◆肥料としてのサンゴ(貝化石)の成分については以下の資料に記載があります。
『肥料の事典』(朝倉書店 2006.1)
有機性肥料、土壌改良資材として貝化石が紹介されています。「貝化石層は、二枚貝や巻貝などを主体に、さらに有孔虫やサンゴ、海綿などの水生動物の風化物や化石化物と砂岩やギ灰石などの岩石・土砂などと混ざり合って層状に堆積している」と説明があり、p197-198に貝化石肥料の特性や使用法について記載があります。p198の表5.7に「良質な貝化石粉末の分析例」として成分と含有量が掲載されています。
◆食品・食品添加物としてのサンゴの成分について、確認できた資料を以下に紹介します。
ただいずれも主成分のみの記述しかありませんでした。
『天然物便覧 第15版』(食品と科学社 2003.11)
p256 カルシウム強化剤・製造用剤・イーストフードの用途で、焼成カルシウムの1つとして紹介されています。
「造礁サンゴ焼成カルシウム:イシサンゴ目(Scleractinia)の造礁サンゴを焼成して得られたものである。主成分は酸化カルシウムである。」
p262 カルシウム強化食品の用途で、未焼成カルシウムの1つとして紹介されています。
「造礁サンゴ未焼成カルシウム:イシサンゴ目(Scleractinia)の造礁サンゴを殺菌乾燥、粉末にして得られたものである。主成分は酸化カルシウムである。」
『食品衛生化学物質事典』(中央法規出版 2000.11)
p544 サンゴ未焼成カルシウムの項があります。
「造礁珊瑚を殺菌乾燥後、粉末にしたもの。白色または淡褐色粉末。水に難溶、酸に可溶。成分は炭酸カルシウム」
◆インターネットで次の論文がPDFで全文公開されていますのでご紹介します。論文中に「サンゴ砂の化学的組成」の表があります。
「ピーマンの生育および収量に対するサンゴ砂の施与効果」
http://www.affrc.go.jp/agrolib/RN/0000040974.pdf◆化石サンゴカルシウムの肥料を販売している企業のホームページに「化石サンゴの分析結果」(農林水産省)が引用されていますので参考までにご紹介します。
http://www2.plala.or.jp/coral-int/kyuushuu.com.p01.htm引用元の『肥料分析法 1987年版』(農林水産省農業環境技術研究所 1987)は府立図書館では所蔵しておりません。(当館所蔵の1972年版、1982年版には掲載されていませんでした)国立国会図書館には所蔵があるようです。