それぞれの国の教育に関する資料を調査しましたが、掲載されている学校系統図は現在のもので、戦前のものは中国を除いてほとんど見つかりませんでした。例えば『図解子ども事典』(谷田貝公昭/責任編集 一芸社 2004.1)には、日本の明治6年、明治14年、明治25年、明治33年、明治41年、大正10年、昭和19年のものが掲載されていますが、諸外国につきましてはほぼ現在のものしか掲載されていません。いずれも調査済みのものです。
中国の学校統計図は、下記2点の資料に収録されています。
1点目は『近代支那教育史』(陳青之/著 柳沢三郎/訳 生活社 1939)で1895年-1934年の間で4種類の学校系統図が収録されています。
・癸卯学制系統図(光緒29年):日清戦争から辛亥革命に至るまで(1895-1911)p.63に収録
・壬子癸丑学制系統図(民国元年から2年まで):民国の成立から世界大戦の終結に至るまで(1912-1918)p.204に収録
・壬戌学制系統図(民国11年):五四運動から三・一八事件にいたるまで(1919-1926)p.284に収録
・戊辰学制系統図(民国17年):国民政府の南京建都から現在に至るまで(1927-1934)p.355に収録
同書には1934年現在の教育制度改革に改革にむけた草案「改造学制図」(p.423)も収録されています。
また、『中国近代における六・三・三制の導入過程』(今井航/著 九州大学出版会 2010.2)には上記資料と重複しますが、「壬子学制」ならびに「壬子癸丑学制」の系統図が収録されています。
なお、イギリス、フランス、プロイセン王国(ドイツ)に関しては国立国会図書館の「近代デジタルライブラリー」にそれぞれ一件ずつですが、学校系統図の収録されている資料がありましたので紹介します。
・「欧米の実業教育 第2編」(大正14年2月5日発行):p.28に「イングランド学校系統図」が掲載されています。
・「普仏中等学校学科課程」(明治31年12月10日発行):表示オプション290/295に「仏国諸学校系統略図」が掲載されています。
・「普仏中等学校学科課程」(明治31年12月10日発行):表示オプション289/295に「普国諸学校系統略図」が掲載されています。
最後に学校系統図ではありませんが「諸国の在学年数」が掲載されている資料がありますので参考までに紹介します(ただし、中国は記載されていません)。『欧米対照小学校教育の実際』(小川正行/著 東京寶文館 1916)のp.69-70に小学教育、中等教育、高等教育の在学年数の比較表が収録されています。
<ご案内>
アメリカにつきましては「関西アメリカンセンター・レファレンス資料室」がありますので何か情報が得られるかもしれませんので紹介します。