このページではJavaScriptを使用しています。お客様の閲覧環境では、レファレンス協同データベースをご利用になれません。

レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000070147
提供館
(Library)
岩手県立図書館 (2110044)管理番号
(Control number)
岩手-0041
事例作成日
(Creation date)
2010年7月5日登録日時
(Registration date)
2010年08月17日 15時38分更新日時
(Last update)
2010年08月31日 15時42分
質問
(Question)
江戸時代、南部藩領内に暦等の印刷物販売代理店はあったのか。
『歳号重宝記』という江戸時代の暦についても、詳しく知りたい。
回答
(Answer)
 江戸時代、南部藩領内では暦等の印刷物が販売されていた。
南部藩独自の暦として、田山暦や盛岡暦といった「めくら暦」。
他の地域から流通してきた「重宝記」の類。その他、往来物等の教材もあった。

○江戸時代、南部藩領内で印刷物販売に関わった所は次の通り。

 版元:藤田屋・舞田屋(販売と同一)・松田(野)屋・近江屋。
 出版屋:盛岡文寿堂・嘉久屋・雲錦堂。
     その他、盛岡藩学校明義堂、等の教育機関でも教材等の印刷物刊行。
 販売:舞田屋(版元と同一)・釶屋・大巻屋・和久屋・柳屋。

○『歳号重宝記』について

  重宝記とは、参考資料1の3頁によると“主として本屋が主導し企画編集する、
 一般民衆向けの学習教育参考書”であり、江戸時代に始まった。
 歳号重宝記は年代年号の重宝記に当り、発行年によって、年号重宝記や
 万宝永代新雑書、東武隠士渡観子撰といった名称を持つ。
  
 参考資料1『重宝記の調方記 生活史百科事典発掘』
  p.39 本文一部抜粋
  “○寛延二年(一七四九)頃、『年号重宝記』(裏面は『万宝永代新雑書』)。
   版元は江戸神田鍛治町一丁目燕泉堂燕屋弥七。宝暦四・十三、明和二・七、
   安永五、天明二年等と改版増刷が続く。宝暦四年から『歳号重宝記』となり、
   明和二年から「東武隠士渡観子撰」(裏面)、横山町一丁目が弐丁目となる。”
  p.192 重宝記の分類。
  p.423-425 内容:歳号重宝記の書誌情報。ただし、所蔵元は未掲載。

 『歳号重宝記』を所蔵している図書館等の公共施設は次の通り。
 (『年号重宝記』や『万宝永代新雑書』等の名称の場合、更に多くの所蔵館あり。)

 国立国会図書館(明和9年?版)
 宮城県図書館(明和7年版)
 九州大学記録資料館(江戸期版) 
回答プロセス
(Answering process)
1) 地史資料に記述確認。

  参考資料2『図説盛岡四百年 上巻』
   p.272-273 盛岡生姜町の藤田屋、舞田屋利作について記述あり。
   p.282-285 安政5年(1858)・盛岡文寿堂(生姜丁舞田屋板木)について記述あり。
   p.354-359 盛岡の藩学と庶民の教育
   p.364 御城下の出版屋(嘉久屋、雲錦堂) 7行程度記述あり。
        生姜町舞田屋理作 4行程度記述あり。

2) キーワード「南部絵暦」「往来物」及び暦学の分類(449)をブラウジング。

  参考資料3『岩手県立図書館所蔵の『往来物』について』 
   p.4-5 舞田屋について記述あり。
   ○論文検索ナビゲータCINII(サイニイ)より閲覧可能。 
    http://ci.nii.ac.jp/ (最終アクセス日 2010年8月17日)

  参考資料4『南部絵暦』
   p.197 本文一部抜粋
   “舞田屋の当主は理作または喜作と襲名したもののようである。(中略)
   南部藩御用彫物師で各種の印刷物や柱暦の刊行を手がけており、
   廃藩置県以後も官報類の刊行にたずさわっていた商人で、 近世から近代に
   かけて南部文化の進展の上に舞田屋のはたした役割は大きいものがある。”
   p.203-204 松田(野)屋についての記述あり。
   p.220-224 舞田屋についての記述あり。

  参考資料5『南部絵暦』
   p.9-12 舞田屋、慶応三年(1867)10月・釶屋丁清兵衛についての記述あり。
   p.158-161 天保16年(1845)・大巻屋常治、嘉永7年(1854)・大巻屋豊治、
          嘉永5年(1852)・和久屋長兵衛の記述あり。
   p.162-163 舞田屋版書籍 
   p.164-165 舞田屋版鑑 

  参考資料6『田山暦・盛岡暦を読む』
   p.107-108,128-131 文化文政期、八幡丁の松田屋、神明前の近江屋、
              神明前の舞田屋について記述あり。
   p.114-116 舞田屋

  参考資料7『岩手の誇り その風物とめくらもの』 
   p.6-7 「盛岡盲暦」より 本文一部抜粋
   “舞田屋の古い事に関しては不明で、後えいの舞田文雄氏に伺ってもどうも
   判然としないそうで、新渡戸先生も、これ位の地位の人は当然藩の身帯帳に
   見えねばならぬ筈だが、見えないというのはやはり職人という身分からだろう
   と話された。”

  参考資料8『日本の暦 展示会目録』 
   p.28 舞田屋、柳屋清兵衛について記述あり。

3) 1と2の典拠資料を確認。
 
  参考資料9『南部藩宮古御水主文書 3』
   p.105 藤田屋について記述あり。
   (上記、岩手県立博物館∥編『南部絵暦』p.12の典拠資料ですが、
   「舞田屋」に当る記述が「藤田屋」と、なっています。)
   p.121-122 釶屋について記述あり。

  参考資料10「内史畧 4」(『岩手史叢 第4巻』に収録) 
   p.699 嘉永2年(1849)・和久屋長兵衛について記述あり。

4) 『歳号重宝記』について、キーワード「重宝記」で検索。
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
時法.暦学  (449 9版)
図書の販売  (024 9版)
参考資料
(Reference materials)
1『重宝記の調方記 生活史百科事典発掘』 長友 千代治/著 臨川書店 2005
2『図説盛岡四百年 上巻』 吉田 義昭/編著 郷土文化研究会 1983
3『岩手県立図書館所蔵の『往来物』について』(『弘前大学教育学部紀要』第100号 平成20年10月別刷) 郡 千寿子/著 弘前大学教育学部 2008
4『南部絵暦』 岡田 芳朗/著 法政大学出版局 1980
5『南部絵暦』 岩手県立博物館/編・出版 1983
6『田山暦・盛岡暦を読む』 工藤 紘一/著 熊谷印刷出版部 2004
7『岩手の誇り その風物とめくらもの』 佐藤 勝郎ほか/編 中儀本店 1970
8『日本の暦 展示会目録』 国立国会図書館/編・発行 1984
9『南部藩宮古御水主文書 3』 宮古市史編さん委員会/編 宮古市教育委員会 1982
10「内史畧 4」(『岩手史叢 第4巻』に収録) 岩手県立図書館/編 岩手県文化財愛護協会 1974
11『江戸時代の図書流通』仏教大学鷹陵文化叢書7 長友 千代治/著 仏教大学通信教育部 2002
12『盛岡めくら般若心経』(一枚物)  佐藤 勝郎/監修 トリョーコム 出版年不明
13『近世書籍研究文献目録』 鈴木 俊幸/編 ぺりかん社 1997
14『岩手県立図書館郷土資料目録(和本の部)』 岩手県立図書館/編・出版 1981
15『盛岡名人忌辰録』 飯坂 直美/著 盛岡市仏教会/出版 1940
16『岩手百科事典』 岩手放送岩手百科事典発行本部/編 岩手放送 1978
17『事典しらべる江戸時代』 林 英夫/編集代表 柏書房 2001
18『ビジュアル・ワイド江戸時代館』 小学館/編・発行 2002
19 日本古典籍総合目録  http://base1.nijl.ac.jp/~tkoten/about.html (最終アクセス 2010年8月17日)
20 NDL-OPAC  http://opac.ndl.go.jp/index.html (最終アクセス2010年8月17日)
21 Google  http://www.google.co.jp/ (最終アクセス2010年8月17日)
キーワード
(Keywords)
印刷
江戸
流通
販売
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
文献紹介
内容種別
(Type of subject)
郷土
質問者区分
(Category of questioner)
登録番号
(Registration number)
1000070147解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決