レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2010年7月9日
- 登録日時
- 2011/11/30 10:30
- 更新日時
- 2011/12/02 11:57
- 管理番号
- 島根参2010-07-002
- 質問
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解決
「夢幻空花」の典拠が知りたい(“花”は“華”の可能性あり)。
- 回答
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当館所蔵資料より次の資料を調査した結果、『信心銘』は6~7世紀の作品であり、『正法眼蔵』は13世紀の著述とあることから、『信心銘』が最初の典拠と考えられると回答。なお、原文は「夢幻空華」となっている。
資料1:道元の『正法眼蔵』 第六「行仏威儀」に「夢幻空花」がある。原文と訳文あり。
資料2:p105~112に『三祖信心銘』が収録されており、そのp109に「夢幻空華」がある。原文、読み下し文、現代語訳あり。
<2011/12/2追記>
【資料6】の「行仏威儀」の巻、p29に「夢幻空華」があり、p33「夢幻空華」の注解に「『信心銘』の句である。この前後に、道元はしきりと『信心銘』の句を引用して駆使している。」との記述がある。
また、【資料3】では、「夢幻空華」の出典は「正法眼蔵」としている。
その他以下の資料を確認。
資料4:「夢幻空華これ心なり水沫泡焰これ心なり」の解説あり。
資料5:『信心銘』73対句のうち、対句番号40番にあたる。p13に原文と読み下し文、p143~144に逐語訳がある。
資料7:「三界唯心」の巻、p28に、【資料4】にも取り上げられている「夢幻空華これ心なり」の部分がある。
- 回答プロセス
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禅語に関する参考資料(188)、『信心銘』、『正法眼蔵』に関する資料を調査。
インターネットでも「夢幻空花(華)」を検索。
<参考として>
【資料3】より、
夢幻空華・・・夢、幻や、眼病のために見える空中の幻影の花。錯覚一般をあらわし、実体性のないもののたとえ。
【資料8】より、
僧璨(そうさん)・・・(?~606)禅宗東土の第三代。『信心銘』は彼の作とされている。
- 事前調査事項
- NDC
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- 各宗 (188 8版)
- 参考資料
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- 【資料1】 『正法眼蔵 1』 道元/原文 石井恭二/注釈・現代訳,河出書房新社,1996.6 (p186 書庫188.8/ド/1)
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【資料2】 『世界古典文学全集 36‐B 禅家語録』 筑摩書房,1974
(p109 908/0051/36-2
) -
【資料3】 『茶席の禅語大辞典』 有馬頼底/監修,淡交社,2002.2 ※貸出禁止資料
(p634「夢幻空華」 R188.8/チ02/
) - 【資料4】 『正法眼蔵用語辞典』 中村宗一/著,誠信書房,1975 ※貸出禁止資料 (p407「夢幻空華これ心なり水沫泡焰これ心なり」 R188/422/)
- 【資料5】 『信心銘花開く悟りの世界 禅の源泉』 川上 正光/著,大蔵出版,1982.11 (p13、書庫188.8/カ82/)
- 【資料6】 『正法眼蔵 3 講談社学術文庫』 [道元/著] 増谷文雄/全訳注,講談社,2004.9 (p29(原文)、p33(「夢幻空華」の注解) 188.8/ド/3)
- 【資料7】 『正法眼蔵 5 講談社学術文庫』 [道元/著] 増谷文雄/全訳注,講談社,2005.1 (p28 188.8/ド/5)
- 【資料8】 『禅学大辞典 下巻 せ~わ』 駒沢大学内禅学大辞典編纂所編,大修館書店,1978 ※貸出禁止資料 (R188/0453/2 p728「僧璨(そうさん)」)
- キーワード
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- 夢幻空華(むげんくうげ)
- 夢幻空花
- 信心銘
- 三祖鑑智禅師
- 鑑智僧璨
- 道元
- 正法眼蔵
- 行仏威儀
- 三界唯心
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000097293