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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000105907
提供館
(Library)
埼玉県立久喜図書館 (2110009)管理番号
(Control number)
埼熊-2012-001
事例作成日
(Creation date)
2011年11月18日登録日時
(Registration date)
2012年05月16日 09時22分更新日時
(Last update)
2012年07月25日 13時38分
質問
(Question)
①連合国軍占領下の日本で出版された本は検閲が行われていたが、実際この期間に出版された本に検閲印が押されていたのか。
②この時期に出版された本の奥付に、「Occupied Japan」という文字が含まれたか知りたい。
回答
(Answer)
①連合国軍占領下の日本で出版された本へ検閲が行われていたことと、その方法の記述のある資料があり、以下を紹介した。
検閲には、事前検閲と事後検閲があり、事前検閲では、出版予定の図書を2部提出し、問題なければCP印(Censor Pass Stamp)が押され1部が返却され、出版が許可されたようである。

『メリーランド大学所蔵プランゲ文庫展記念図録』(ニチマイ編 ニチマイ 2000)
p8に「事前検閲では、発行人は出版物の本文、表紙、目次、挿し絵、広告などを含む完全なゲラを二部、CCD(民間検閲局)あてに提出(持参、郵送)し、検閲官の審査を受けた。そこで問題なければCP印(Censor Pass Stamp)が押されて一部が返却され発行が許可される。」とあり。

『戦中戦後の出版と桜井書店 作家からの手紙・企業整備・GHQ検閲』(山口邦子著 慧文社 2007)
p9「はじめに」に「出版物は事前に連合国最高司令官総司令部(GHQ/SCAP)に提出して検閲を受け、問題とされた箇所は削除するなり、文章、文字を別の物に置き換えることなどをした。その上で出版許可のスタンプを得た物のみが出版出来ることになった。」とあり。

『現代ジャーナリズム』(山本明著 雄渾社 1967)
p38-39アメリカ占領軍の検閲についての項に、以下の記述あり。
 「ゲラ刷り原稿が検閲され、占領政策上好ましくない「不穏」な文字や主張は削除されたが、伏字の使用は一切みとめられなかった。つまり公刊されたものには占領軍の検閲など存在していないかのようにしておかねばならなかった」「アメリカ式検閲では、情報が検閲などなかったものとして読者の目にうつる」

中島健蔵著「GHQの検閲制秘聞」(『改造 34(5)』p106-109 改造社 1953)
p107「出版物に対する検閲も行われていながら、その事実については沈黙を要求されていた。一ばん奇妙な要求は、伏字をはっきりと〇や☓や(中略)であらわしてはいかん、ぬかしたところは、前後をうまくつづけて、ぬかしたことがわからないようにしろという指令であった。」

松浦 総三著「占領下の言論抑圧 27年目の証言-メリーランド大学にあるGHQ検閲の墓場から」(『総合ジャ-ナリズム研究  9(3)』p133-142 東京社 1972)
p134「ゲラ刷り原稿が検閲され、占領政策上好ましくない「不穏」な文字や主張は削除されたが、伏字の使用は一切みとめられなかった。つまり公刊されたものには占領軍の検閲など存在していないかのようにしておかねばならなかった」(山本明『現代ジャーナリズム』)とあり。

②『戦中戦後の出版と桜井書店 作家からの手紙・企業整備・GHQ検閲』
p114「桜井書店の「検閲提出簿」」より、「検閲提出簿1946」というノートにある資料(検閲の対象となったもの)から検閲の対象となったことがわかった図書の現物を確認したが、奥付等に「Occupied Japan」の文字は含まれず。

また、『メリーランド大学所蔵プランゲ文庫展記念図録』にある雑誌を確認したが、「Occupied Japan」という文字は含まれず。

『価値の進化』(ブーグレ著 平山高次訳 桜井書店 1946)
 奥付に訳者の検印があるのみ。「Occupied Japan」の文字なし。装丁は後で変えた(修理製本等)可能性あり。
『ゲーテ』(ゲオルグ・ジンメル著 木村謹治訳 桜井書店 1946)
 奥付に訳者の検印があるのみ。「Occupied Japan」の文字なし。表紙に「CP印」なし。
『ソクラテス』(アルフレッド・エドワード・テーラー著 林竹二訳  桜井書店 1946)
 奥付に訳者の検印があるのみ。「Occupied Japan」の文字なし。表紙に「CP印」なし。
『人間主義と浪漫主義』(コルフ著 久保助三郎訳 桜井書店 1946)
 奥付に訳者の検印があるのみ。「Occupied Japan」の文字なし。装丁は後で変えた(修理製本等)可能性あり。

メリーランド大学にある検閲済資料
『文藝春秋1946年10月号』を確認するが、「Occupied Japan」の文字なし。
『歴史評論 第2巻3号(1947年5月号)』当館所蔵は複製。ただし、表紙にCP印のないこと、奥付に「Occupied Japan」の文字のないことは確認できる。
回答プロセス
(Answering process)
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
出版  (023 9版)
参考資料
(Reference materials)
『メリーランド大学所蔵プランゲ文庫展記念図録』(ニチマイ編 ニチマイ 2000)
『戦中戦後の出版と桜井書店 作家からの手紙・企業整備・GHQ検閲』(山口邦子著 慧文社 2007)
『現代ジャーナリズム』(山本明著 雄渾社 1967)
『改造 34(5)』(改造社 1953)
『総合ジャ-ナリズム研究 9(3)』(東京社 1972)
キーワード
(Keywords)
検閲-日本-歴史-昭和前期
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
事実調査
内容種別
(Type of subject)
質問者区分
(Category of questioner)
図書館
登録番号
(Registration number)
1000105907解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決
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