レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2011年02月09日
- 登録日時
- 2011/03/13 12:00
- 更新日時
- 2011/03/13 12:03
- 管理番号
- 9000007178
- 質問
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解決
宮中歌会始の歴史について知りたい。
- 回答
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歌会始の起源は明かではなく、平安時代中期からという説もあるが明確な根拠はない。亀山天皇の文永4(1267)年1月15日には宮中で歌御会が行われているので、遅くとも鎌倉時代中期には遡ることができる。江戸時代前期の霊元天皇の貞享元(1684)年から正月の24日が定例となった。江戸時代末期にはしばらく途切れたが、明治2(1969)年には明治天皇により復興され、明治7(1874)年から一般国民にも詠進が認められた。詳細については照会資料をご覧ください。
- 回答プロセス
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1.『世界大百科事典』第3巻(平凡社 2007年)で「うたかいはじめ 歌会始」の項を確認すると、「藤原定家が《明月記》の建仁2年(1202)正月13日の条に記したのが記録上の初見」とあり、概略がわかる。
2.『皇室事典』(皇室事典編集委員会編著 角川学芸出版 2009年)の索引から「歌会始」をひくと、「045 現代の宮中儀式と行事」の項p189に「歌会始」があり概要の記載がある。また、「122 和歌の勅使と歌会始」の項p498-499に「…年始に天皇か上皇が催す歌会を歌御会始などと称する。起源は明かではないが、鎌倉時代中期の亀山天皇は文久4年(一二六七)の正月15日に内裏御会始を行っている」と書かれ、現在までの歴史について記述がある。
3.『国史大辞典』第2巻(国史大辞典編集委員会編 吉川弘文館 1980年)の「うたかいはじめ 歌会始」の項にも、歌会始の歴史について概略の記述があったが、参考文献の掲載はなかった。
4.自館システムで書名「歌会始」を検索し、該当資料を確認すると、次のものに歴史についての記述があった。
・『宮中歌会始』(菊葉文化協会編 毎日新聞社 1995年)→「歌会始の歴史と現在」の章に「歌会始の起源と沿革」の項があり、歌会始の起源や沿革(昭和戦前まで)について記述され、現在の歌会始についての説明がある。
・『平成の宮中歌会始:天皇陛下御即位二十年記念出版』(菊葉文化協会編 日本放送出版協会 2009年)→「歌会始とは」の章に「歌会始の歩み」の項があり、明治時代以降の歌会始の歴史について記述されている。
・『宮中新年歌会始:ご詠進の手引き』(入江相政ほか編著 実業之日本社 1979年)→「歌会始と披講:その由来と異議」(坊城俊民著)戦前の歌会始」の項あり。
5.インターネットの宮内庁webサイト(http://www.kunaicho.go.jp/ ※2011.2.9確認)には、「皇室に関わる文化」として「歌会始」の説明があり、歴史についても記述がある。
- 事前調査事項
- NDC
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- 詩歌 (911 9版)
- 参考資料
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- 『世界大百科事典』第3巻(平凡社 2007年) (p257)
- 『皇室事典』(皇室事典編集委員会編著 角川学芸出版 2009年) (p189,p498-499)
- 『国史大辞典』第2巻(国史大辞典編集委員会編 吉川弘文館 1980年) (p98)
- 『宮中歌会始』(菊葉文化協会編 毎日新聞社 1995年) (p25-26)
- 『平成の宮中歌会始:天皇陛下御即位二十年記念出版』(菊葉文化協会編 日本放送出版協会 2009年) (p9-24)
- 『宮中新年歌会始:ご詠進の手引き』(入江相政ほか編著 実業之日本社 1979年) (p62-68)
- 宮内庁webサイト「歌会始(皇室に関わる文化)」(http://www.kunaicho.go.jp/culture/utakai/utakai.html ※2011.2.9確認)
- キーワード
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- 歌会始
- 歌御会始
- 皇室
- 和歌
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 歌会始は、明治・大正時代には「歌御会始」と言われた。大正15(1926)年公布の「皇室儀制令」により、名称を「歌会始」と改めた。
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 文学一般
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000081830