レファレンス事例詳細
- 事例作成日
- 2008/09/14
- 登録日時
- 2009/03/18 02:12
- 更新日時
- 2009/04/02 18:20
- 管理番号
- 埼久-2008-066
- 質問
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解決
国内におけるがん患者の平均医療費(社会保険適用外を含む)およびその金額別分布を知りたい。
- 回答
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平均医療費のデータが掲載されていた下記2件の情報を紹介する。金額別分布は見あたらなかった。
1 濃沼信夫「がん医療の経済的評価」(『公衆衛生 2007.2』)に、患者アンケートによる自己負担額が掲載されている。〈がん治療における自己負担額と償還・給付額〉表および本文に説明あり。年間の平均自己負担額は93.1万円(4174名から回答。入院、外来、健康食品、保険料など含む)。
このデータの出典は厚生労働省委嘱研究「がんの医療経済と患者負担最小化に関する研究」(2005年から2006年度)(国会図蔵)であり、下記のWebサイトでも閲覧可能。
《厚生労働省科学研究データベース(国立保健医療科学院研究情報センター図書館)》を〈がんの医療経済〉で検索すると、
①「がんの医療経済的な解析を踏まえた患者負担最小化に関する研究」(2007年度)
年間の平均自己負担額101.1万円(6969名から回答)
②「がん医療経済と患者負担最小化に関する研究」(2004年度)
いずれも主任研究者は濃沼信夫氏(東北大学大学院医学系研究科)。両資料とも患者への医療費の調査結果が収録されているが、①は概要のみ。②はpdfファイルで全文が見られる。
(http://mhlw-grants.niph.go.jp/index.html 2008/09/14最終確認)
2 『最新「がん」の医学百科』
p64に〈がんの費用〉あり。がんの治療に必要な費用の目安(入院費、保険外治療、民間療法)自己負担額合計1,495,000円。出典はAFLAC医療費調査「がんの治療にかかわる経済的アンケート」(2003年3月実施。調査対象はがん保険給付金・保険金受取人で有効回答数432人)。
インターネット上でもAFLACのWebサイトなどにこの調査結果は出てくるが、これ以上詳しいものはなし。
また、下記のインターネット情報は社会保険適用金額の可能性があるが、参考までに紹介する。
《全日本病院協会》に「医療費の仕組み」「診療アウトカム評価事業」あり。東京都病院協会と共同で病院の自発的参加によりデータの提供を受ける。
〈主な疾患で必要な入院期間と医療費〉に2007年1~3月のデータがあり、医療費は点数となっている。
(http://www.ajha.or.jp/ 2008/09/14最終確認)
- 回答プロセス
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医療・社会保障関係の統計・白書類およびNDC分類〈494.5(がん)〉〈498.13(医療費)〉の書架にあたる。
また、各種WebOPAC、《NDL-OPAC(雑索)》《厚生労働省 統計表DBシステム》《Google》などを〈がん & 医療費 or 医療経済〉で検索する。
インターネット上に、がん患者の自己負担額に関する厚生労働省研究班(班長 濃沼(こいぬま)信夫東北大教授)の全国アンケート調査結果を紹介する記事があったため、《J-DreamⅡ》を〈濃沼信夫〉で検索する。ヒットしたもののうち県立所蔵雑誌記事にあたる。
《NDL 調べ方案内》より《厚生労働省科学研究データベース》の情報を得て、検索したところ同研究の論文がヒットする。
- 事前調査事項
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厚生労働省が毎年発行している「国民医療費」では「悪性新生物」として金額が出ているが、社会保険適用内の金額。抗がん剤など高度医療の自己負担費用は含まれない。上記資料は県立未所蔵。『厚生統計要覧』に一部掲載あり。厚生労働省のWebサイトに掲載されている。
- NDC
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- 衛生学.公衆衛生.予防医学 (498 9版)
- 参考資料
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- 『公衆衛生 2007.2』
- 『最新「がん」の医学百科 告知されたその日から役立つ病院選び~手術~退院後の生活法』(向山雄人 主婦と生活社 2005)
- キーワード
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- 医療費
- 癌-悪性新生物
- 医療制度
- 健康保険
- 照会先
- 寄与者
- 備考
- 調査種別
- 事実調査
- 内容種別
- 質問者区分
- 個人
- 登録番号
- 1000052580