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レファレンス事例詳細(Detail of reference example)

[転記用URL] http://crd.ndl.go.jp/reference/detail?page=ref_view&id=1000051341
提供館
(Library)
大阪市立中央図書館 (2210006)管理番号
(Control number)
10-3B-200901-11
事例作成日
(Creation date)
2009年02月02日登録日時
(Registration date)
2009年02月03日 12時02分更新日時
(Last update)
2010年04月21日 14時03分
質問
(Question)
明治2~3年にかけて、オランダの医師ボードイン(Bauduin,Anthonius Franciscus)の大阪での活動を知りたい。
回答
(Answer)
「江戸のオランダ医」(三省堂,1988.4)は、大阪のボードイン(p188-191)の活動について詳しく記述されている。
明治2年2月に仮病院に着任し、仮病院が大阪府病院に移転後も勤務。
明治3年2月から、軍事病院・陸軍軍医学校でも勤務。
6月に軍事病院を辞し、帰国のため、横浜に滞在。10月に帰国している。
回答プロセス
(Answering process)
1. 当館所蔵関連資料を調査
 当館所蔵をフリーワード"ボードイン"・"ボードウイン"で検索し、下記にボードインに関する記述を見つける。

①「江戸のオランダ医」(三省堂,1988.4)
    大阪のボードイン(p188-191)
②「開化異国(おつくに)助っ人奮戦記」 (小学館,1991.2)
 第1章 明治政府に切り棄てられたオランダ人医師 A・F・ボードイン(p41-55)
③「長崎のオランダ医たち」中西 啓/著 (岩波書店,1993.7)
   Ⅷ ボードウィン(p211-219)

  ①が、大阪時代について詳しい。
  明治2年1月13日   ボードインは大阪の仮病院を訪れ、下見を行った。
        2月14日  ハラマタからボードインに重症患者の引き継ぎが行われた。
        2月24日  緒方惟準が院長として仮病院の引き渡しを受ける。
        7月19日 鈴木町代官屋敷跡に移転。日曜を除き、朝8-10時にボードインの講釈が行われていた。   
        10月27日   ボードイン執刀で大村益次郎の右大腿部切断手術が行われた。
                    ※ボードイン・緒方惟準らのすすめで大阪府病院に移送・入院し、手術を行ったが11月5日没。
        11月      大阪府病院の西隣に医学校が11月に開校 
  明治3年2月       軍事病院・陸軍軍医学校が正式発足 ボードインは雇用契約を延長して、診察と軍医教育を行う。
        6月       大坂軍事病院を辞し、帰国のため、横浜に滞在
   その後、7月頃から10月頃まで大学東校(現東京大学医学部)で、講義を行い、帰国。                 

④「医学近代化と来日外国人」 (世界保健通信社,1988.12)も見つかるが、当館所蔵なし(大阪府立図書館所蔵)

さらに、明治初期の記述のある市史・区史や医学史関連書などを調査。

⑤「東区史 4 文化篇」 (p136)に記載あり。
  「明治二年二月大阪府知事後藤象次郎及び薩州小松帯刀相謀って八丁目寺町の大福寺に浪華仮病院及び医学校を創立した。
  ~ボードイン~の 協力によって完成せられたのであった。」

⑥「新修大阪市史 第五巻 近代Ⅰ」
  第1章「ボードインとその弟子」(p72~73)という項には関連記載なし。
   明治3年2月には、ボードインの設計による大阪軍事病院が大阪城内に出来たとのこと。(p73)
   同章に「大阪軍事病院」という項あり、ボードインが帰国希望を延期し、9月まで任期を延長、10月に帰国したとある。
  
  第5章に「医学伝習の始まり」「大阪府医学校病院」という項あり。(p683~686)
   明治元年12月に、大阪府仮病院が開設(場所は鈴木町代官屋敷跡(現中央区法円坂2丁目)と推定)。
   修築のため、上本町8丁目寺町の大福寺(現天王寺区)に発足、2年2月大阪府はボードインに在勤を命じたとのこと。
   明治2年7月19日、大阪府病院が鈴木町代官屋敷跡に修築竣工。同11月には西隣に医学校病院が開校。
   明治3年2月、大阪府医学校病院は大学校の管轄となり、3月ボードインは任期を終えた。

⑦「新修大阪市史 第五巻 近代Ⅰ」の関連項目の参考文献のうち、当館所蔵資料を紹介
   ・「大坂府仮病院の創設(1)」松田武  大阪大学史紀要 第1号
   ・「大坂府仮病院の創設(2)」松田武  大阪大学史紀要 第2号
ボードインについても、当時の記録を紹介しながら、記載されている。

⑧「大阪蘭学史話」(思文閣出版,1979.3) 8 大阪医学校と三人のオランダ人教師 1ボードイン(233-239p)
明治2年1月大阪に、上海より着任。
   明治3年6月、任期満了。後任のエルメレンスの着任をまって帰国のために横浜へ。

⑨「大阪春秋」No.129 特集「大阪の医学と医療」の「舎密局-関西近代学術発祥の地-」にも、記載はあるが詳しくない。

⑩「船場の医者-大阪市東区医師会三十周年記念誌-」 (大阪市東区医師会,1982.4)「東区明治の医者たち」(p97-133の項にも記載あり。


2. 「大阪春秋」索引 人名編/地名・事項編 で“ボードイン”・“ボードウィン”の項あり。
下記をご紹介するが、上記図書のほうが記述は詳しい。
   12巻 「明治初期の大阪の各種専門学校とその人々」17p、「大阪医学校からの百余年」31p、32p、「大阪の近代医学教育事始」49p
   15巻 「大福寺 仮病院の頃の逸話」84p
   53巻 「開化大阪と外国人」30p   「蘭学と大阪の医学」 42p  「築港と外人技師」 58p
   77巻 「大阪病院と桃山病院-近代病院の発祥-」 60p   

3.Ginii 学術コンテンツポータルで検索
  “ボードイン”・“ボードウイン”での検索結果中、有用かと思われるものを以下に挙げるも、当館所蔵なし。
①中山 沃 A. F. ボードインの大坂病院における診療記録と眼科記録ノート 日本医史学雑誌 50(1),118-119,20040320(ISSN 05493323)
②石田,純郎 A.J.ボ-ドイン書簡について (故中野操先生追悼号) 日本医史学雑誌 34(2),p171~186,1988/04(ISSN 05493323)
③石田,純郎 医学近代化と外人 たち-4-ボ-ドインの数奇な運命 臨床科学 21(7),p951~955,1985/07(ISSN 03850323)

 ①・③は、国立国会図書館関西館所蔵。
②は、国立国会図書館東京本館所蔵と思われる。(表示されない所蔵資料(巻号情報がデータベースに未入力の資料)が東京本館にありとの表示)

 また、“ボードウイン”での検索結果中には、『維新史料綱要』データベースでの下記事項も見つかる。
①明治3年2月13日(1870) 
  外務省、書を蘭国領事ファン・デル・タックに致し大坂府病院付蘭医ボードウインの雇傭期限本年三月を以て満つるに依り、
  同人を更めて大坂軍事病院に引続き雇傭するの斡旋を求む。尋で「十九日」ボードウイン、半年間の勤務を諾す。
②明治3年閏10月15日(1870)
  是より先「十月」前大坂軍事病院附蘭医ボードウイン、大学東校に雇庸さる。是日、満期帰国せんとするを以て、
  之に謁を賜ひ、勅して其功績を褒ず。尋で「二十八日」金三千両を賜ひ、功碑に代へ、賞典文を授く。

4.国立国会図書館デジタルアーカイブポータルPORTAを調査
 “ボードイン”・“ボードウイン”、“大阪府病院”・“大坂軍事病院”での検索結果中、
  国立公文書館デジタルアーカイブで関連する下記事項あり。

  明治3年          大坂軍事病院ヘ蘭人ボードインヲ雇入レ緒方中典医ヲ該院ニ兼勤セシム
  明治3年7月      軍事病院傭蘭人ボードイン満期ニ付代人傭入伺
  明治3年9月         東校ヘ蘭医ボードイン雇入条約伺
  明治3年10月[閏]      蘭医ボードイン帰国ニ付賞典並伊藤大典医洋行之儀申立・附ボードイン参内式
明治3年10月15日[閏]  大学東校雇蘭医ボードイン帰国謁見

5.大阪府公文書館所蔵資料検索システムを調査
 “ボードイン”、“ボードウイン”で検索するも有用なものなし。

6.東京大学史料編纂所データベース
“ボードイン”、“ボードウイン”で検索するも有用なものなし。

7.大阪市立大学近世資料横断検索
“ボードイン”、“ボードウイン”で検索するも有用なものなし。

8.googleで調査
千葉医療センターニュースの連載「Anectoda-隠れた史実-」(18)を見つける。
「新政府内に医学校兼病院建設の発議があり、明治2年8月、越前松平春嶽(しゅんがく)(慶永)を大学別当兼侍読とし、
後藤象次郎・小松帯刀幹事となり、大阪大福寺に、医学校兼病院の前身として大阪医学院(ママ)(仮病院とも)が開設された。
~ボードウィンは眼科に腕を ふるい、惟準は内・外科全般を受け持った。当時患者数は毎日80人を下らず盛況だった。」とのこと。

同、「Anectoda-隠れた史実-」(19)によると、「明治3 年2 月大阪軍事病院が大阪城内(京橋口)に正式に発足することになる。
~軍医頭緒方惟準も中典医の まま軍事兼務した。ボードウィンは半年契約延長し、診療と併設軍医学校で軍医教育に当たる。」とあり。
事前調査事項
(Preliminary research)
NDC
日本  (281 9版)
参考資料
(Reference materials)
「東区史 4 文化篇」 大阪市東区役所,1941<当館書誌ID:0080249908>
「新修大阪市史 第5巻」大阪市 1991.3<当館書誌ID:0000215623>
ginii 学術コンテンツポータル  http://ge.nii.ac.jp/genii/jsp/index.jsp  (2009.1.30確認)
国立国会図書館デジタルアーカイブポータルPORTA  http://porta.ndl.go.jp/portal/dt  (2009.1.30確認)
「江戸のオランダ医」 石田 純郎/著 三省堂,1988.4 ISBN 4-385-43146-9<当館書誌ID:0000320454>
「開化異国(おつくに)助っ人奮戦記」 荒俣 宏/著 小学館,1991.2 ISBN 4-09-389311-X <当館書誌ID:0000228000>
「長崎のオランダ医たち」中西 啓/著 岩波書店,1993.7 ISBN 4-00-009132-8<当館書誌ID:0000339799>
千葉医療センターニュース「Anectoda-隠れた史実-」(18)(19) http://business4.plala.or.jp/nhochiba/cmc-news.html  (2009.2.3確認)
「大阪春秋」索引  http://homepage3.nifty.com/osaka-web-museum/index-top-shunjyu.htm  (2009.2.5確認)
「大坂蘭学史話」中野 操/著 思文閣出版,1979.3<当館書誌ID:0070052050>
「大坂府仮病院の創設(1)」松田武  大阪大学史紀要 第1号 <当館書誌ID:0000561723>
「大坂府仮病院の創設(2)」松田武  大阪大学史紀要 第2号<当館書誌ID:0000561724>
「船場の医者-大阪市東区医師会三十周年記念誌-」 大阪市東区医師会,1982.4<当館書誌ID:0070117950>、
キーワード
(Keywords)
Bauduin,Anthonius Franciscus
ボードイン
ボードウイン
大阪府大阪市
照会先
(Institution or person inquired for advice)
寄与者
(Contributor)
備考
(Notes)
ボードイン Bauduin,Anthonius Franciscus(1822‐1885)
オランダの医師。幕府から医学校の準備をゆだねられて帰国したが,幕府の崩壊で実現しなかった。
慶応4年再来日,大阪医学校,大学東校でおしえ,明治3年帰国。
「日本人名大辞典」より抜粋
調査種別
(Type of search)
事実調査
内容種別
(Type of subject)
郷土
質問者区分
(Category of questioner)
社会人
登録番号
(Registration number)
1000051341解決/未解決
(Resolved / Unresolved)
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