レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011/04/20
- 登録日時
- 2011/08/29 02:00
- 更新日時
- 2011/09/03 11:38
- 管理番号
- OSPR11040036
- 質問
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昭和7年前後(昭和初期)の婦人服地(生地)を売っている店について知りたいです。できれば写真があるとうれしいです。
事前調査
・羅紗商は男物だけで、婦人物は扱っていない。
・たぶん洋反物屋になると思うのですが・・・。(老人の聞き取りより)
- 回答
-
洋反物屋に関しては、
参考資料(1)49頁に、明治中期の船場伏見町の洋反物問屋の写真が確認できましたが、
おっしゃっている年代よりも古いものであり、これ以外に洋反物屋についてはわかりませんでした。
以下、調査した結果をご連絡させていただきます。
まず洋反に関してですが、
参考資料(2)の「呉服」の項目に、呉服は反物の意味もあると書かれており、また、「反物」の項目に「広幅物は洋反という」とあります。(広幅物は、参考資料(3)によると、「広幅織物」は「四五センチ以上の幅のある織物のこと。」とあります。)
そこで、呉服屋に関して調べてみました。
同じく参考資料(2)呉服の項目によると、「老舗のデパートの前身は,多くは江戸時代以来の呉服屋」とあり、有名な呉服屋として「越後屋」「白木屋」が書かれています。
(ただし、どちらも昭和七年時点では百貨店のようです。)
参考資料(4)によると、「三井の越後屋では、反物の切り売り(中略)などのサービスを行った」とあります。
また、参考資料(5)に「株式会社白木屋 重役に昔話を聞く」という記事があり、その中で、客が反物を買いに来たのに、それがなく無いと言えないから、他の店に借りに行った、という話が記載されています。
おそらく、年代的にかなり古くなってしまうかと存じますが、呉服屋が反物を扱っていたと考えられるのではないかと思われます。
ただ、その反物が洋反であるかは、わかりませんでした。
写真に関しましては、年代がずれてしまうものもありますが、下記資料をご連絡させていただきます。
参考資料(5)67頁に、明治三六年頃の白木屋の写真が載っています。
参考資料(6)64頁に昭和10年の心斎橋白井呉服店(小大丸)の写真があります。
参考資料(7)153頁に昭和7年の百貨店内の洋服売場と思われる写真があります。
参考資料(8)31頁に昭和7年の白木屋大阪支店と思われる写真があります。
同じく参考資料(8)51頁に大正初年の白木屋呉服店の写真があります。
同じく参考資料(8)52頁に明治から大正頃と思われる高島屋呉服店付近の写真があります。
また、国立国会図書館のホームページより、見ることができるものもあります。
国立国会図書館>電子展示会>写真の中の明治・大正(関西と関東、どちらもキーワードで「呉服店」と入れると、写真がヒットします。)
- 回答プロセス
- 事前調査事項
- NDC
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- 商業経営.商店 (673 8版)
- 参考資料
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- (1)『なにわ今昔:写真集』(毎日新聞社 1983.7)(ページ:49)
- (2)『服装大百科事典 上 あ-と 増補版』(服装文化協会/編纂 文化出版局 1986.6)(ページ:645~646)
- (3)『きもの用語大辞典』(装道きもの学院/編 主婦と生活社 1979.12)(ページ:430)
- (4)『昭和初期の小売商問題:百貨店と中小商店の角逐』(鈴木安昭/著 日本経済新聞社 1980.8)(ページ:71~72)
- (5)商店界13(10)(ページ:65~69)
- (6)『心斎橋筋の文化史』(心斎橋筋商店街振興組合 1997.5)(ページ:64)
- (7)『アサヒグラフに見る昭和の世相 2 昭和6年‐8年』(朝日新聞社/編 朝日新聞社 1975.6)(ページ:153)
- (8)『写真集 明治大正昭和 大阪 上 (ふるさとの想い出 310)』(岡本良一編 国書刊行会 1985.11)(ページ:31,51,52)
- 国立国会図書館(2011/5/3現在) (ホームページ:http://www.ndl.go.jp/)
- キーワード
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- 羅紗 洋反物
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- その他
- 内容種別
- 人物・団体,その他
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000090501