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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000053921
提供館
(Library)
神奈川大学図書館 (3310064)管理番号
(Control number)
09-006
事例作成日
(Creation date)
2009年5月7日登録日時
(Registration date)
2009年04月15日 09時38分更新日時
(Last update)
2009年05月22日 09時01分
質問
(Question)
吉田久先生について知りたい。神奈川大学で教鞭を取っていたころの様子や学生からの評判などを調べている。
吉田久の業績というよりは、神奈川大学時代の人間吉田久の実像に迫れるような情報を希望する。
回答
(Answer)
調査依頼者が求めるような、吉田久に対する学生の評判を知ることのできる資料は見付けることはできなかった。
ただし、神奈川大学の刊行物に吉田久の文章がいくつか掲載されており、多少は人となりを伺うことのできる内容の
ものがあった。また、吉田久が保管していた抜き刷りも多数保存されており、そこから同時代の研究者とのつながり
がわかるため、これも合わせて情報として提供する。

継続調査とする。

■『横専学報』、『神奈川大学通信』、『神奈川大学報』に以下の①から④の記事が収録されていた。
 以下、全文を転載する。

①【横専学報 第二十四号 昭和八年 七月十一日】
 先生から学生へ 往復ハガキ

 問の一
  夏休を何処でお過しになられますか、又どんなプランをお持ちでせうか
 問の二
  夏休中の参考資料又は其他有益な読物としてどんな書物を学生にお奨めになりますか。

 吉田久氏
 1 私自身としては今迄夏休みを何処で過ごそうかと考へたことはありませぬ、平素やりたいと思ってい
   て而もやれないことを幾分でもやれるのに夏休みを利用しているのが、私の仕来りと申してよいので
   あります。
 2 大森洪太氏著「裁判綺聞」などは好読物と存じます。

②【横専学報 第六十四号 昭和十二年七月十五日】
 特号 教授に聞く 
 一、生活信条
 二、生徒に推奨する書籍
 三、暑中休暇中の御計画

 吉田先生
 一、質実に過ごしたいものです。
 二、特に心当たりもありませんが政治にかんするものは見ない方がよいと思います。
 三、逗子に過ごしますが試験の答案査閲で思うに任せますまい。

③【神奈川大学通信 第44号 昭和34年11月2日 発行】
 遠い思い出の数々 三十周年に寄せて
 創立三十周年記念に際して、かつて本学の教職にあった方々と卒業生の主だった人達に左のようなアンケート
 を求めたろころ、それぞれ多数のご回答を得て感謝に耐えない。以上はその中の一部を採録したものである。
 ○旧教員の方々への御質問
  ①先生の横浜専門学校、神奈川大学の御在任期間
  ②当時御担任の学科目
  ③当時の学生の気風、あるいは校風につき御感想お洩し下さい
  ④当時の教授室風景其の他御感想がありましたら
  ⑤其の他本学に何らかの関係ある御追憶などありましたら

 吉田久 中央大学大学院
  ①前身横浜学院時代より専門学校横浜大学に至るまで二十数年に及ぶ
  ②民法
  ③大体、質実剛健の気風があった。これは米田学長の母校の校風の影響である。
  ④とても粗末なもの、よく先生達は辛棒されたと思います。
  ⑤今日の神奈川大学の盛況を思うにつけ、忘れてはならぬ恩人が三人ある。林頼三郎先生、平井彦三郎氏、
   西川一男氏。これらの人々は横浜学院時代よりの教学面に真に尽力された。

④【神奈川大学報 第85号 昭和42年(1967年)7月28日 発行】

 米田学長と創設の思い出 周到な注意と指針のもとに
 元横浜専門学校教授 吉田久 (本学評議員・法博)

  本学は昭和四十三年をもって創立四十周年を迎えるに至った。まことに偉なるかな、盛んなるかなである。
 『企画を授けた林頼三郎先生』
  さてここに至る源をたずねると、昭和二年の神田錦町の錦城中学校の校舎の一部を借りて、巡査及び看守
 に民事法学及び刑事法学の一般を授けることを目的とする特殊学校を創めたのが、その濫觴(らんしょう)
 である。この企画が米田学長によって為されたことは、いうまでもない。当時この企画を援助されていた林
 頼三郎先生からの委嘱があって、わたしと同僚西川一男氏は民事法を担当して学生の指導に当たった。
 それがら翌三年には、横浜駅(編集部注・現在の桜木町駅)側のコンクリート建物の二階に移転し、横浜学
 院と称し、教員の調備されたのであった。だが評判もよく、学生も増加したので、昭和五年には六角橋の原
 校地を借受け、さらに校舎も増築して、横浜専門学校をここに移転し、法律学科、経済学科及び貿易学科
 に加えて工学科を設け、押しも押されもしない一大専門学校が横浜市に出現するに至ったのである。わたし
 はその後も民法を担当して、講義を続けてきたが、母校の中央大学の教務が多忙になったので、昭和十七
 年に本学の教授職を退いた。
 『米田学長のこの功績を思う』
  かくて本学は専門学校として内容をを充実して、業績を挙げてきたが、昭和二十四年の学制改革に及び
 神奈川大学と改称して、大学令による大学に昇格し、短期大学をも併置して、名実ともに具わった大学とし
 て、法学部、経済学部、工学部、外国語学部を有する総合大学を出現した。この間の苦心計画は、言語に
 表しえないものがあったにかかわらず、米田学長は立派にこれをやってのけた。本学としては、米田学長
 のこの功績を忘れてはならないと、わたしは思うている。もちろんこれを授けた林頼三郎先生、樋貝詮三そ
 の他諸先生ならびに財界有力者の偉力を感謝すべきは、いうをまたない。
 『さらに雄飛発展を』
  爾来、米田学長の熱心な企画拡充は、年を逐うて進み、新校舎、図書館の設備及び教授陣容を充実した
 ばかりか、さらに昨年より法学研究科、経済研究科及び工学研究科を総合する大学院の設置をみるに至っ
 たことは慶賀に堪えない。なおわたくしは、その内容の整備拡充と教授陣容の強化を望んでやまない。
  本学の年度収支の予算をみるに、その総額は二十億五千万円余りに達し、本校舎の土地及び台村町校
 地ならびに寄宿舎敷地等を併せれば九万三千六百九十坪の土地を所有し、横浜市における官市立大学
 に比肩しても豪も遜色なき私学大学となり、将来ますますその雄飛発展を遂げるようになった盛観は、なん
 としても同慶に堪えない次第である。わたしは大学の評議委員として、その末席を汚す一員に過ぎないけれ
 ども、以上記述した本学発展の跡を顧み、一言祝詞を述べ、併せて米田学長に対して深甚の謝意を呈する。

■吉田久に贈られたと思われる抜き刷りが多数保存されている。抜き刷りに記された名前を以下列挙する。
 中村武、西川善介、沼正也、橋本公旦、平尾賢三郎、松永芳市、松原正晃
 三和一博、森清、天田一男、薬師寺志光、吉田常次郎、吉田豊、石田栄雄
 岩本軍平、岡村玄治、大橋光雄、伊藤英樹、神田博司、貝田守、河野義祐
 清瀬一郎、白川和雄、杉山公一、鈴木由次郎、田村幸策、高梨公之、高田武四郎
 滝野文三、玉田弘毅、塚本思頼
回答プロセス
(Answering process)
【調査戦略】
調査の動機としては、2008年8月に新潮社から発行された『気骨の判決』(ISBN:9784106102752)を読み、本学創設時の
教師であった吉田久の偉業を知ったこと。また、2006年度から学生の募集を停止した二部(夜間部)の最後の入学生のうち
約百五十人が3月に卒業を迎えたこともあり、吉田久の神奈川大学での足跡を調査しておきたいとのこと。
なお、調査内容としては、吉田久の業績ではなく、人間吉田久の実像に迫れるような情報を希望している。

【調査戦略】
まずは神奈川大学の大学史関係の資料を確認する。場合によっては史料編纂室にも問い合わせる。

【調査プロセス】
①『神奈川大学五十年小史』を読むと、「第1章 横浜学院の開設」のなかに神奈川大学創立四十周年記念に際して、当時評
  議委員を勤めていた吉田久博士の回想が掲載されていた。
②上記回想の出典として、『神奈川大学報』(第八十五号、昭和四十二年七月二十八日付)が挙げられていた。
③『神奈川大学報』(第八十五号)に該当する文章があったため、『横専学報』などの同様の資料も調査したところ、吉田久の
 文章を幾つか確認することができた。
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC 
参考資料
(Reference materials)
清永聡著『気骨の判決 : 東條英機と闘った裁判官』 新潮社 , 2008.8
神奈川大学編『神奈川大学五十年小史』 横浜 : 神奈川大学 , 1982.5
『横専学報』
『神奈川大学通信』
『神奈川大学報』
キーワード
(Keywords)
吉田久
横浜専門学校
気骨の判決
中央大学
民法提要
日本民法論
大審院第三民事部
幻の判決文
翼賛選挙無効判決
鹿児島県第二区選挙無効訴訟事件大審院判決
選挙争訟
東條英機
大審院判事
第21回衆議院議員総選挙
翼賛選挙
横専
清水 聡
児島惟謙
大津事件
神奈川大学
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
『気骨の判例』については以下のサイトなどを参照のこと

・『気骨の判決』東條英機と闘った裁判官 (新潮新書) (新書)
  http://www.shinchosha.co.jp/books/html/610275.html
・週刊文春(九月二五日号)で立花隆が紹介
  http://chez.tachibanaseminar.org/keisai/images/2008/doku080925_1.jpg
・asahi.com書評
http://book.asahi.com/review/TKY200809230071.html
・ウィキペディア
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%90%89%E7%94%B0%E4%B9%85

調査種別
(Type of search)
事実調査
内容種別
(Type of subject)
人物
質問者区分
(Category of questioner)
登録番号
(Registration number)
1000053921解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
未解決
関連ファイル
(Related Files)

吉田久著『日本民法論』修正箇所
吉田久著『日本民法論』修正箇所
昭和29年版の書き込み(前)が昭和33年版(後)に反映され修正されている。

『日本民法論(総則編)』修正箇所指示用紙
『日本民法論(総則編)』修正箇所指示用紙
出版年不明、ガリ版刷の資料に挟まれた修正指示

吉田久に贈られた抜刷(綴)
吉田久に贈られた抜刷(綴)
吉田久に贈られた抜刷(綴)

吉田久蔵書印 とサイン
吉田久蔵書印 とサイン
本学図書館には吉田久の旧蔵書が一部所蔵されている

続有閑法学
続有閑法学
穂積 重遠(ほづみ しげとお)からの謹呈本
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