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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000078832
提供館
(Library)
愛知芸術文化センター愛知県図書館 (2110019)管理番号
(Control number)
愛知県図-01283
事例作成日
(Creation date)
2002/11/22登録日時
(Registration date)
2011年02月21日 02時03分更新日時
(Last update)
2014年08月17日 15時04分
質問
(Question)
「湯たんぽ」の歴史を知りたい。いつ頃、湯たんぽが日本に入ってきたか。
回答
(Answer)
湯たんぽは「湯湯婆」と表記し、元は中国から伝わったもので、「湯婆」と呼んでいました。「湯婆」は、資料3の『蔗軒日録』(室町時代中期の臨済宗の学僧の日記)の1486年10月9日に「湯婆」の記載があることから、少なくとも室町時代中期にはすでに日本にあったことがわかります。資料5によると室町時代に、資料6によると鎌倉時代に輸入されたと書かれています。
回答プロセス
(Answering process)
資料1で、「ゆたんぽ」を確認。「湯湯婆」と漢字表記されている。「「たんぽ」に、さらに「湯」を重ねたもの。「たん」、「ぽ」は、それぞれ「湯」「婆」の唐宋音。」とのこと。
 資料2で「湯婆」を確認。ゆたんぽのこととの記述。初出として「蔗軒日録-文明十八年(1486)一○月「居士借干予湯婆」とあり。このことから1486年(室町時代)には湯たんぽが日本に存在したことが分かる。

 資料4の「ゆたんぽ」の項によると、「「たんぽ(湯婆)」は中世に中国から伝わり、当時の日記にしばしば見られる。」とのこと。しかし、どの日記に見られたのかは記載なし。
 資料5によると、「ゆたんぽ」の項に、「「湯婆」は、室町期に輸入された。」とある。

 資料6によると、「湯湯婆(ゆたんぽ)」の項に、「鎌倉時代に<湯婆>といい、江戸期に受けつがれる。」、「鎌倉時代に中国から<火燵、行灯、脚蹈(櫂)>などと一緒に舶載された生活用具」とあり。このことから炬燵、行燈などについて調べてみる。
 しかし、資料7、8では、山東京伝の『骨董集』で、炬燵の出現を文安・文明(文安1444~8、文明1469~86)以後、文亀頃(1501~3)としていることを紹介している。他の資料でも炬燵は室町時代、戦国時代の登場としており、鎌倉時代に日本に入ってきたという記述は見つけられなかった。行燈に関しては、資料9に、「行燈の出現は永正よりも猶以前で、室町時代から此器の存在、使用が書籍に記載されている。」とある。ただ、「『鎌倉年中行事』に成氏の行列を記して 続松(松明の事)二丁、行燈一つ とあり」との使用例も記されており、鎌倉時代にすでに行燈はあったのかもしれない。
 「暖房の歴史」という観点からも当館所蔵の資料を探すが、湯たんぽの起源に関わる記述があるものは見当たらず。

 CiNiiで「湯たんぽ」を検索すると、伊藤紀之氏の雑誌記事が資料11~15ほか多数ヒットするが、当館で確認できるものには湯たんぽの起源についての記載なし。(当館OPACで伊藤紀之氏の著書を探すが湯たんぽの起源に関わる資料なし。)

 インターネットにて「伊藤紀之」、「湯たんぽ」のキーワードで検索すると、下記の資料11~15を紹介したメールマガジンがヒット。「湯たんぽがはじめて日本の歴史に登場するのは、室町時代」としている。
「光文社新書メールマガジン Vol.0028, 2012.5.31配信 連載「爆笑!ニッポンの珍論文」 第13回(最終回) 湯たんぽ異聞」( http://www.kobunsha.com/special/sinsyo/member/serial/pdf/bn013_sm0028.pdf  最終確認:2013.11.12)
 「湯たんぽ」で検索すると、他に下記のものがあり、『蔗軒日録』の記述を紹介して、「遣明貿易の帰り船で大陸からもたらされたものであろう。」としている。
「道具の真相 連載14-15 ローテク道具の底力! [湯たんぽ] 村瀬春樹」 (2011.10.12, 10.19)
http://www.cataloghouse.co.jp/yomimono/doguno-shinsou/20111012_01.html  最終確認:2013.11.12)
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
衣住食の習俗  (383 9版)
参考資料
(Reference materials)
資料1:日本国語大辞典第二版編集委員会, 小学館国語辞典編集部 編. 日本国語大辞典 第13巻 第2版. 小学館, 2002.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000003061408-00 , ISBN 4095210133 (1108078087)
資料2:日本国語大辞典第二版編集委員会, 小学館国語辞典編集部 編. 日本国語大辞典 第8巻 第2版. 小学館, 2001.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000003023983-00 , ISBN 4095210087 (1108014508)
資料3:東京大学史料編纂所/編纂. 大日本古記録 蔗軒日録. 岩波書店, 1953.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000001-I003437351-00  (1100263285)
資料4:小松寿雄, 鈴木英夫 編. 新明解語源辞典. 三省堂, 2011.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000011255649-00 , ISBN 9784385139906 (1110242930)
資料5:吉田金彦 編. 衣食住語源辞典. 東京堂出版, 1996.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002546990-00 , ISBN 4490104340 (1107094602)
資料6:杉本つとむ 著. 語源海. 東京書籍, 2005.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000007680630-00 , ISBN 4487797438 (1108677153)
資料7:宮本馨太郎 著. 灯火 : その種類と変遷. 朝文社, 1994.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000002380580-00 , ISBN 4886951198 (1106629792)
資料8:「江戸時代の院御所における炬燵について」(『風俗』 第20巻4号 1981.12 p.37-44) (Z /380 /フ2)
資料9:内阪素夫 著. 日本燈火史. つかさ書房, 1974.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001222206-00  (1100994637)
資料10:日本随筆大成編輯部 編. 日本随筆大成 第1期 15. 吉川弘文館, 1976.
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I000001238232-00  (1102695922)
資料11:「湯たんぽの形態成立とその変化に関する考察 Ⅰ」(『共立女子大学家政学部紀要』 第53号 2007年 p.25-32) (所蔵なし)
資料12:「湯たんぽの形態成立とその変化に関する考察 Ⅱ」(『共立女子大学家政学部紀要』 第54号 2008年 p.67-73) (所蔵なし)
資料13:「湯たんぽの形態成立とその変化に関する考察 Ⅲ」(『共立女子大学家政学部紀要』 第55号 2009年 p.1-8) (所蔵なし)
資料14:「湯たんぽの形態成立とその変化に関する考察 Ⅳ」(『共立女子大学家政学部紀要』 第56号 2010年 p.13-21) (所蔵なし)
資料15:「湯たんぽの形態成立とその変化に関する考察 Ⅴ」(『共立女子大学家政学部紀要』 第57号 2011年 p.11-16) (所蔵なし)
キーワード
(Keywords)
湯たんぽ
湯婆
こたつ
行燈
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
未確認:大田区HPに、大田区郷土博物館開催の特別展「冬のぬくもり、エコ暖房 湯たんぽ」(会期:平成23年10月30日~12月18日)の情報あり。湯たんぽの由来や歴史についても説明があったようなので、図録に何か記載があるかもしれない。→この図録には『蔗軒日録』と同じ年文明十八年の『温故知新書』にも湯たんぽの記述があるとの情報をいただきました。情報提供ありがとうございます。(2014.8.17追記)
『おまるから始まる道具学 モノが語るヒトの歴史』村瀬 春樹/著(平凡社 2005.3) に湯たんぽの項あり。
調査種別
(Type of search)
内容種別
(Type of subject)
質問者区分
(Category of questioner)
登録番号
(Registration number)
1000078832解決/未解決
(Resolved / Unresolved)