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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000090575
提供館
(Library)
山梨県立図書館 (2110005)管理番号
(Control number)
9000007440
事例作成日
(Creation date)
2011年06月25日登録日時
(Registration date)
2011年08月30日 15時46分更新日時
(Last update)
2011年09月03日 11時12分
質問
(Question)
中国の後漢の時代に、宮城(きゅうじょう)の門の守護人を「黄門侍郎」と言った。これは門の色が黄色だったことに由来するが、他にどんな色の門があったのか。
回答
(Answer)
宮城の門が黄色だったのは五行思想に基くもので、黄色は地の中央を支配する天子を象徴する色である。前漢の長安城、後漢の洛陽城に関する資料には、色彩に関する記述が見当たらず、実際に建物がどのような色だったかはわからなかった。
回答プロセス
(Answering process)
1.「黄門」「黄門侍郎」について辞典類を調査。
・『日本国語大辞典』第5巻(小学館編集・発行 2001年)→p456「黄門」の項に「(1)(宮中の小門が黄色に塗ってあったことから)宮城の門。(2)(中国、後漢の時、(1)の開閉を宦官がつかさどったところから)宦官をいう」などとある。「黄門侍郎」の項には「中納言の唐名」となる。
・『大漢和辞典』巻12(諸橋轍次著 大修館書店 1986年)→p978「黄門」及び「黄門侍郎」の小項目があり、黄門侍郎は秦・漢の官名。
・『中国歴代職官辞典』(日中民族科学研究所編 国書刊行会 1980年)→p101に「黄門」の項があり、前漢代は天子の乗り物に陪乗する侍官。後漢代には、宦官のことで「黄門令」「中黄門」等があった。
・『中国学芸大事典』(近藤春雄著 大修館書店 1980年)には「黄門」「黄門侍郎」の項はなかった。

2.色については五行思想と関係があるようなので、百科事典で「黄」を調査。
・『世界大百科事典』第6巻(平凡社 2007年)→p530「黄」の項を見ると、「…これは五行思想から東西南北と中央の五方を、青白赤黒および黄で象徴したものである。このように黄は地の中央を支配する天子を象徴する色となり、たとえば天子の車を黄屋、天子の鉞を黄鉞、宮城の門を黄門または黄闥と呼んだ」とある。

3.漢時代の宮城について調査。
・『中国建築の歴史』(中国建築史編集委員会編 平凡社 1981年)→p55-56に前漢時代の都城・長安の発掘調査についての記述がある。城壁の各面に3つの城門があったとあるが、色については記述はない。
・『中国の歴史』第03巻 ファーストエンペラーの遺産』(礪波護ほか編集委員 講談社 2004年)→p145-146、p276-280に前漢の都長安城についての記述がある。p146には長安城の図面もあるが、色に関する記述はない。
・『古代の都はどうつくられたか:中国・日本・朝鮮・渤海(歴史文化ライブラリー)』(吉田歓著 吉川弘文館 2011年)→p19-25に前漢の長安城について書かれている。また、p26-31に後漢の都・洛陽について書かれており、外郭には12門が設けられたとある。それぞれ、建物や門の色についての記述はない。
・『中国都城の起源と発展』(楊寛著 学生社 1987年)→p125-148「前漢長安の西南「城」区と東北「郭」区」に、皇帝のいた未央宮(びおうきゅう)の門や、長安城の門について書かれているが、色に関する記述はない。p149-173「後漢・北魏の洛陽の「城」と「郭」の配置」も、色に関する記述はない。
・『古代都城のかたち(同成社古代史選書)』(舘野和己編 同成社 2009年)→p157には前漢の長安城、後漢の洛陽城の図面があるが、色に関する記述はない。
・『千年帝都洛陽:その遺跡と人文・自然環境』(塩沢裕仁著 雄山閣 2010年)→p82-96に後漢・三国魏・晋・北魏王朝の都であった漢魏洛陽城について書かれているが、門や建物の色についての記述はない。
・『ローマと長安:古代世界帝国の都(講談社現代新書)』(若山滋著 講談社 1990年)→p113-116に隋時代の「大興城」についての記述があり、「大興城」は正方形に近い形をしており、道教・老荘思想における「天円地方」の思想と五行説思想にもとづいているとある。

4.時代は下るが、明代の紫禁城についても調査した。
・『中国歴史建築案内』(楼慶西著 TOTO出版 2008年)→p63-64、p314-316に、紫禁城の空間構成に陰陽五行説が用いられていることが書かれている。
・『紫禁城宮殿』(于倬雲編 講談社 1984年)→p26-28「紫禁城宮殿における陰陽五行説」があり、建物のカラー写真が多数掲載されている。
・『紫禁城散策いろいろ事始め』(竹田知代著 凱風社 2002年)→p131-132に紫禁城の陰陽五行について書かれている。紅い壁は力と運を表し、皇帝の住まいは全ての中心であるため屋根は黄色い瑠璃瓦で葺いてある。皇帝の食器も黄色だった。梁は緑か青で再生のシンボル。
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
中国  (222 9版)
東洋の建築.アジアの建築  (522 9版)
参考資料
(Reference materials)
『世界大百科事典』第6巻(平凡社 2007年) (p530)
『中国建築の歴史』(中国建築史編集委員会編 平凡社 1981年) (p55-56)
『古代の都はどうつくられたか:中国・日本・朝鮮・渤海(歴史文化ライブラリー)』(吉田歓著 吉川弘文館 2011年) (19-31)
『古代都城のかたち(同成社古代史選書)』(舘野和己編 同成社 2009年) (p157)
『千年帝都洛陽:その遺跡と人文・自然環境』(塩沢裕仁著 雄山閣 2010年) (p82-96)
『中国都城の起源と発展』(楊寛著 学生社 1987年) (p125-173)
キーワード
(Keywords)
黄門
黄門侍郎
中国
建築
陰陽五行説
長安城(前漢)
洛陽城
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
事実調査
内容種別
(Type of subject)
中国・韓国の歴史
質問者区分
(Category of questioner)
社会人
登録番号
(Registration number)
1000090575解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
未解決
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