レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012/1/26
- 登録日時
- 2012/02/04 02:00
- 更新日時
- 2014/03/26 17:11
- 管理番号
- 1000000493
- 質問
-
未解決
「島袋」という姓の由来を知りたい。
- 回答
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『沖縄県姓氏家系大辞典』(沖縄県姓氏家系大辞典編纂委員会、角川書店、1992年)
p24 「沖縄の姓氏の特徴」の項に「その最大の特徴は地名との重なりが大きいこと」とあり、沖縄の姓は地名に由来するものが多いことがわかる。
p474 「島袋」の項によると、姓は「那覇市・沖縄市・具志川市・名護市・浦添市などに多く、全県に広がる」とある。また地名は「中城間切島袋村(北中城村)」と「大里間切に属した島袋村(現南城市)」にあることが記載されている。
質問の「島袋」(方言ではシマブク)が何を意味するのか、関連する資料を調べてみるも確認できなかった。
そこで「しま」「ふく」という語についてそれぞれ見てみる。
『沖縄古語大辞典』(沖縄古語大辞典編集委員会、角川書店、1995年)
p329に「島」の意味として「①村。村落。ある地方。国。・・・②(周囲を海に囲まれた)島。③故郷」とある。
p576 「ふく」の項では「未詳語。『歌謡大成』は「福」とする。場所(空間)を表す語であろうか。」としている。
この「ふく」という語についての考察がある資料を紹介する。
『南島風土記』(東恩納寛惇、沖縄財団、1950年)
p14 「総論」の項において「シマブク(島袋)フクヂ(福地)等は丘隆地帯に多い」とし、「フク」という語と地形との関連を示唆している。
『金城朝永全集 上巻』(金城朝永、沖縄タイムス社、1974年)
p174-175 「沖縄地名考」の項に「日本語にホコラ(祠)または保倉という言葉があるが、島袋の時の袋はこれを思い起こさせる。まだ確かなことはいえぬが、これらの説がもし多少でも事実に近い物であるとすれば、稲福は稲倉、島袋は島倉と解することが出来る。・・・島袋の袋について一言しておくが、これと同一の袋の字を語尾に持つ地名は日本にも多い。例えば池袋・・・のごときものであるが、この場合は沖縄の袋のようにフクとは呼ばずにフクロといい、地形上水辺の平地あるいは廃川敷とおぼしい一帯の平地であることが多い」としている。
上の二資料は、いずれも関連を推測するにとどまっており、「島袋」の言葉の意味は解明できていない。
また、下記の資料は、「島袋」という土地についての紹介であり、地名や姓氏の由来について記述はない。
『沖縄の地名』(平凡社、2002年)
p248 「島袋村(大里村)」、p341 「島袋村(北中城村)」について記述されている。
『角川日本地名大辞典 47』(角川日本地名大辞典編纂委員会、角川学芸出版、2009年)
p392-393 「島袋」の項あり。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 歴史 (2)
- 参考資料
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- 1 沖縄県姓氏家系大辞典 沖縄県姓氏家系大辞典編纂委員会∥編 角川書店 1992.10 K288/O52/ 24、474-475
- 2 沖縄古語大辞典 沖縄古語大辞典編集委員会∥編 角川書店 1995.7 K80/O52/ 329
- 3 南島風土記 東恩納 寛惇∥著 沖縄財団 1950.3 K29/H55/ 14
- 4 金城朝永全集 上巻 金城 朝永∥著 大藤 時彦∥編 沖縄タイムス社 1974.1 K08/KI44/1 174-175
- 5 沖縄県の地名 平凡社 2002.12 K29/O52/ 248、341
- 6 角川日本地名大辞典 47 「角川日本地名大辞典」編纂委員会∥編 角川書店 1986.7 K29/KA14/47 392-393
- キーワード
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- 姓
- 姓名
- 氏
- 沖縄
- 地名
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 地名
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000101060