「コスタリカが非武装の国であると言われているが、
実際にはそうではない」ということが記載されている資料を探しました。
■図書
当館の蔵書検索システムで検索したところ、
コスタリカに関する図書はあるのですが、
お探しのテーマに関する本(統計資料・体験記含む)は見当たりませんでした。
インターネット上の情報や、関連する棚を目視で確認したところ、
関連があると思われる図書を2点見つけましたのでご紹介します。
・『中南米諸国便覧 2006年版』(外務省中南米局/監修 ラテン・アメリカ協会 2007.3)pp.76-77
→コスタリカ共和国の「外交・国防」のデータが記載されています。
「軍隊:憲法により常設軍は不保持、公安省警察官 約8400人
国防予算:1億100万ドル(2005年)(ミリタリーバランス 2005)」
・小澤卓也「白色化された国民―コスタリカにおける国民イメージの創設」
(『ラテンアメリカからの問いかけ:ラス・カサス、植民地支配からグローバリゼーションまで』(西川長夫/編 人文書院,2000.11)) pp.216-237
→国民形成という観点から、既存のコスタリカイメージが批判されています。
■雑誌論文
合本作業中で内容を確認することはできませんでしたが、
ご指摘の雑誌記事は以下と思われます。
・新藤通弘「最近のコスタリカ評価についての若干の問題」
『アジア・アフリカ研究』(42巻 2号 アジア・アフリカ研究所,2002年)pp.35-71
国立国会図書館蔵書検索システム「雑誌記事索引」を使用し、
お探しのテーマに合致する雑誌記事を探しました。
非武装かどうかという観点に完全に合致する資料ではなく、
同一著者による論文が多くなりますが、
以下の雑誌記事がコスタリカの「平和論」に疑問を投げかけています。
・小澤卓也「世界の人権問題 日本における「コスタリカの平和」論の危うさ--人権問題とからめて」
『人権と部落問題』( 57(2) (通号 727) 2005.2) pp.77-81
→コスタリカの平和が米軍によって支えられている点を指摘しています。
・歌川令二「渡る世界には鬼もいる(157)コスタリカを知ってますか?(下)検証・非日本的『平和主義』」
『財界』(51巻17号 財界研究所,2003-08-05) pp.164-166
→コスタリカの軍備の廃止はクーデター防止のためであったという記述が出てきます。
・小澤卓也「日本における中南米論の批判的考察--コスタリカの「平和」論を例に
(特集 コロニアリズム・ポストコロニアリズム--パレスチナ・在日朝鮮人・中南米)」
『情況』(第三期 3(9) 情況出版, 2002-11)pp.96-112
→日本の「コスタリカ平和国民神話」が批判されています。
なお当館に所蔵がなく現物を確認できていないのですが、
引用情報等より、以下の論文もコスタリカの「平和」論に疑問を呈している模様です。
・小澤卓也「コスタリカの中立宣言をめぐる国際関係と国民意識--モンヘ大統領の政策を中心に」
(『ラテンアメリカ研究年報』 (通号 17) 1997.06)pp.29-55