このページではJavaScriptを使用しています。お客様の閲覧環境では、レファレンス協同データベースをご利用になれません。

レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000080306
提供館
(Library)
愛知芸術文化センター愛知県図書館 (2110019)管理番号
(Control number)
愛知県図-02507
事例作成日
(Creation date)
登録日時
(Registration date)
2011年02月24日 02時06分更新日時
(Last update)
2013年06月15日 19時28分
質問
(Question)
戦後、名古屋市にもその導入が検討された「特別市制」について、当時どのような議論がなされたか、それを知りたい。
回答
(Answer)
「特別市」の概要について、【資料1】【資料2】【資料4】を紹介。
当時の議論の内容について、【資料8】【資料13】等を紹介。
【資料8】には、都市、府県、双方が作成した文書や、当時の新聞記事の抜粋など、様々な立場からの多様な意見が収録されています。
【資料13】p134-137に、特別市の議論を含めた昭和20年代における府県と市町村との対立について、概要が記されています。
特別市に関する5都市側の論点と5府県側の反論が、次のようにまとめられています。
<五大都市側>
(1)大都市における行政の質は中小都市と異なる
(2)行政能力でも府県と同等以上の大都市において府県と二重行政になり、かつ府県と国から二重の監督を受けることは、行政の簡素化・能率化に反する
<五大府県側>
(1)二重行政・二重監督の排除は、特別市制をつくらなくても、事務の再配分によって可能である
(2)特別市ができると、残ったその地域の府県が弱体化して行政運営ができなくなる
回答プロセス
(Answering process)

1.用語の確認・確定と基本情報の入手
【資料1】【資料2】、および【資料2】に参考文献として紹介されていた【資料3】から、「特別市」に関して次のようなことが判った。
 ・昭和22年に公布施行された地方自治法(第264~280条)で、特別地方公共団体の一種として「特別市」の制度が設けられたこと。
 ・「特別市」は都道府県の区域外とし、人口50万以上の市について法律で指定するものとすること。
 ・「特別市」の事務及び権能は、都道府県及び市のそれを併有すること。
 ・「特別市」の指定をめぐり5大市側(大阪市、名古屋市、京都市、横浜市、神戸市)と5府県側(大阪府、愛知県、京都府、神奈川県、兵庫県)との間に激しい紛争が展開されてきたこと。
 ・「特別市」の指定は、その市を包含する府県に決定的影響を及ぼすことから、特別市指定法律は、結局は制定されるに至らなかったこと。
 ・昭和31年の地方自治法改正により、特別市に関する規定が削除され指定都市に関する特例が設けられたことによって、いちおう年来の紛争に終止符が打たれることになったこと。
 なお、【資料4】により昭和31年改正前の地方自治法第264-280条の各条文を、また【資料5】により昭和31年改正により当該条文が削除されたことを確認した。

2.文献の探索
(1)当館所蔵資料の検索
検索項目のフルテキストに「特別市」で任意一致により、【資料6】【資料7】【資料8】などがヒットした。
【資料8】は、明治から昭和にかけての大都市制度に関する史資料を収集したもので、戦後の特別市に関しては、都市側と府県側の双方が作成した文書等をはじめ、各種の団体や会議の決議、官公庁の文書や資料、主要紙の記事など、多様な種類の資料が広範に収録されている。
(【資料6】【資料7】および【資料7】に対して五大都市側が再反論した文書「特別市制反対理由書について」なども、いずれも第2巻に全ページがそのまま復刻収録されている。)
当時の議論を原資料によって提示するのに適当と考えられる。

(2)各種の冊子体目録の検索
当館所蔵の【資料9】【資料10】【資料11】等を用いて文献探索したところ、【資料9】では【資料6】【資料7】をはじめとする関係自治体作成資料等(【資料8】掲載分も含む)、【資料10】では例えば【資料12】【資料13】のような図書資料を見つけることができた。
【資料11】では(見出しで判断する限り)関係すると考えられる雑誌記事を見つけることはできなかった。

(3)CiNiiによる雑誌論文検索
CiNii Articles( http://ci.nii.ac.jp/)のサイトで、論文名「特別市」任意一致で検索すると84件がヒット(2012..4.10現在)。うち、関連文献と考えられるものは約18件。
論争の同時代である1950代前半のものと、約半世紀を経過した後の1988年以後のものとに2分している。

3.自治体史等の参照
当初の調査で『愛知県昭和史』下巻(愛知県1973)、『名古屋市会史』第11巻(名古屋市会事務局1958)、等を紹介したのと同様に、5都市・5府県の自治体史、議会史等に、関連記述が掲載されている可能性がある。
各自治体刊行資料の名称は次のとおり。(市、市議会、府県、府県議会、の順)
「横浜市史」「横浜市会の百年」「神奈川県史」「神奈川県議会史 続編」
「新修名古屋市史」「名古屋市会史」「愛知県昭和史」「愛知県議会史」
「京都の歴史」「京都市会史」「京都府百年の年表」「京都府百年の資料」「京都府百年のあゆみ」「京都府議会史」
「昭和大阪市史」「大阪市会史」「大阪百年史」「大阪府議会史」
「新修神戸市史」「神戸市会史」「兵庫県百年史」「兵庫県議会史」

事前調査事項
(Preliminary research)
NDC 
参考資料
(Reference materials)
【資料1】『新自治用語辞典』新自治用語辞典編纂会/編 ぎょうせい 2000.9 (R/318.03/シン/7922193  p.689「特別市」の項)
【資料2】『日本近現代史辞典』日本近現代史辞典編集委員会/編 東洋経済新報社 1978 (1101397775 R/210.6/ニ10/ p.467-468「特別市問題」の項  →参考文献として[3])
【資料3】『地方制度小史』亀卦川浩/著 勁草書房 1962 (1101916377 B/318/キ2/ p.234-235,256-261)
【資料4】『六法全書』昭和31年版 我妻栄,宮沢俊義/責任編集 有斐閣 1956 (1101735881 B/320.9/ワ/1-956 p.394-396)
【資料5】『六法全書』昭和32年版 我妻栄,宮沢俊義/責任編集 有斐閣 1957 (1101735890 B/320.9/ワ/1-957 p.236)
【資料6】『特別市制理由書』五大市共同事務局/編 五大市共同事務局 1951 (1101908375 B/318.1/ゴ/)
【資料7】『特別市制反対理由書』京都府[ほか4府県]/編 京都府 1952 (1101918148 B/318.3/キ/)
【資料8】『大都市制度史』資料編(全3巻) 高瀬嘉一郎/編 指定都市事務局 1976 (B/318.3/タカ/411380~411382)
【資料9】『資料目録』平成12年3月末現在 自治研修協会地方自治研究資料センター/編 自治研修協会地方自治研究資料センター 2001.3 (R/318.03/チホ/794244 p.22-25「03都政・大都市制度」の項)
【資料10】『政治・行政問題の本全情報』(3冊) 日外アソシエーツ 1998-2009 (R/310.31/ニチ/760408,813437,976624 「地方自治・地方行政」「地方自治法」「地方自治制度」「地方自治史」「都市政策」等の各項)
【資料11】『大宅壮一文庫雑誌記事索引総目録』件名編6 大宅壮一文庫 1985.8 (1101369378 027.5/オ3/1-2-6 ※収録期間1968-1984 「地方、地方自治」「都市について」等の各項)
【資料12】『地方自治読本』磯村英一,星野光男/編 東洋経済新報社 1957 (1101916009 B/318/イ/ p.254-255)
【資料13】『戦後自治体改革史』鳴海正泰/著 日本評論社 1982.10(戦後史双書) (1101910892 B/318.2/ナ/ p.134-137)
キーワード
(Keywords)
特別市
市制
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
内容種別
(Type of subject)
質問者区分
(Category of questioner)
登録番号
(Registration number)
1000080306解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
Twitter

このデータベースについて
国立国会図書館が全国の図書館等と協同で構築している、調べ物のためのデータベースです。詳細

活用法

刊行物・グッズ
新着データ
最近のアクセスランキング
レファ協PickUP!