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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000058714
提供館
(Library)
京都市図書館 (2210023)管理番号
(Control number)
右中-一般-02
事例作成日
(Creation date)
2009/09/09登録日時
(Registration date)
2009年10月15日 02時10分更新日時
(Last update)
2011年08月29日 17時17分
質問
(Question)
正倉院の南倉103に所蔵されている、琵琶袋の縹地大唐花文錦(はなだじだいからはなもんにしき)の織り方や当時の織機について知りたい。
回答
(Answer)
縹地大唐花文錦は、8世紀の中国盛唐期に作られ、唐から舶載されたと考えられています。縦95cm、幅48cmで、もとの織幅は最低でも通常の2倍の百十数センチの広幅錦であったと考えられ、正倉院の上代唐花文錦の中で最大の規模です。

その構造は、横糸[緯(ぬき)]に複数の色糸を使って紋を表現する、三枚綾の複様綾組織緯錦(ふくようあやそしきぬきにしき)で、緯糸は約9色です。【資料1】【資料2】の拡大写真より細部を見ることができます。
また、縦糸、横糸の構造については、【資料3】~【資料5】、【資料7】に組織図、織り方については【資料6】(緯錦)があります。

織機としては、空引機(そらびきばた)という手織機が使われました。花機(かき)とも言い、錦、綾などの文様織用の織機で、絹物を織るための高機(たかはた)の上に鳥居と言われる枠、紋軸があります。空引機の構造や使い方については【資料8】~【資料13】に記載があります。
回答プロセス
(Answering process)
≪織り方、構造について≫
●正倉院の宝物なので、正倉院関連の本を見る。『正倉院裂と飛鳥天平の染織』p2~5、『日本美術全集 5』(正倉院)図106に拡大写真があり、織目を確認できる。

●染織、正倉院に関する資料の参考文献より、『日本上代織技の研究』、『上代錦綾特異攷』に複様綾組織緯錦の織目の構造図がある。また、『正倉院紀要』(2008年3月)p38~39に、平成3年龍村美術織物による縹地大唐花文錦の復元構造に関する記録がある。

●織り方については、『正倉院紀要』(2005年3月)p32~44に、緯錦の中でも赤地唐花文錦(あかじからはなもんにしき)、紫地鳳唐草丸文錦(むらさきじほうおうからくさまるもんのにしき)の復元の過程が、カラー写真や図入りで詳しく書かれている。縹地大唐花文錦の織り方が詳しく載っているものはなかったが、同じ緯錦の織り方が分かる。

●緯錦の織目については、『二十世紀西陣織物総覧』の図版No.5に緯錦の織物の裂サンプルがあるので、実際に織目を見ることができる。

≪織機について≫
●『日本の美術 No.263 染織』p64によると、“経錦、緯錦、浮文錦の大部分は空引機で織られたものと考えられる。”とのことなので、『新修京都叢書 第6巻』(都名所図会)の索引より空引機について調べる。西陣でも使われていたようなので、西陣史を見る。『西陣 美と伝統』p372~381に西陣織物器械図説として空引機の図と解説がある。

●参考文献に挙がっていた資料より、『江戸科学古典叢書』(機織彙編)を見る。空引機や高機の図が多い。
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
染織工芸  (753 8版)
芸術史.美術史  (702 8版)
繊維工学  (586 8版)
参考資料
(Reference materials)
【資料1】『正倉院裂と飛鳥天平の染織』 (松本 包夫著 紫紅社 1984) p1~5
【資料2】『日本美術全集 5 天平の美術 正倉院』 (学研 1999) 図106
【資料3】『日本上代織技の研究 川島織物研究所報告 第2報』 (川島織物研究所 1976)
【資料4】『上代錦綾特異攷 川島織物研究所報告 第5報』 (佐々木信三郎著 川島織物研究所 1973)
【資料5】『正倉院紀要 2008年3月』 (宮内庁正倉院事務局 2008) p29~52 古代織物の織技法の研究について-正倉院の錦を中心にして- 尾形充彦著
【資料6】『正倉院紀要 2005年3月』 (宮内庁正倉院事務局 2005) p1~46 繭(小石丸)を用いた正倉院裂の復元構造 森克己著
【資料7】『二十世紀西陣織物総覧 後編』 (京都市染織試験場 2001) 図版No.5
【資料8】『日本の美術 No.263』 染織 (至文堂 1988) p64、66
【資料9】『新修京都叢書 第6巻』 都名所図会 (野間光辰編 臨川書店 1967) p318、319
【資料10】『西陣 美と伝統』 (西陣五百年記念事業協議会 1969) p372~381 西陣織物器械図説
【資料11】『江戸科学古典叢書 機織彙編』 (青木國夫解説 恒和出版 1979) p97~112
【資料12】『事典絹と木綿の江戸時代』 (山脇悌二郎著 吉川弘文館 2002) p83~89 (高機と空引機についての説明が詳しい)
【資料13】『日本染織発達史』 (角山 幸洋著 田畑書店 1968)
キーワード
(Keywords)
正倉院
染織
緯錦
空引機
高機
西陣
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
調査種別
(Type of search)
文献紹介
内容種別
(Type of subject)
質問者区分
(Category of questioner)
社会人
登録番号
(Registration number)
1000058714解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
解決
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