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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000103336
提供館
(Library)
埼玉県立久喜図書館 (2110009)管理番号
(Control number)
埼熊-2011-159
事例作成日
(Creation date)
2011年10月22日登録日時
(Registration date)
2012年03月08日 13時39分更新日時
(Last update)
2012年06月03日 16時28分
質問
(Question)
秩父地域に伝わる「オオサキ伝説」について書かれた資料を見たい。
(1)取り憑かれた人は、どのような状態になるのか。
(2)除霊された時の様子。
(3)地域にどのように伝わってきたか。
(4)地名とのつながり(〇〇オオサキ)。
回答
(Answer)
質問(1)(2)(3)について記述のある資料は複数見つかったが、(4)オオサキと地名との関連について記述のある資料は見つからなかった。
以下の、関連の記述のあった資料と、参考資料を紹介した。

(1)(2)(3)の3つについて記述のあった資料
『武州秩父郡大田村史要』(伊古田槌恵編 1961)
p89-94「日本狼とつきもの」に、「大田の迷信の中に「オーサキたかり」というのがある。これは大田のみでなく大体秩父郡内には残っているようである。(略)例えばオーサキがつくと意識が不明になる。生きた兎など無精に喰いたくなったとか、油揚げが食べたいとかという。主人が「オーサキの野郎出て行け、出ないとひでーェめにあわせるぞ」とナタを振り上げておどしたり犬を見せたりすると病気がケロリとなおったなど-又逆に薬餌も効なく他界すると横腹を喰い破って出るとか言います。」とあり。

福島保夫著「オオサキ考-玉藻伝説との関連において」(『埼玉大学紀要 人文科学篇 26』p49-61 埼玉大学 1977)
p53に堀口万吉氏の同人誌『ちちぶ 3号』(1960.12)からの引用によるオサキが取り憑き、オサキが身体からぬけ出た口承の掲載あり。この論文には、江戸期の文献、柳田国男集、動物学等によるオサキ、オオサキについての多面的な分析あり。

飯塚槌良著「オーサキもちの話」(『秩父民俗 第6号』p21-22 秩父民俗研究会 1971.4)
p22「オーサキが体からはなれるときは、病人が、急にキャーと異様な叫びを出し、台所迄歩いて行ってバターンと倒れる、そうすると、もうオーサキが体からぬけ出て、嘘のように病気が治り、「あーよかった」と家中で神に御礼の供えものをしてお祝いするのである。」

清水古寿著「オコジョと憑依動物オオサキについて」(『こぶし 秩父の自然 6号』p30-32 秩父自然科学博物館 1974.5) 
1956年にオコジョを館に展示したところ、オオサキを見たいと人気をよんだことを紹介し、オコジョの生態と民間伝承を紹介したもの。

(1)(2)(3)のいずれかについて記述のあった資料
『埼玉県伝説集成 分類と解説 中 歴史編』(韮塚一三郎編著 北辰図書出版 1973)
p71-86 主に(1)と(3)についての記述あり。出典資料の紹介あり。

『秩父郡両神村の生活と伝承 埼玉県秩父郡両神村薄川流域 武蔵大学日本民俗史演習調査報告書 14』(武蔵大学人文学部日本民俗史演習編 武蔵大学人文学部日本民俗史演習 1991)
p102 (1)と(3) についての記述あり。
 ※出典は、清水古寿著「秩父地方におけるオコジョとオオサキ俗信」(『歴史手帖 13(3)』p41-47 名著出版編 名著出版 1985.3)

『東秩父大内沢の民俗』(二松学舎大学附属高等学校社会科研究部編 二松学舎大学附属高等学校社会科研究部 1969)
p39(1)と(3)について次の記述あり。
「近場にオオサキという正体不明のモノがおり、人間の身体に入ると発熱したりうわごとをいったりするといい、特に子供や弱い人につきやすいという。これを防ぐには辛いものや臭のあるものを食するとよいという。」

『日本民俗学辞典』(梧桐書院 1933)
(1)(3)について記述あり。
p3132-313〈オサキギツネ〉の項あり。

関根邦之助著「秩父の迷信オオサキについて」(『秩父民俗 第2号』p29-33 秩父民俗研究会 1968.9)
(1)(3)について記述あり。
オオサキの名称の由来、起源、憑きもの落としについての記述あり。

小池信一著「埼玉の憑き物「オーサキ」」(『埼玉県史研究 第12号』p54-66 埼玉県 1983.11)
(2)(3) について記述あり。
p57に「オーサキを送り出すには祈祷師を頼み、好きな寿司などを作って三方の辻に送りだす。途中で病人が倒れるとその時離れたという。」
回答プロセス
(Answering process)
(1)(2)(3)について、他に記述のある資料は、以下のとおり。
『埼玉県伝説集成 分類と解説 別巻』(韮塚一三郎編著 北辰図書出版 1977)
p82(3)について記述あり。

『昔がたり りょうかみ双書 4』(両神村教育委員会社会教育係編 両神村 1991)
p78-「延命寺のオオサキ」の章あり。
p89-「キツネったかりとオオサキったかり」の章あり。

小池信一著「オーサキ狐と古文書」(『埼玉民俗 第2号 埼玉民俗の会 1972)
p85「オーサキ狐は、本県秩父地方を中心に群馬県を始めとする隣接県にわたって残っている狐つき俗信の狐である。秩父地方ではこの狐を一般にオーサキというが、県内寄居地方ではオサキ、熊谷地方ではオーサキドウカという。」とあり、江戸期の「おふさき」俗信追放の文書を取り上げている。

小池信一著「近世史料にみる憑き物「オーサキ狐」の諸相」(『文書館紀要 第3号』p19-37 埼玉県立文書館編 埼玉県立文書館 1989.3)
記述の中心は後半の近世史料に見られるオーサキに関する俗信だが、前半に伝承の概要を短文で記述し、主なオーサキ研究をp35-37の注とともに紹介している。

『秩父案内記』(野原剛堂著 [埼玉県立浦和図書館(製作)][1995])
p92に「おゝさき」に関する俗信が簡単に紹介されている。

『江戸叢書 6』(名著刊行会 1964)
p114-121「秩父郡の三害お崎狐なまだこ」の章あり。

『年刊民俗採訪 1』(国学院大学民俗学研究会編 臨川書店 1974)
昭和27年度のp38「俗信」に「オホサキマケ」「オーサキ」の言い伝えが紹介されている。

『日本の俗信 2 俗信と迷信』(迷信調査協議会編 洞史社 1980)
p216-218「妖怪資料(その二)」
〈ヲサキ〉に、「埼玉、栃木、茨城各県下、長野県千曲川右岸」あり。
「ヲサキキツネ 群馬県甘楽郡 秩父地方」「ヲサキモチ 群馬・埼玉各県」の記述あり。

(4)について調査
オオサキとはつかないが、オオサキに関連した「泣き別れ」という地名についての記述あり。
『武州下浅見誌』(中英夫著書刊行会 1985)
p237「泣き別れ」に「前屋敷の田端にある場所」とあり。

『埼玉県地名誌 名義の研究』(韮塚一三郎著 北辰図書 1969)
p15〈やぎさき〉の項に、「サキには山や岡の突き出したところの意がある。見沼の谷にはこのほか大崎の名もある。」とあり。
p423「尾崎(おさき) 葛浜郷太田庄羽生領」あり。
p451〈おがさき〉の項に、「尾は丘、サキは(中略)先端の義である」 参考尾崎(羽生市)

その他、調査済み資料は以下のとおり。 ※記述のなかったもの。
『秩父の伝説』(秩父の伝説編集委員会編 秩父市教育委員会 2007)
『秩父の昔ばなし』(山田えいじ絵 坂本時次文 木蘭舎 1997)
『秩父の民話と伝説集』(矢尾百貨店 1998)
『埼玉の伝説』(早船ちよ 諸田森二著 角川書店 1977)
『逆引き広辞苑』(岩波書店辞典編集部編 岩波書店 1992)
『埼玉県の地名』(平凡社 1993)
『角川日本地名大辞典 11 埼玉県』(「角川日本地名大辞典」編纂委員会編 角川書店 1980)
『埼玉県地名由来事典』(小林茂多編 小林茂多 1999)
『狐の日本史 近世・近代篇」(中村禎里著 日本エディタースクール出版部 2003)
『埼玉苗字辞典 1』(茂木和平 2004)
『東秩父村の歴史』(東秩父村 2005)
『秩父市誌』(秩父市 1962)
『埼玉県秩父郡誌』(千秋社 1995(秩父郡教育会 1925刊の復刻))
『秩父郡の全名字』(千秋社 1995)

関根邦之助「秩父地方の医療に関する迷信と風習」(『秩父民俗 創刊号』p18-21 秩父民俗研究会 1968.5)
野口泰助「「おおさき狐」について 図書館での文献調査」(『秩父民俗 第3号』p43-44 秩父民俗研究会 1969.3)
野中義夫「オヽサキの語源に関する伝説其の他」(『秩父民俗 第4号』p36-37 秩父民俗研究会 1969.10)
関根邦之助「秩父地方の医療に関する迷信と風習 続」(『秩父民俗 第5号』p30-33 秩父民俗研究会 1970.6)
関根邦之助「憑きもの信仰と家筋」(『秩父民俗 第10号』p10-11 秩父民俗研究会 1975.3)
『文芸秩父 56号-63号、80号、90号、93号、97号』(「秩父地名考」という連載記事が収録されているもの)
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
伝説.民話[昔話]  (388 9版)
貴重書.郷土資料.その他の特別コレクション  (090 9版)
参考資料
(Reference materials)
『武州秩父郡大田村史要』(伊古田槌恵編 1961)
『埼玉大学紀要 人文科学篇 26』(埼玉大学 1977)
『秩父民俗 第6号』(秩父民俗研究会 1971.4)
『こぶし 秩父の自然 6号』(秩父自然科学博物館 1974.5)
『埼玉県伝説集成 分類と解説 中 歴史編』(韮塚一三郎編著 北辰図書出版 1973)
『秩父郡両神村の生活と伝承 埼玉県秩父郡両神村薄川流域 武蔵大学日本民俗史演習調査報告書 14』(武蔵大学人文学部日本民俗史演習編 武蔵大学人文学部日本民俗史演習 1991)
『東秩父大内沢の民俗』(二松学舎大学附属高等学校社会科研究部編 二松学舎大学附属高等学校社会科研究部 1969)
『日本民俗学辞典』(梧桐書院 1933)
『秩父民俗 第2号』(秩父民俗研究会 1968.9)
『埼玉県史研究 第12号』(埼玉県 1983.11)
キーワード
(Keywords)
伝説-埼玉県
秩父地方
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
文献紹介
内容種別
(Type of subject)
郷土
質問者区分
(Category of questioner)
個人
登録番号
(Registration number)
1000103336解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決
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