レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011/03/20
- 登録日時
- 2011/07/12 02:01
- 更新日時
- 2011/07/29 09:51
- 管理番号
- 埼熊-2011-030
- 質問
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解決
北九州の小倉にあり、やなせたかしが入隊していた、野戦重砲73部隊について知りたい。
- 回答
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やなせたかしの以下の著書には、野戦重砲隊に関する記述はあるが、野戦重砲73部隊について記述のある資料は見つからなかった。
『アンパンマンの遺書』(やなせたかし著 岩波書店 1995)
『人生なんて夢だけど』(やなせたかし著・イラスト フレーベル館 2005)
防衛省防衛研究所図書館(史料室)様より、以下の情報をいただく(2011/07/29 追記)
個人の履歴に関することまではわかりませんが、今回の件はよくある部隊名の誤りであると考えられます。
旧日本陸軍における部隊名は、正式な名称と通称号の2種類があり、これが混同されたと考えるのが妥当です。
当時、小倉にあった野戦重砲兵部隊は、正式名が「野戦重砲兵第六聯隊補充隊」(聯隊の本体は中国へ派遣されているため、その留守部隊)であり、通称号は「西部第七十三部隊」になります。
今回の件に関連して正式名と通称号が記載されている図書としては「兵旅の賦 第二巻昭和編(昭和53年 北部九州郷土部隊史料保存会発行)」p268があります。
- 回答プロセス
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やなせたかしの著書を調査する。
『アンパンマンの遺書』(やなせたかし著 岩波書店 1995)
p42-50「地獄の軟弱マン」に、やなせたかしの野戦銃砲隊での経験について詳しい記述あり。
『人生なんて夢だけど』(やなせたかし著・イラスト フレーベル館 2005)
p89-90 上記『アンパンマンの遺書』の記述の省略版で、内容はほぼ重なる。
〈野戦重砲兵〉をキーワードに、陸軍関係の資料を調査する。
『陸軍部隊戦史』(近現代史編纂会 新人物往来社 2001)
p224に「(前略)のちには(大正七年以降)随時戦場に投入される野戦重砲兵連隊が数多く創設された。」との記述あり。
『陸軍オール部隊名鑑』(芙蓉書房出版 1988)
『帝国陸軍編制総覧』の索引部分を書籍化したもの。この索引のp28とp78に〈野戦重砲兵聯隊〉の項、p76に〈野戦重砲兵旅団〉の項、p81に〈野戦重砲兵大隊〉の項あり。
この索引から『帝国陸軍編制総覧』を引いてみるが、73部隊の記述なし。
『戦後刊行戦史・戦記総目録(陸軍篇)』(西村正守 地久館 1987)
p221-224 「野戦重砲兵聯隊」の項あり。野重1、3-8、13-14、17-18、20、22連に関連する書籍が挙げられている。各書誌の目次には73部隊の記述のあるものなし。
《Google》を〈野戦重砲七三部隊〉をキーワードに検索するが、漫画家やなせたかしが属していたとの記述があるのみ。
《ジャーナリスト集団『無名会』》「靖国・中国・朝鮮半島 第8回」(http://blog.livedoor.jp/mumeikai/archives/50416243.html 2011/04/13最終確認)
- 事前調査事項
- NDC
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- 陸軍 (396 9版)
- 参考資料
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- 『アンパンマンの遺書』(やなせたかし著 岩波書店 1995)
- 『人生なんて夢だけど』(やなせたかし著・イラスト フレーベル館 2005)
- キーワード
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- 陸軍-日本
- やなせ たかし(1919-)
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000088363