レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2009/10/28
- 登録日時
- 2010/01/08 02:13
- 更新日時
- 2011/08/29 17:19
- 提供館
- 京都市図書館 (2210023)
- 管理番号
- 右中-郷土-13
- 質問
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解決
嵯峨の三沢池(さんさわのいけ)の一つ、相沢池(あいざわのいけ)について知りたい。
- 回答
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嵯峨の三沢とは、京都市右京区嵯峨にある大沢池(おおさわのいけ)、広沢池(ひろさわのいけ)、北嵯峨にある相沢池のことです。
相沢池の所在地は、京都市右京区北嵯峨長刀坂町で、後宇多天皇陵より広沢池に至る間、広沢池の西北にあります。また遍照寺山と長刀坂との中間、長刀坂の南に当たり、竹薮に覆われた灌漑用の小さな池です。【資料1】~【資料6】をご覧ください。
相沢池は、大沢池と広沢池の間に当たる位置にあるため、その名が生まれたそうです。【資料7】より
また、長刀坂古墳群が近くにあり、古代の行政区としては山城国葛野郡で、【資料8】に相沢池の名前が出てきます。
【資料9】には相沢池に薄氷が張った湖面の写真があります。
*大沢池、広沢池については、下記資料やその他の資料にも多く記載されています。
大沢池…大覚寺の東にあり、嵯峨天皇が嵯峨院の造営に当たり中国の洞庭湖に擬して作られた池で、百人一首などの和歌に詠まれた名古曽(なこそ)の滝跡があります。
広沢池…灌漑用の溜池で、宇多天皇の孫である寛朝僧正(かんちょうそうじょう)が遍照寺を建てるにあたり作ったと伝えられています。しかし、8世紀に秦氏が造ったとの説もあります。
- 回答プロセス
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●“嵯峨野”、“(北)嵯峨”、“洛西”、“右京”、“葛野郡”のキーワードで京都市図書館の蔵書を検索し、歴史や地理、行政、写真集などの分野から見る。 相沢池の項目がなくても、大沢池、広沢池の項目も参考に見る。
●『新修京都叢書』『新撰京都叢書』の索引を見ると、【資料4】に記載がある。
都名所図会に記載があったので、都名所図会に関する資料を見る。
●地名辞典で嵯峨の項目を見るが、三沢や相沢池について記載はない。
●遍照寺山のふもと付近に相沢池があるので、ウォーキング、登山、路(みち)の分野から、また、地学(特に水に関する もの)、古墳、名所案内の分野から見る。
●学校史にはその学区の名所や歴史について書かれていることがあるので、嵯峨や北嵯峨の小学校史などを見る。
- 事前調査事項
- NDC
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- 日本史 (210 8版)
- 日本 (291 8版)
- 参考資料
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- 【資料1】『上嵯峨と北嵯峨』 (京都史蹟会編 綜芸舎 1953) p64
- 【資料2】『昭和京都名所図会 4 洛西』 (竹村俊則著 駸々堂出版 1983) p259
- 【資料3】『新撰京都名所図会 巻2』 (竹村俊則著 白川書院 1966) p191
- 【資料4】『新修京都叢書 第6巻 都名所図会』 (野間光辰編 臨川書店 1967) p388,389
- 【資料5】『嵯峨誌 平成版』 (嵯峨教育振興会 1998) 付録地図
- 【資料6】『史料京都見聞記 第2巻』 (駒敏郎ほか編 法蔵館 1991) p377(『思出草』より)
- 【資料7】『今昔都名所図会 3 洛西』 (竹村俊則文 京都書院 1992) p42
- 【資料8】『朝原山・長刀坂古墳群』 (立命館大学考古学研究会 2004) p35,図15
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【資料9】『嵯峨野』 (橋本健次著 旅行読売出版社 1992) p70,71
- キーワード
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- 相沢池
- 嵯峨野
- 北嵯峨
- 洛西
- 右京
- 都名所図会
- 嵯峨の三沢
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 郷土
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000061714