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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000074523
提供館
(Library)
相模原市立相模大野図書館 (2210033)管理番号
(Control number)
相大-H22-0074
事例作成日
(Creation date)
2010年9月2日登録日時
(Registration date)
2010年11月28日 11時34分更新日時
(Last update)
2010年11月28日 11時48分
質問
(Question)
大正10年(1921)に陸軍の大演習が東京近辺で行われたかどうか知りたい。
回答
(Answer)
大正10年(1921)11月17日から20日にかけて、東京および横浜の二都市を含んだ武相地域(現在の埼玉、東京、神奈川の大部分)を中心に行われた。
演習の中でも、「陸軍特別大演習」といわれ、大元帥(天皇)が統監として通常は毎年1回実施。日数は4日前後となっている。
大正10年の大演習は、大正天皇の名代として皇太子裕仁(後の昭和天皇)が初めて統監を行った。
司令官は、東軍は大井成元(オオイ シゲモト)、西軍は梨本宮守正王(ナシモトノミヤ モリマサオウ)。
大本営は、横浜市。

東軍の兵力は、近衛師団、第一師団、独立歩兵聯隊、騎兵集団(第一旅団、第二旅団)、野砲第一旅団、独立重砲聯隊、独立重砲中隊、野戦高射砲、航空第二大隊、独立気球中隊、野戦電燈、軍電話隊、軍無線電信隊、軍自動車班、鳩通信班。
*東軍 航空隊:戦闘中隊(スパッド十機)、爆撃偵察中隊(サルムソン十機)、偵察中隊(モ式八機)。

西軍の兵力は、第三師団、第十三師団、第十四師団、独立重砲兵聯隊、独立重砲兵大隊、航空第四大隊、軍電話隊、軍無線電信隊。
*西軍 航空隊:戦闘中隊(ニューポール十機)、爆撃偵察中隊(サルムソン十機)、偵察中隊(モ式十機)、独立空中隊(コードロン三機、エフ六十号)

両軍の決戦は、11月19日深夜から20日早朝にかけて、多摩川をはさんで展開された。
大演習終了後の11月22日、代々木練兵場で観兵式が行われた。併せて、初めて航空隊による空中分列式も行われた。
回答プロセス
(Answering process)
1:自館OPACで〝陸軍〟〝演習〟をキーワードに検索→ヒットせず。

2:分類39(国防・軍事)の資料を参考に、演習について調べる。
→『日本陸海軍総合事典』(秦 郁彦/編 東京大学出版会 1991年【S09238809 R392】)P677「演習(陸軍)」の項目に「特別大演習 大元帥(天皇)が統監として通常は毎年1回実施。日数は4日前後。」とあり。

3:2の内容から、〝陸軍〟〝大演習〟〝陸軍特別大演習〟をキーワードに、神奈川県立図書館OPACで横断検索
→『大正10年陸軍特別大演習絵葉書』(神奈川県立図書館蔵書 1921年)がヒット。資料の詳細によれば、3枚入りと4枚入りあり。

4:〝陸軍特別大演習〟をキーワードに、国立国会図書館の「リサーチナビ」を用いて検索
→本の資料が169件ヒット。この中に
『大正一〇年陸軍特別大演習 東京府記録』(東京府/編 大正14年(1925) 近代ライブラリー所蔵/国立国会図書館にマイクロフィッシュの形態でもあり)
『陸軍特別大演習地図 大正十年度紀念』(黒岩芳馬(クロイワ ヨシマ)/著 萩田春風堂 1921年 国立国会図書館所蔵)
があり。
『大正一〇年陸軍特別大演習 東京府記録』は、記録写真に類するもので、大演習そのものの記述はみあたらなかった。

5:3と同じキーワードを用いて、インターネット検索
→サイト名「陸軍特別大演習沿革-日本近代史と戦争を研究する」がヒット。【URL  http://d.hatena.ne.jp/higeta  最終確認日 2010.9.14】
→サイト内より、演習について〝大正10年 武相地方〟の記述あり。
出典に『北海道統計』第41号、昭和11.9,14頁 とあったため、この資料を相模原市内、神奈川県内、国会図書館でそれぞれ横断検索をかけたが、見つけることが出来なかった。

6:5の情報より、演習の東軍司令官が大井成元(オオイ シゲモト)、西軍司令官が守正王(モリマサオウ)であることも分かった。
この人物について、前述の『日本陸海軍総合事典』や『日本陸海軍の制度・組織・人事』(日本近代史料研究会/編 東京大学出版会 1979年【S07365950 R390】)で調べる。

①大井成元:『日本陸海軍の制度・組織・人事』P17にあり。演習時の地位は軍事参議官。

②守正王:『日本陸海軍総合事典』や『日本陸海軍の制度・組織・人事』では“守正王”の項目が見つけられなかったため、『国史大辞典 13』(国史大辞典編集委員会/編 吉川弘文館 1992年【S09374778 R210.0】)にあたったところ、P876に「守正王」とあり。そこから“梨本宮(ナシモトノミヤ)守正王”であることが分かる。
→“梨本宮守正王”で改めて調べたところ、『日本陸海軍総合事典』ではP107、『日本陸海軍の制度・組織・人事』ではP54に項目あり。演習時の地位は軍事参議官。
→これらの資料から、守正王の妃が鍋島伊都子(ナベシマ イツコ/梨本宮伊都子)であることが分かったため、既知の資料である『梨本宮伊都子妃の日記』(小田部雄次/著 小学館 1991年【S08583031 288.44】)をみたところ、P167~168に演習に関する記述あり。
大正10年11月17日から20日にかけて行われた、神奈川県の横浜方面も含めた演習であることが分かった。

7:武相および横浜方面ということで、自館の郷土資料にあたる。分類はK。
『神奈川県史』(神奈川県県民部県史編集室/編 神奈川県 【K0-21】)
『横浜市史』(横浜市/編 横浜市 【K2-21】)
などにあたるが、見当たらず
→『横浜近代史総合年表』(松信太助/編 有隣堂 1989年【S08022634 K2-26】)P418に〝11.17 陸軍特別大演習 武相の平原で展開〟とあり。

8:5および7の情報から、〝武相地方〟をキーワードにインターネット検索をかけたところ、横浜市立図書館ホームページ内にある瀬谷区の郷土資料『瀬谷区の歴史 生活資料編 2』(瀬谷区の歴史を知る会/編 1979年)の目次にある〝兵役篇 武相地方特別大演習〟がヒット。
確認したところ、P300に掲載あり。
演習は、11月17日早暁より始まり、東京師管の各兵科の軍団は、南軍、北軍に別れて陣を敷いたことが分かった。

横浜市立図書館トップページ>横浜を知る>横浜の郷土資料を探す>瀬谷区>『瀬谷区の歴史 生活資料編 2』
【URL http:www.city.yokohama.jp/me/kyoiku/library/kyodo/seya.html 最終確認日 2010.9.14】

9:「聞蔵Ⅱビジュアル」を用いて、当時の記事を検索。対象期間は、大正10年11月16日から11月22日の朝・夕刊の東京版。
その資料より、以下のことが分かった。
①皇太子裕仁(後の昭和天皇)による、初めての統監
②大本営は横浜市
③東軍・西軍の兵力

東軍:近衛師団、第一師団、独立歩兵聯隊、騎兵集団(第一旅団、第二旅団)、野砲第一旅団、独立重砲聯隊、独立重砲中隊、野戦高射砲、航空第二大隊、独立気球中隊、野戦電燈、軍電話隊、軍無線電信隊、軍自動車班、鳩通信班(大正10年11月17日朝刊)
*東軍 航空隊:戦闘中隊(スパッド十機)、爆撃偵察中隊(サルムソン十機)、偵察中隊(モ式八機)(大正10年11月17日朝刊)

西軍:第三師団、第十三師団、第十四師団、独立重砲兵聯隊、独立重砲兵大隊、航空第四大隊、軍電話隊、軍無線電信隊(大正10年11月17日朝刊)
*西軍 航空隊:戦闘中隊(ニューポール十機)、爆撃偵察中隊(サルムソン十機)、偵察中隊(モ式十機)、独立空中隊(コードロン三機、エフ六十号)(大正10年11月17日朝刊)

④両軍の決戦は、11月19日深夜から20日早朝にかけて、多摩川をはさんで展開された。(大正10年11月21日夕刊)
⑤大演習終了後、11月22日、代々木練兵場の観兵式において、初めて航空隊による空中分列式が行われた。(大正10年11月21日および22日夕刊)

*【】内は、自館の資料コードと請求記号
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
国防.軍事  (390 9版)
国防史.事情.軍事史.事情  (392 9版)
参考資料
(Reference materials)
『日本陸海軍総合事典』(秦 郁彦/編 東京大学出版会 1991年)
『日本陸海軍の制度・組織・人事』(日本近代史料研究会/編 東京大学出版会 1979年
『国史大辞典 13』(国史大辞典編集委員会/編 吉川弘文館 1992年)
『梨本宮伊都子妃の日記』(小田部雄次/著 小学館 1991年)
『横浜近代史総合年表』(松信太助/編 有隣堂 1989年)
『瀬谷区の歴史 生活資料編 2』(瀬谷区の歴史を知る会/編 1979年)
キーワード
(Keywords)
陸軍
陸軍特別大演習
大井成元
梨本宮守正王
横浜市
武相地方
演習
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
事実調査
内容種別
(Type of subject)
質問者区分
(Category of questioner)
社会人
登録番号
(Registration number)
1000074523解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決
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