レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 登録日時
- 2010/09/29 15:22
- 更新日時
- 2019/08/29 13:51
- 管理番号
- 八幡児童 125
- 質問
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解決
エベレストになぜゴミが捨てられるか分かる資料はありますか?
- 回答
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野口健さんの著書『あきらめないこと、それが冒険だ』(学研)には「ゴミひろいの体験から分かったことだが、ゴミを捨てるのが多いのは圧倒的にアジアの国々だった。アジアの国々には「環境」や「環境問題」に対する考え方があまりない。環境保護の歴史が浅い。だから、ゴミが環境を破壊するといっても、ピンとこないところがある。」とありました。また、『自然と国家と人間と』(日本経済新聞出版社)には、「今まで清掃活動は八〇〇〇メートルという高所で行ってきたが、大切なことは地元の人々にこの活動を広めることだ。なぜならネパールに限らず発展途上国の人々は環境保護に対する意識が十分ではない。生きていくことが精いっぱい。衣食住が保証され、初めて環境保護まで意識が及ぶのだろう。したがってヒマラヤの麓に住む人々が出すゴミも深刻だ。」とありました。
雑誌『THE21』№293(PHP研究所)の「エコ対談 北橋健治(北九州市長)vs.野口健(アルピニスト) 小さな活動でも偉大な一歩「ゴミ拾い」から始めよう」には、「山の自然環境を守るためには、一台数百万円もする「バイオトイレ」を使いバクテリアによって排泄物を分解しないかぎり、完全に自然に返すことはできません。」と排泄物もゴミとなること。ヨーロッパでは義務教育の中に組み込まれている環境教育が、日本ではされていないことが議論されていました。
また、インターネットの「環境goo エベレストに放置されたに本のゴミ 野口健」には、「悪天候のなか体力が尽きて捨てていったのならまだしも、どうみても、そういう状況下はない場所にこれらのゴミはみつかったのです」「日本人やアジアの国々の人々がゴミを山に捨てていくのは、人間性の問題ではない。日本人が道端にタバコの吸いがらやガムを平然と捨てていくのは、お国柄。国民性なのです」という記載があり、紹介しました。
- 回答プロセス
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業務端末で「エベレスト」「ゴミ」を検索すると、『あきらめないこと、それが冒険だ』(野口健/著 学研 2006)がヒットしました。それで野口健著作の本を調べました。分類で「ゴミ問題」が置かれている519の書架の本を確認しました。『ニュース探検隊 環境問題について考えよう』(池上彰、増田ユリヤ/著 学研 2007)、『みんなが知りたい!「環境問題」が分かる本』(カルチャーランド/著 メイツ出版 2008)、『ここまできた!環境破壊⑦人間が地球の環境をこわしてきた』(奈須紀幸/監修 ポプラ社 2002)を見ましたが、エベレストのゴミについての記載はありませんでした。
インターネットで、「エベレスト」「ゴミ」のキーワードで検索をしてみると「環境goo」にも野口氏のエベレストのゴミ問題についてのインタビューがあり紹介しました。田部井淳子氏の名前もあがったので自館所蔵の「田部井淳子」に関する図書を確認してみましたが、特にゴミ問題と関連のある事は書かれていませんでした。「野口健」「講演」「北九州」で検索をしてみると、雑誌『THE21』№293に北九州市長との対談が載っていることが分かったので確認をしました。この対談が行われたのが2008年8月2日で、新聞を調べましたがエベレストのゴミについての記載はありませんでした。また、2004年7月に福岡の毎日文化センターで野口さんが講演をされたので、毎日新聞を調べたところ、登山の経歴についての話だけが記載されていました。
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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- 『あきらめないこと、それが冒険だ』 野口 健著 学研 2006年 <289/ノ> (100頁)
- 『自然と国家と人間と』 野口 健著 日本経済新聞出版社 2009年 <786.1/ノ> (85頁)
- 『THE21』 №293 26(4) 94-97 PHP研究所 2009-04 (94頁)
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環境goo
http://eco.goo.ne.jp/(2011年2月1日) -
エコ対談 北橋健治(北九州市長)VS野口健(アルピニスト)--小さな活動でも偉大な一歩、「ゴミ拾い」から始めよう
http://157.1.40.181/naid/40016575968 (2019/08/29 リンク切れ確認)
- キーワード
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- エベレスト
- ゴミ
- 野口健
- 講演
- 北九州
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 内容種別
- 質問者区分
- 登録番号
- 1000071850