レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2009/01/25
- 登録日時
- 2009/08/29 02:10
- 更新日時
- 2009/08/29 02:10
- 管理番号
- 千県中参考-2009-0001
- 質問
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解決
毛沢東と劉少奇と周恩来の3人が「どうしたら兎に唐辛子をなめさせることができるか」という茶のみばなしをしていた。
時代は米中交渉の開始直前のころと思われるが、この小話の原文と出典が知りたい。
- 回答
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『周恩来 不倒翁波瀾の生涯』(ディック・ウィルソン著 田中恭子,立花丈平訳 時事通信社 1987)
17「百花斉放 一九五六~五八年」の「百花斉放運動の開始」のp224に,次のような上海の小話の記載あり。
「…このころ上海で,こんな小話がはやっていた。毛が,いがみあっている二人の部下(劉と周)
に,ネコに胡椒を食わせるにはどうしたらよいか―資本主義者に共産主義を受け入れさせることを上
海流ユーモアで喩えたもの―たずねた。劉少奇は,ネコをおさえつけ,箸で喉に胡椒をおしこむのが
よいと答えた。毛は,力ずくはいけないとしてこれを認めなかった。周は,ネコを飢えさせておき,
胡椒を肉にくるんでまるごと飲みこませるのがよいと答えた。毛は,それはペテンだと言ってこの考
えにも満足しなかった。毛自身の考えは,ネコの尻に胡椒を塗れば,ヒリヒリするのでたまらずなめ
てしまうだろうというものだった。…」
なお,p223に「…百花斉放運動は五月一日に正式に開始された…」とあり。
また,「…一九五
六~五七年,周は,毛がこのような自由主義的な知識人政策を推進するのを強く支持したが,劉少
奇,朱徳,彭徳懐,林彪を含む他の多くの指導者たちは,このような政策をあからさまに無視した。…」とあり。
この小話の出典は,参考資料p338によれば,次のとおり。
ネコと胡椒
Karl Eskelund, The Red Mandarins(Alvin Redman, London, 1959)150~151頁
なお,原書は日本では所蔵館が少なく,京都大学経済学部図書室 上野文庫で所蔵。
The red mandarins : travels in Red China / Karl Eskelund. -- (BA44295095)
London : Redman, 1959 175 p. ; 23 cm
注記: ***遡及データをもとにした流用入力である ; Originally published
as De rode mandariner : Gyldendal, 1957 ; Translated from the Danish
別タイトル: De rode mandariner
著者標目: Eskelund, Karl 分類: DC18 : 915
このほか
『月とスッポンと日本語 : 究極の蘊蓄語録』( 明石散人著 講談社 2000)[四街道市立図書館より取寄せ]
p95
「一九五〇年代の末に毛沢東が劉少奇と周恩来を呼んで、猫は唐辛子を食べないが、この猫にどうや
ったら唐辛子を食べさせることができるかと尋ねるんです。」で始まる文があるが出典はない。
- 回答プロセス
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以下1~6には記載なし。
1『劉少奇語録 劉・毛の対比と小伝』(劉少奇[著] 宮川書房 1967)
2『消された国家主席劉少奇』( 王光美[ほか]著 吉田富夫訳 日本放送出版協会 2002)
3『中国「戯れ歌」ウォッチング 』(南雲智著 論創社 2000)
4『中国「こばなし」ウォッチング』(南雲智著 論創社 2003)
5『中国ジョーク集』(駒田 信二訳編 実業之日本社 1975)
6『毛沢東語録』(毛沢東[著] 和田武司訳 河出書房新社 1967)
Google <毛沢東>&<周恩来>&<唐辛子>で以下のサイトあり。
「中国 こんなものまで食べるの・・・4千年の歴史 25●猫に唐辛子を食べさせる」・
http://www.geocities.jp/xinrenshanghai/food25.html
の「参考文献 明石散人「月とスッポンと日本語」講談社」とあり。
Google<辣椒>&<周恩来>&<猫>で中国語の記事はヒットする。
- 事前調査事項
- NDC
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- 政治.経済.社会.文化事情 (302 9版)
- 参考資料
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- 『周恩来 不倒翁波瀾の生涯』(ディック・ウィルソン著 田中恭子,立花丈平訳 時事通信社 1987) (9102152092)
- キーワード
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- 小話
- 中国小話
- ネコと胡椒
- 毛沢東
- 周恩来
- 劉少奇
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 文献調査
- 内容種別
- 言葉
- 質問者区分
- 社会人
- 登録番号
- 1000057494