レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011年09月22日
- 登録日時
- 2011/12/02 14:45
- 更新日時
- 2012/02/17 14:15
- 管理番号
- 埼久-2011-075
- 質問
-
解決
三田玉枝(読み不明)という書家について知りたい。
- 回答
-
当館所蔵資料では、三田玉枝についてより詳しい情報は見つからなかった。インターネットでは三田玉枝銘の将棋駒のオークション出品などが見受けられ、明治時代の書家である旨の記述がされているものもあるが、典拠が見つからなかった。
- 回答プロセス
-
1 将棋関係図書を調査する。
『将棋駒の世界』(増山雅人著 中央公論新社 2006)
p92-93「(「第2章バラエティーに富んだ書体」の「駒の書体ライブラリー」の中に主要15種の書体の)その他の書体」に三田玉枝あり。「三田玉枝(みたぎょくし)書家名と思われる。読みは不明」とあり。王将・飛車・歩兵・との比較図版あり。
p95 三田玉枝島黄楊根杢彫り駒・永島作の図版あり。
p140漫画家永島慎二が作成したもの。
『将棋庶民史』(山本亨介著 朝日新聞社 1972)
p262「駒の銘」の項(p256~)の中に三田玉枝の名あり。「三田玉枝-書家。銘は篆書(中国の古代文字)である。」とあり。
『将棋ガイドブック 日本将棋連盟公式』(日本将棋連盟開発課編 日本将棋連盟 2003)
p22 「現在使われる書体としては、水無瀬、錦旗(中略)、三田玉枝(みたぎょくし)」とあるのみ。
2 将棋関係雑誌を調査する。
「駒の万華鏡」(『NHK将棋講座 1997年4月』 日本放送出版協会 1997)
三田玉枝島黄楊根杢盛り上げ駒・晃石作/荒川清晃所蔵の写真あり。巻菱湖と同じく、玉将と王将が異なる。
3 将棋駒と銘の関係についての参考資料
『将棋文化史』(山本亨介著 光風社 1973)
p228(「駒の銘」の項に) 「駒師は自分の好みに合せて自由に書体を選んで製作する。高級駒で「玉将」の底部にあるのが書家の銘、「王将」の底部にあるのが製作者の名前である。」
『将棋文化史』(山本亨介著 筑摩書房 1980)
p207「高級駒で「玉将」の底部に刻むのが書家の名で、「王将」の底部には駒師の名を刻むことになっている。」とあり。
p205「江戸時代の駒はすべて書き駒で、・・・彫り駒が作られるのは速くて幕末、または明治初年ごろである。」
4 インターネット情報
《天童と将棋駒》
2-5 銘の種類 の項のp24で「「三田玉枝」書家で、銘は 篆書 です。」
(http://www.city.tendo.yamagata.jp/tourism/bussan/tendo-syougikoma.pdf 天童市観光物産課 2011/09/22最終確認)
《Google》をキーワード〈三田玉枝 書家〉で検索する。
《ヤフーオークション》
この出品目録には「書体は「三田玉枝(ぎょくし)」、明治期の書家の銘です。」との解説あり。ただし典拠は不明。」(http://www.tohsin31.com/21-12-6/21-12-6-13.htm 2011/09/22最終確認)
《酔棋制作駒オークション》
「三田玉枝」彫り駒の解説
「「三田玉枝」の書体については、よく知られているこの書体以外に同じく篆書の別書体があり、元が書家の字であること以外は何もわかっていません。実際の読みについても、「みたぎょくし」あるいは「みたたまえ」なのかもはっきりしません。(中略)「三田玉枝」は、篆書の表字に裏は風変わりな書体で構成されています。 上記のとおり、豊島龍山の字母紙にもある2種類の「三田玉枝」(中略)「三田玉枝」の玉将と王将。駒の書体で玉将と王将が「点のあるなし」だけでなく細部にわたって異なっているのは、「巻菱湖」と同じく珍しいほうです。」
文中にある豊島龍山の名称でも調査したが、図版以外には見あたらず。
(http://8ya.net/suiki/auction/auction/a2.html 2011/09/22最終確認)
調査済み資料
『日本文化としての将棋』(尾本惠市編著 三元社 2002)
『将棋の駒はなぜ40枚か』増川宏一著 集英社 2000)
『持駒使用の謎』(木村義徳著 日本将棋連盟 2001)
『天童の将棋駒と全国遺跡出土駒』(斎藤隆一著 天童市将棋資料館 2003)
- 事前調査事項
- NDC
-
- 将棋 (796 9版)
- 参考資料
-
- 『将棋駒の世界』(増山雅人著 中央公論新社 2006)
- 『将棋庶民史』(山本亨介著 朝日新聞社 1972)
- 『将棋ガイドブック 日本将棋連盟公式』(日本将棋連盟開発課編 日本将棋連盟 2003)
- 「駒の万華鏡」(『NHK将棋講座 1997年4月』 日本放送出版協会 1997)
- 『将棋文化史』(山本亨介著 光風社 1973)
- 『将棋文化史』(山本亨介著 筑摩書房 1980)
- キーワード
-
- 将棋
- 三田 玉枝
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 図書館
- 登録番号
- 1000097382