:48
- 管理番号
- 30001232
- 質問
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解決
山口誓子の句 「海鳩の群れて栴檀 実生(な)るころ」の「海鳩」とはアオバトではないか?と調べています。
この句が山口誓子の第五句集『激浪』に載っていること、誓子が昭和16年伊勢の四日市の富田海岸に移り住んだときに詠まれたものということは分かったのですが、当時のこの地の自然環境がどのような状態であったかを当時の地図から調べたい。またこのほかにも誓子が海鳩を詠んだ句があれば、すべてを読んで海鳩という鳩の生態を推察したい。句解などがあればそれを読んでみたい。
- 回答
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昭和16年に近い年代の地図は、四日市東部の明治23年測量・昭和12年修正の2万5千分の1地形図(国土地理発行)がありました。地形図以外に、昭和16年頃の地図はありませんでした。加えて、四日市市の鳥類の分布状況を調べましたが、海鳩やアオバトに関する記述は見つかりませんでした。『激浪』や『激浪』を収めた全集の解説に、ご連絡いただいた句の句解は載っていませんでした。また、『激浪』の他の句の中に、「海鳩」という言葉が出てくる句はありませんでした。『山口誓子全集 第10巻』に、1巻から4巻までの句集の初句索引がありますが、他に「海鳩」で始まる句はありませんでした。また、海鳩が方言である可能性を考えて方言辞典を確認しましたが、記載はありませんでした。『日本の鳥550 水辺の鳥 増補改訂版』p.331によると、ウミバトが北海道で見られる時期は12月から3月となっており、ご連絡いただいた句を山口誓子が詠んだ時に、三重県でウミバトを見た可能性は小さそうですが、その鳥が「アオバト」であると特定することもできませんでした。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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- 山口誓子全集 第10巻 山口 誓子/著 明治書院 1977
- 日本の鳥550 水辺の鳥 桐原 政志/解説 文一総合出版 2009.5
- 季題別山口誓子全句集 山口 誓子/著 本阿弥書店 1998.12
- 日本語方言辞書 上巻 昭和・平成の生活語 藤原 与一/著 東京堂出版 1996.7
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000114822