レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011年09月04日
- 登録日時
- 2012/01/17 12:18
- 更新日時
- 2012/06/05 11:43
- 管理番号
- 埼熊-2011-133
- 質問
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解決
1600年にオランダ国籍船リーフデ号に乗ったウィリアム・アダムス(当時36歳)が豊後に漂着したという。
この事が書かれている資料と、「三浦按針」(岡田章雄)p314に引用されている「亜細亜誌 第十二」「旬年史 第四巻第二章」が見たい。
- 回答
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リーフデ号の漂着について記述のある以下の資料を紹介した。
『三浦按針』で引用されていた「亜細亜誌」やフェルナン・ゲレイロの年報集の原書は国立国会図書館に所蔵あり。
『異国叢書 〔10〕 慶元イギリス書翰』(雄松堂書店 1966)
p1-「1611年10月22日付、平戸発ウィリアム・アダムスより未見の同邦竝に知友に送りし書翰」に、「豊後に破碇」(p13)、「獄に投ぜられた」(p14-15)、
「船長より船員に至るまで、苟も運送する価値あるものは、悉く取り去られたり。」(p18)との記述あり。
p30-「ウィリアム・アダムスより彼の妻に送りし書翰」(日付を欠くも、恐らく前号書翰と同時に発せられしものならん)に「かくて彼は命を下し予を牢獄に投ぜしめたり。」(p42)とあり。「彼」とは「王」を指す。
『十六・七世紀イエズス会日本報告集 1-3 1597年-1601年』(松田毅一監訳 同朋舎出版 1988)
p153-「1599-1601年、日本諸国記(フェルナン・ゲレイロ師編『イエズス会年報集』第一部第二巻)」中に 大砲に関する記述あり。
p216-「豊後の国の布教と司祭館について」に「したがって通報に接した内府(ダイフ)様は、船を都か堺に廻送させるために重鎮の一人をただちに豊後へ遣わした。そして堺において、日本の法律に従って同船を遺失物と見なし、乗り組んでいたオランダ人や十八ないし二十門の大砲もろとも、関東にある自らの所領の港へ運ばせた。積荷はことごとく接収されたが、大半は武器であり、火薬であった。」との記述あり。
「亜細亜誌」
書名:Da Asia. Dos feitos, queos Portuguezes fizeram no descubrimento dos mares,
e conquistas das terras do Oriente, em quanto governaram a Inidia;
Manoel de Sousa Coutinho, e Mathias de Alboquerque supprindo a que falta de Diogo de Couto,
chronista, e guarda mor da torre do tombo do estado da India.
出版者:na Regia Officina Typografica
出版年:1788.
本文の言語:ポルトガル語
「フェルナン・ゲレイロの年報集」
タイトル・著者の情報:
Relacao anual das coisas que fizeram os padres da Companhia de Jesus nas suas
missoes do Japao,
China, Cataio, Tidore, Ternate, Amboino, Malaca,
Pegu, Bengala, Bisnaga, Madure costa da Pescaria, Manar, Ceilao, Travancor, Malabar, Sodomala, Goa,
Salcete, Lahor, Diu, Etiopia a alta ou Preste Joao, Monomotapa, Angola, Guine, Serra Leoa,
cabo Verde e Brasil : nos anos de 1600 a 1609,
e do processo da conversao e cristandade daquelas partes,
tirada das cartas que os missionarios de la escreveram
/ Pelo padre Fernao Guerreiro.
出版者:Impr. da Universidade
出版年:1930-42.
本文の言語:ポルトガル語
- 回答プロセス
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《日本古典籍総合目録》を〈亜細亜誌〉で検索。1件ヒットする。
書名:亜細亜誌志
著者:山村昌永訳
成立年:データなし
写本が神戸大にあるが、活字になったものの情報はなし。「亜細亜誌」と同一か不明。
『岡田章雄著作集 5 三浦按針』(岡田章雄〔著〕 思文閣出版 1984)
p307に「ディオゴ・デ・コウトの「亜細亜誌」として該当箇所の訳文あり。
p313の注に「亜細亜誌」の原書名等あり。
《NDL-OPAC》を〈亜細亜誌〉で検索する。
「亜細亜誌」はポルトガル語の文献、国立国会図書館に所蔵あり。
《東京大学史料編纂所DB》を〈リーフデ号〉で検索する。
『史料綜覧 13 桃山時代』(東京大学史料編纂所編 印刷局朝陽会 1954)
p217 慶長五年三月「十六日、和蘭船リーフデ号、豊後に漂着ス(後略)」とあり、後に関連する史料の情報あり。「日本耶蘇会年報」等
『日欧通交史』(幸田成友著 岩波書店 1944)
p169「アダムスが家康に召され、五月十二日大坂城で彼と会見した有様が、アダムス自身の手紙にある。」とあり、注に『慶元イギリス書翰』あり。
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本史 (210 9版)
- 個人伝記 (289 9版)
- 参考資料
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- 『異国叢書 〔10〕 慶元イギリス書翰』(雄松堂書店 1966)
- 『十六・七世紀イエズス会日本報告集 1-3 1597年-1601年』(松田毅一監訳 同朋舎出版 1988)
- キーワード
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- リーフデ号
- 日本-歴史-安土桃山時代-史料
- Adams William ,-1620(アダムス ウィリアム)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000100024