レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 登録日時
- 2009/12/09 11:11
- 更新日時
- 2011/02/10 16:27
- 管理番号
- 2009-070
- 質問
-
未解決
明恵房高辨の『観音講式』を探しています。
小野玄妙・丸山孝雄編『仏書解説大辞典』(大東出版社, 1999)には、「大日本仏教全書続刊予定書目」として説明されていました。
そこで、『大日本仏教全書』を実際に調べてみると、『観音講式』は収載されていませんでした。
そもそも明恵の『観音講式』自体存在するのでしょうか。
- 回答
-
『国書総目録』や 『国書人名辞典』の中で『観音講式』が高辨の著作として挙げられています。
所蔵場所の記載がありませんので、現物がどこで見られるのかは不明です。
回答プロセスで挙げられている参考文献等をあらためて調査してみてください。
- 回答プロセス
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1. 『国書総目録』を調べる。(データベース「日本古典籍総合目録」でも良い。)
→「観音講式 一巻 (類)仏教 (著)高辨 *仏書解説大辞典による」と記載あり
2. 利用者も調査済みということだったが、一応『仏書解説大辞典』を調べる。
→「①[日]Kwann-on-ko-shiki. ②一巻 ③存 ④高辨(承安三-貞永元A.D.1173-1232 一説貞永元、年六一寂)撰
⑦[参考] 大日本佛教全書續刊豫定書目」と記載あり
3. 当館所蔵の『大日本佛教全書』を確認
→『観音講式』は見つけられず。
『仏書解説大辞典』に「續刊豫定」とあるが、『大日本佛教全書』は明治45年~大正11年に刊行されて以来、
復刻はされているが、これまでに続刊された形跡なし。
※参考までに、『無常講式』という別の資料について、次のような記述を見つけた。
「・・・『仏書解説大辞典』に「無常講式-明恵高辨/[参考] 大日本佛教全書續刊豫定書目」と挙げられているが、不詳である。」
(花野 憲道著, 仁和寺蔵後鳥羽天皇御作無常講式影印・翻刻並びに解説, 『鎌倉時代語研究』, 11, p.295-334, 1987)
4. 『明恵上人資料』を確認
→第5巻に「上人所作目録・栂尾上人御製作目録解題」があり、p. 430の[参考]で紹介されている
『国書人名辞典』の「高辨」の項にある著作の中に『観音講式』が含まれることが分かる。
5. 『国書人名辞典』で、『明恵上人資料』の記述通り、「高辨」の項の著作の中に『観音講式』が含まれることを確認。
参考文献として『大日本史料』、『本朝高僧伝』、田中久夫著『明恵』(人物叢書)、『国史大辞典』が挙げられている。
- 事前調査事項
- NDC
- 参考資料
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- 「明恵上人資料」第1~第5, 『高山寺資料叢書』(東京 : 東京大學出版會 , 1971-2000.2) (大今図 B1階書庫 188.5||K)
- 『国書総目録』(東京 : 岩波書店 , 1989.9-1991.1) (大今図 参考室 025.1||K-1A )
- 『国書人名辞典』(東京 : 岩波書店 , 1993-1999.6) (大今図 参考室 281.03||I604 )
- 『大日本史料』([東京] : 東京帝國大學 , 1901.2-) (大今図 3階北書庫 210.088||D3 )
- 「本朝高僧伝」, 『大日本佛教全書』102(東京 : 佛書刊行會 , 1913) (大今図 B1階書庫 180.8||D||102 )
- 田中久夫「明恵」, 『人物叢書』60(東京 : 吉川弘文館 , 1961.2) (大今図 B1階書庫 188.32||M-2 )
- 『国史大辞典』(東京 : 吉川弘文館 , 1979.3-1997.4) (大今図 参考室 210.03||K10)
- 『仏書解説大辞典』(東京 : 大東出版社 , 1999.6) (大今図 参考室 028.18||O257-1G )
- 『大日本佛教全書』(東京 : 佛書刊行會 , 1917.2) (大今図 B1階書庫 180.8||D )
- キーワード
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献紹介
- 内容種別
- 質問者区分
- 学生
- 登録番号
- 1000060674