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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000099858
提供館
(Library)
豊中市立図書館 (2310050)管理番号
(Control number)
6000003442
事例作成日
(Creation date)
2011/02/20登録日時
(Registration date)
2012年01月14日 02時01分更新日時
(Last update)
2014年12月10日 13時14分
質問
(Question)
1860年代にロシアの軍艦が対馬を占領した際、これを追い払ったイギリスの軍艦「エンカウンター号」についての資料はあるか。写真がわかればなおよい。
回答
(Answer)
当該事件に関する記述はいくつかの資料に見られるが、豊中市の所蔵資料にはエンカウンター号についての記載はなし。詳しくたずねたところ、この船が鉄造であったか否かに関心があるとのこと。『ロイヤル・ネイヴィーとパクス・ブリタニカ』が19世紀におけるイギリス海軍の軍艦史について詳しく、そちらをご紹介した。
また同一の船であるかの確認はできなかったが、府立図書館所蔵の『日英交流史1600-2000 3 軍事』(東京大学出版会)に1863年時点で清国海域にいた英国艦隊の艦船名があり、その中にコルベット艦「エンカウンター号」の名があった。

後日、国立国会図書館レファレンス協同データベース事業サポーターの方より、Web上で公開されている情報源(備考欄に記載)をご教示いただき、船体はWooden(木製)とされていること、イラストが載っていることをお知らせいただいた。
回答プロセス
(Answering process)
210.5(歴史・江戸時代)219(地域史・九州)の書架にあたる。
質問の事件は「ロシア軍艦対馬占領事件」「ポサドニック号対馬占拠事件」「ポサドニック号事件」「露艦対馬占領事件」等と呼ばれる事件(1861)であると判明。
『日本の近代1 開国・維新1853~1871』によると、文久元年(1861年)にロシア軍艦ポサドニック号が対馬の芋崎を占領した際、勝海舟がイギリス公使に圧力をかけて上海から東洋艦隊を呼び、外交交渉によってロシア軍艦を退去させたとあり。
『日本の歴史18 開国と幕末変革』によれば、当時日本に圧倒的な影響力のあったイギリス公使オールコックがロシア軍艦の対馬占領を懸念し、イギリス艦隊副司令官ホープ提督とこの件を協議したという資料が存在するとあり。
『オールコックの江戸』によると、1861年春からロシア軍艦が対馬を占領し、オールコックと老中安藤対馬守・若年寄酒井右京亮との秘密対談が8月に行われ、オールコックとホープ司令長官は対馬を視察しつつ帰国、ポサドニック号は9月半ばに退去とあり(ただしオールコックの帰国は1862年3月)。
『19世紀の世界と横浜』にはポサドニック号の滞留期間と、対馬藩より幕府への報告の表あり。

また『ロイヤル・ネイヴィーとパクス・ブリタニカ』によると、英国海軍の鉄船導入は1860年の「ウォリアー」より。それ以前の軍艦は1832年就役の「ディー」より蒸気船。

またエンカウンター号そのものではないが、『船の歴史事典』には19世紀の軍艦の絵があり。
『船の歴史文化図鑑』(悠書館)にはイギリスの蒸気船・軍艦の写真があり。
このほか、大阪府立図書館所蔵の『英国軍艦写真集』(光人社)を取り寄せて内容を確認した。
1876年~1939年に撮影された英国軍艦の写真集であったが、エンカウンター号の写真はなし。

なお、この事件について言及があったが、詳しい説明のなかった資料は以下。
『日本の近世18 近代国家への志向』(中央公論社)
『長崎県の歴史』(山川出版社)
『日本の時代史20 開国と幕末の動乱』(吉川弘文館)
『海から見た日本の防衛』(PHP研究所)
『街道の日本史49 壱岐・対馬と松浦半島』(吉川弘文館)

また全く言及のなかった資料は以下の通り。
『対馬藩と江戸家老 近世日朝外交を支えた人びと』(講談社)
『幕末・明治・大正古写真帖』(新人物往来社)
『日本の歴史12 開国への道』(小学館)
『対馬と海峡の中世史』(山川出版社)
事前調査事項
(Preliminary research)
エンカウンター号の船長はホープ提督という名であった。
NDC 
参考資料
(Reference materials)
『日本の近代 1』伊藤 隆/[ほか]編集委員(中央公論社) (P167)
『日本の歴史 18』(講談社) (P302-304)
『オールコックの江戸』佐野 真由子/著(中央公論新社) (P181-188)
『19世紀の世界と横浜』横浜開港資料館/編(山川出版社) (P91-92、P99)
『船の歴史事典』アティリオ・クカーリ/共著(原書房) (P120-123)
『ロイヤル・ネイヴィーとパクス・ブリタニカ』田所 昌幸/編(有斐閣)
キーワード
(Keywords)
歴史
長崎県
対馬
ポサドニック号
ロシア
イギリス
軍艦
江戸時代
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
国立国会図書館レファレンス協同データベース事業サポーターの方からご教示いただいた情報源は下記のとおり。

Mid-Victorian RN vessel HMS Encounter
Name Encounter
Type Sloop (1862: Corvette)
Launched 24 September 1846
Hull Wooden
http://www.pdavis.nl/ShowShip.php?id=99

HMS Encounter (1846) Wikipedia
http://en.wikipedia.org/wiki/HMS_Encounter_(1846)
"HMS Encounter was an early wooden screw sloop of the Royal Navy.…"
http://en.wikipedia.org/wiki/File:HMS_Encounter_%281846%29_at_Ningpo_in_1862.jpg
http://upload.wikimedia.org/wikipedia/en/7/7e/HMS_Encounter_%281846%29_at_Ningpo_in_1862.jpg

エンカウンター (蒸気コルベット)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%B3%E3%82%AB%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC_(%E8%92%B8%E6%B0%97%E3%82%B3%E3%83%AB%E3%83%99%E3%83%83%E3%83%88)
参考資料
幕元綱数道著『幕末の蒸気船物語』成山堂書店(2004年)ISBN 978-4425302512(当市未所蔵)

Generations: John Hardman, Captain of the Mizzen Top, and vessels in which he served
http://stuarttilleygenealogy.blogspot.jp/2014/07/john-hardman-captain-of-mizzen-top-and.html
HMS Encounter
http://2.bp.blogspot.com/-XXr8T2dcdFQ/U7W4y6I17aI/AAAAAAAAAE0/RMgv_3BhNcU/s1600/HMS_Encounter_%25281846%2529_at_Ningpo_in_1862.jpg

参考:
鈴木大の情報探索活動 : ポサドニック号事件を事例に
松平 智史
立命館言語文化研究 23(3), 145-155, 2012-02
http://www.ritsumei.ac.jp/acd/re/k-rsc/lcs/kiyou/pdf_23-3/RitsIILCS_23.3pp.145-156MATSUDAIRA.pdf
これによると、ホープはイギリス東洋艦隊司令長官となっている。
調査種別
(Type of search)
文献紹介
内容種別
(Type of subject)
その他
質問者区分
(Category of questioner)
一般
登録番号
(Registration number)
1000099858解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決
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