レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012年05月16日
- 登録日時
- 2012/07/04 02:00
- 更新日時
- 2012/07/04 14:03
- 管理番号
- TEY2012001
- 質問
-
解決
100年前と現代における、イギリスのパブリックスクール教師・家庭教師・メイドの給料について知りたい。
- 回答
-
【教師】
①『イギリス歴史統計』(B・R・ミッチェル編;中村壽男訳/原書房/1995)
※P153「労働力23」「名目年間賃金表」内に1710年-1911年の教員の給与(単位:£)
②①の資料元「The Structure of Pay in Britain, 1710-1911」JEFFREY G. WILLIAMSON
『Research in economic history : a research annual v.7』(Paul Uselding ed./JAI Press/ c1982) P1-54(単位:£)
③『図表でみる教育 : OECD教育インディケータ』2011年版(OECD教育研究革新センター編集/ぎょうせい/2011)
※P452 国公立の前期中等教育機関における教員の年間法定給与(2009年)(初任給、勤続10年の給与、勤続15年の給与、最高給与)(単位:米$)
【家庭教師(ガヴァネス)】
④「ガヴァネス:その終焉への道」宮崎昭威『英語英米文学』(30/P55-74/1990)
※19世紀のガヴァネス給与の例あり(単位:£)
⑤「ヴィクトリア期におけるガヴァネスと女性労働問題 : The English Woman's Journal から見た
19世紀イングランドの女性問題 Governess and Woman's Work in Victorian Values」舩木 惠子
『武蔵大学総合研究所紀要』(18/P171-193/2008)(単位:£)
【家事使用人】
⑥『遥かなる道のり : イギリスの女たち1830-1910』(北条文緒, クレア・ヒューズ, 川本静子編/国書刊行会/1989)
※P86に1861年の家事使用人の種類及び賃金記述あり(単位:£)
- 回答プロセス
-
(1)教師の給与について知るために、まずはイギリスの統計資料を自館OPAC検索。
キーワード:イギリス△統計→8件ヒットした中で、①『イギリス歴史統計』に100年前の教員の給与についての
記載を発見。
①の資料元である②も所蔵していたので併せて提示。
(2)現代の教師の給与について、教育面からの統計資料を検索。
キーワード:教育△統計で検索をすると、136件がヒット。
実際に参考図書コーナーの370.59をブラウジングしたところ、③『図表でみる教育 : OECD教育インディケータ』に記載を発見。
(3)教員については、(1)(2)で資料を得たので、家庭教師およびメイドについて検索。
質問者がヴィクトリア期の文学を読む講義を受講していることから、ヴィクトリア期の婦人労働について自館OPACを検索。
キーワード:ヴィクトリア△婦人労働、ヴィクトリア△婦人→ヒットはするが、記述が見当たらず。
検索キーワードを婦人△歴史△イギリスに変更→85件がヒット。
このうち、9類でブラウジングしたところ、⑥『遥かなる道のり : イギリスの女たち1830-1910』内に
家事使用人の賃金についての記載を発見。
(4)検索を続けるなかで知り得た「ガヴァネス」というキーワードを使ってCiNiiで検索→26件がヒット。
オンラインで本文が読めるもの、自館に冊子を所蔵しているものを中心に探したところ、2件にガヴァネスの
給与についての記載を発見。(④⑤)
現代の家庭教師およびメイドについての資料は見つけられなかったものの、
以上6点を質問者に提示してレファレンス終了。
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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『イギリス歴史統計』(B・R・ミッチェル編;中村壽男訳/原書房/1995.12)
大学1F R353.3||Mi59 -
「The Structure of Pay in Britain, 1710-1911」(JEFFREY G. WILLIAMSON) 『Research in economic history : a research annual v.7』(editors, Paul Uselding/JAI Press/ c1982)
大学B1F 332||R28||v.7 -
『図表でみる教育 : OECD教育インディケータ』2011年版(OECD教育研究革新センター編集/ぎょうせい/2011)
大学1F R370.59||O71||'11 -
『遥かなる道のり : イギリスの女たち1830-1910』(北条文緒, クレア・ヒューズ, 川本静子編/国書刊行会/1989)
大学B2F 930.27||H81.5 -
「ガヴァネス:その終焉への道」宮崎昭威『英語英米文学』(30/1990/中央大学英米文学学会)
大学B2F キヨウ -
「ヴィクトリア期におけるガヴァネスと女性労働問題 : The English Woman's Journal から見た19世紀イングランドの女性問題
Governess and Woman's Work in Victorian Values」舩木 惠子『武蔵大学総合研究所紀要』(18/171-193/2008)
大学B2F キヨウ
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『イギリス歴史統計』(B・R・ミッチェル編;中村壽男訳/原書房/1995.12)
- キーワード
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- イギリス 統計
- 教育 統計
- ヴィクトリア 婦人労働
- ヴィクトリア 婦人
- 婦人 歴史 イギリス
- ガヴァネス
- 照会先
- 寄与者
- 備考
-
他館様より、以下の情報を頂きましたので、追加情報として掲載させて頂きます。(当館所蔵なし。)
●『図説英国メイドの日常』(村上リコ著/河出書房新社/2011.4)
イラストや写真でイギリスの家事使用人について記された本。
p88に「1890年代商務省による女性使用人の賃金調査」が掲載されていて、メイド、コック、ハウスキーパーなどの賃金(年額、単位は£)が一覧できる。
また、p89には、「1872年ペットワース・ハウス 屋内使用人の賃金」が掲載。
●『英国メイドマーガレットの回想』(マーガレット・パウエル著;村上リコ訳/河出書房新社/2011.12)
この本は、著者が最初にキッチン・メイドとなった時の賃金や待遇(p48)、ロンドンでキッチンメイドとして
働いた時の賃金(p90)、初めてコックとして職を得た際の待遇(p142)が記載。
※年代の表記は著者の年齢から推測する必要あり。
●『ヴィクトリアン・サーヴァント : 階下の世界』(パメラ・ホーン著;子安雅博訳/英宝社/2005.5)
p309からの「付記」に「A家事使用人の賃金率」が掲載。
●『諸外国の教員給与に関する調査研究報告書』(諸外国教員給与研究会/2007.3)
平成18年度に調査したイギリスを含む公立の初等・中等学校の教員の任用・職務・給与などが記載。 Webで閲覧可。
ただ、『図表でみる教育 : OECD教育インディケータ』同様、公立の学校が対象であるため
質問の“パブリックスクール”は私立学校である以上、待遇が異なっている可能性あり。
●サッカー、ラグビーなど、ヴィクトリア時代のパブリックスクールで発祥したとされるスポーツが多いので、
スポーツ史関係の資料を見たところ、1864年に英国政府がはじめてパブリックスクールを公式調査して
結果をまとめた通称「クラレンドン報告書」(正式名称「Report of Her Majesty's Commissioners appointed to inquire into the revenues and management of certain colleges and schools and
the studies pursued and instruction given therein with an appendix and evidence」)第4巻(evidence,part2)の索引に、「Salalies. (see Emolument.)」とあり、参照先に「Emoluments,fees,and stipends of Fellows ,Masters &c.」が指定。
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000108137