レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2012/1/26
- 登録日時
- 2012/02/04 02:00
- 更新日時
- 2012/02/04 02:00
- 管理番号
- 1000000486
- 質問
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解決
「ゆいまーる」という言葉の意味を知りたい。
- 回答
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『沖縄大百科事典 下』(沖縄大百科事典刊行事務局、沖縄タイムス社、1983年)
p768 「ユイマール(イーマール)」の項に「賃金の支払いを伴わない労働交換の慣行。単にユイ(結)ともいう。生産力の水準が低く、労働力が賃金で評価されない段階では、他所からの労働力の受入れに対して労働力をもって返す方法がとられた。この労働力のやりとりは、血縁・地縁で結ばれた数戸の農家同士で行われる。一般的には共同的、相互扶助的なものとして捉えられているが、経営の分化が進んだ段階では経営規模の大きい農家に有利に作用したという側面も見逃してはならない。・・・現在各地にみられるユイは、現金の清算を伴っている場合が多い。」とある。
『沖縄語辞典』(国立国語研究所、大蔵省印刷局、1963年)
p264 「'ii(名詞)」に、「ゆい。労力交換による協同労働。田植え・砂糖製造など一時に多数の労力が必要な時、順番に加勢しあって労働力の交換をすること。 ~kaNsijuN. ひとの仕事をしてやって、他日自分の仕事をさせる権利をもつ。ゆいをかぶせる意。 ~kaNzuN. 自分の仕事を人にしてもらい、労働の負債をもつ。ゆいをかぶるの意。」とある。
p265 「'iimaaru(名)」に、「順番に労力交換を行うこと。主として農家の畑仕事についていうが、転じて他の仕事についてもいう。」とある。
『琉球語辞典』(半田一郎、大学書林、1999年)
p194 「iimaaru(名)」の項に「回り持ちの‘結い’(ii=労務協力)」とある。
『沖縄民俗辞典』(渡邊欣雄、吉川弘文館、2008年)
p533 「ユイマール」の項に「沖縄における労働力交換の慣習。・・・直訳すれば、結い回りである。したがって、用語や慣習は日本『本土』と共通のものである。地縁・血縁を通じて、数戸の農家で行う。・・・家や墓の普請に関するユイマールもあった」と記述がある。
『オキナワなんでも事典』(池沢夏樹、新潮社、2003年)
p395-396 「ゆいまーる」の項に「『ゆいまーる』または『いーまーる』は『結い』を意味する沖縄本島およびその周辺離島の方言。・・・『ゆいまーる』は労働交換を意味する。その根底には(1)相互扶助と(2)平等の原則がある・・・」と記述がある。
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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- 1 沖縄大百科事典 下 ナ~ン 沖縄大百科事典刊行事務局∥編 沖縄タイムス社 1983.5 K03/O52/3 768
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2 沖縄語辞典 国立国語研究所∥編 大蔵省印刷局 1963.8 K80/KO49/ 264 -
3 琉球語辞典 半田 一郎∥編著 大学書林 1999.11 K80/H29/ 194 -
4 沖縄民俗辞典 渡邊 欣雄∥ほか編 岡野 宣勝∥編 吉川弘文館 2008.7 K38/O52/ 533 -
5 オキナワなんでも事典 池沢 夏樹∥編 新潮社 2003.7 K29/I35/ 395-396
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000101053